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〇〇が喋った

イヌが喋った!




「うとうと、うとうと」




「遊ぼ、遊ぼ!」




「うわ、びっくりした」




「早く遊ぶよ!時間は待ってくれないんだから」




「なるほど、確かにその通りかもしれない」




「何して遊ぼうか?」




「ここに骨があります」




「この骨を遠くに投げてくれたら、僕が取りに行きます」




「そして、また貴方に渡す無限ループをやりましょう」




「すごい、自ら無限ループ宣言」




「まあ、仕方ない。やろうか」




「あれ……どうして骨を渡してくれないの?」




「ぐるるるる……(怒)」




「え、嘘でしょ。自ら提案した遊びなのに、全然骨を渡す気ないやん」




「あ……すいません。どうも、自分のものを取られるのが苦手でして……」




「まあ、犬の習性ってやつだから仕方ないね」ぐいっぐいっ




「がるるるるるる……(激おこ)」




「全然、反省の色が見えない!」




「僕からこの骨を奪いとるところから、ゲームは始まることとしましょう」




「何て、体力を使う遊びなんだ……」




*****10分後*********




「ふぅー、だいぶ疲れたなぁ」




「ご主人、僕はまだまだいけますぜ」





「まあ、君はいけるだろうけども……僕は限界みたいですぜ」




「弱い……これが人間という生き物か……」




「しまった、僕のせいで人間が舐められてる」




「しかし、もう動けないなり」




「ご主人は体力がないなり」




「すまんなり」




「お腹減ったかも」




「なら、準備するわ」




「流石っす。人間は素晴らしい」




「急に、評価爆上げだぜ」





*****10分後*******





「お腹一杯になったよ。まだ全然食べれるけどね」




「君はあげれば、あげるだけ食べるからね」




「病気してからは、そんなに食べなくなったけど……」




「あれ……君病気じゃなかったっけ?」




「そんなの、もう治ったよ」




「あれ、そうだったっけな?」




「それより、食後の散歩だよ!早く準備するのだ!」





「はいはい、何だか散歩するのも久しぶりなような……」




「君は年を取ってから、散歩を嫌がるようになったからね……」




「若いころは散歩散歩煩かったな……」




「ほらほら、そんあ思い出話に耽ってる場合はないよ!」




「はいはい、引っ張らないで……」






************




「散歩だ!散歩だ!」




「散歩だぞ!散歩だぞ!」




「あっ、大きい犬怖いっす。ご主人抱っこよろしく」




「あっ、はい」




「いつまで、僕を抱っこしてるつもりだ!はやく降ろすんだ!」




「はいはい」




「あっ、ご主人。高い壁だ。怖いっす。ここも抱っこで」




「はいはい……君は臆病だねぇ」




「そんなことはない。家の中では無敵」




「僕に似て、内弁慶だなぁ」




「飼い主が悪いってことだね」




「そんな馬鹿な」




「あっ、ご主人この坂はダッシュでいきます」




「ひぇー」





************





「ふー、散歩終わり」




「楽しかったぜ」




「それはよかった」




「じゃあ、そろそろ寝ようかなと思います」




「はいはい、そうしてくださいな」




「おいしょ!」




「何と、僕の膝の上か!珍しい!」





「今日はここで寝るわ」




「まあ、いいけどね」




「それにしても君がこの家に来て15年か」




「長いようで短かったね」




「……」




「いつもワンワン吠えてうるさかったね、君は」




「今日まで、ありがとね」




「また、犬でも飼いなよ」




「当分はいいや」




「そっか」




「僕と居て、楽しかったかい?」




「この家に来れてよかったかい?」





「また、いつか会おうね」





******************






僕はいつの間にか眠ってしまっていたようだ。



僕の膝の上で、彼は眠っているように見える。



僕は、彼の頭を優しく撫でた。







今日の夕方、飼い犬が亡くなった。









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