明日の鐘
歩道に広がってせまり来る人の波
闊歩していた。なだれるように無秩序に
まるで映画のワンシーンだ、と
僕はまだ皮肉を言える
避けることしかできない惨めさに目を伏せて
ベルを鳴らして脇を通り抜けた細い自転車が
地を這う僕を嘲笑った。
"まだこの街に何かを期待するのかい?"
問いかける声が大きくなって、
明日の鐘が僕を迎える
一本の道を分け合うための、心かよう瞬きが
この街にないことを僕はもう知っているのに
"まだこの街に何かを期待するのかい?"
問いかける声が大きくなって、
明日の鐘が僕を迎える
以上です。