41◆◇◆場所:『キレたお嬢様と愉快な標的(ターゲット)たち』……語り手: 【都市伝説好き(ショートヘア)】
◆◇◆場所:『キレたお嬢様と愉快な標的たち』……語り手: 【都市伝説好き(ショートヘア)】
「その愚躰を持って、我が【命歌】を聴けッ!」
『猫嬢』が叫ぶ。
いや、叫ぶのではなく、『意味』を叩きつける。
『怒り』・『強制』・『断定』・『否定』・『存在』・『畏怖』・『尊大』・『信念』・『情熱』・『熱情』・『情念』の【自己主張】があらゆる『周囲の動き』を『叩き伏せ』、『制止させた』瞬間。
――すぐさま、別の【自己主張】が辺りを覆いつくす。
【キレました】
――『意味の顕現』。
それだけで十分という主張。
その主張が、すぐさま、別の主張へと劣化し、形を変えて、変化し、昇華し、ぶつかり、新たな意味を紡ぎだす。
【『光(灯)(ひ)』が射して、『闇(病)(やみ)』が増す】
――『猫嬢』が紡ぐ。
【『聖(姓)(せい)』が生まれて、『邪(蛇)(じゃ)』に転ず】
――『猫嬢』が『金色の双眸』に朱を灯す。
【『明(空)(あけ)』より出でて、『宵(善)(よい)』に終わる】
――空気が震える。
【――『両極(凌曲)(りょうきょく)』は『明確(名曲)(めいきょく)』】
『バチバチ』、『バチバチ』と電光が走り、『時空』の悲鳴。
【なれど、『境界(教戒)(きょうかい)』はおぼろげ、かつ『無限(夢幻)(むげん)』】
『バチバチ』×(八十四回)×(三十六乗)の音叉の交差。
【『他(詫)(た)』が『両端(令嘆)(りょうたん)』を『異端(畏誕)(いたん)』とし、『異端(意誕)(いたん)』が『既知(奇血)(きち)』を『未知(美血)(みち)』へと『還る(変える)(かえる)』】
『電光』の『振動』が『音楽』となりて、『意味』と踊りて【自己主張】。
【――『真(新)(しん)』と『虚(去)(きょ)』が入り乱れての『混沌(金敦)(こんとん)』の宴】
紡がれ、紡ぎて『雷光』が『幾何学』に変わり、『幾何学』が象徴(消長)を生み、【陣】となり。
【『天』が狂い踊りて、『我』に問う】
【陣】が蔓延り、重なり、膨らみ、拡がり、主張の全てを『増幅機』の如く。
【――何が『真(死)(しん)』で、何が『正(生)(せい)』かッ!】
『猫嬢』が目を見開き、腕を振りやり、【陣】と【陣】を『逢(合)わせて』舞い踊る。
【それに、我は答えよう!】
――全てが変わる。『意味』も『主張』も『存在』も変わりて、『集束(収束)(しゅうそく)』。
『モノ』が変わりて、『モノ』へと代わる。――『真意』で『本意』を満たすべく。
【――シンプルかつ、『不動(不同)(ふどう)』の答えを!】
『猫嬢』の敵を討てとばかりに、討つとばかりの主張の『暴徒(喧騒)』で。
『金色の瞳』と『黒髪を揺らす少女』の『命令(答え)』を待ち詫びて、喉を鳴らして牙を剥く。
彼女が動く。
彼女が腕を振る。
――それは、『やれ(do)!』という『全ての行動』を示す『一語』を示す『挙動』。
『電光』を撒き散らす、『黒髪』を靡かせながらに。
――彼女の唇が開く。
『赤』と『朱』の唇が紡ぐ。
そして、『猫』のような『少女』は告げた。
これが、『世界の全てだ』、と。
【世の中、金よ!(World is Gold !!)】
――『意味の顕現』。
『破壊』の『権化』。
『断定』の『断罪』。
――ただそこにあるのは『光』だけ。
もう何も見えず、何も聞こえない。
圧倒的な『威力』の前には『光』は置き去り。
圧倒的な『破壊』の前には『音』も置き去り。
――『飽和』の『飽和』は塗りつぶされた『白いキャンバス』。
『白』と『無音』が『支配』する『世界』――。
――『時間』は『不明』。
『一瞬』だったのか、『数瞬』だったのか、『永久』だったのか。
きっと、『無限』で『連鎖』で『鎮魂歌』。
――遅れてくるのは『破壊』の『黄昏』。
終わった後に思い出しかのように、『轟音』が『鳴』りて『響』きて『視界』が戻る。
『時空(歪み)』が戻って、『世界』が戻って、『フツー』に戻る。
――そこにあるのは、ただの『虚無』。
いや、正確には、『黒髪の少女』が目の前。
――彼女の『放射状』に存在していたモノ全てが『消え』ていた。
数切れないぐらいの多数の『ロボット』も、『壁』や『床』、『天井』が始めから存在していなかったかのように、ぽっかり無くなっていた。
それらの『残骸』すら無く、隣接していた『内部構造』が剥き出しで。
消えずに残った『屋敷の名残』の遥か向こうに、外の景色が見えていて。
――『地底』から『天』へと繋がるトンネルの如く。
『天』より降り注ぐ『月光』を『地底』の『月花(少女)』に届けるように。
「――ッ」
突然の『耳を劈く轟音』と、ほとばしる『破壊の衝撃』が殴打した。
『新幹線』と『戦闘機』が激突したような、耳を劈くばかりの『音量』。
――今更ながらに、『忘れて』いたように、『思い出す』。
かろうじて、『ぎりぎり』残っていた『屋敷の名残』が思い出す。
『剥き出しの鉄筋』が、『ひび割れたコンクリ』が、『剥げた床』が思い出す。
「――ッ」
『拉げ』、『抉れて』、『砕かれ』、吹っ飛ばされる。
――『存在していたモノ(過去形)』を『一瞬』で『消滅』させた『破壊へ』の『追従』。
『真空(虚無)』への『皺寄せ(帰結)』。
『音』や『衝撃』でさえ『時間差』で追いつくのが『やっと』。
――何も無かった『空間』は、あっという間に、『瓦礫の山』で覆われつくされた。
その圧倒的に『強大な破壊』の名残に佇む『少女』が一人。
『黒髪を揺らす彼女』は、ただひたすら――。
――小さく悲しげで。