27◆◇◆場所:『管理人を追いかけて追いかけて』……語り手:『若造』
▼(注釈)タイトルの連番がずれてますが正常です(微笑み)
◆◇◆場所:『管理人を追いかけて追いかけて』……語り手:『若造』
「――積もる話もイロイロ、たくさんあるけど、まぁ、ココに住んでる人は、みんな『債務者』ヨ」
と、遠くのほうで、声がする。
誰も待ってくれません。――放置です。
えっ? オレは『のけモン(はみご)』で、みんなで盛り上がるんですか? そうですか?
――これなんて『語り手の不遇』!
『語り部』より、『語り手』のほうが、『今風』なんで、『好印象UP』と思って、使ってるのに。
《この扱いは差別だ!》と、猛抗議してみるけど、『ゲレナさん』、歩くの速いすぎ。
『ぎりぎり聞こえる』程度に追いつくのが、やっとだぜ!
……ちなみに、オレは走ってたりする。
「――ちょっとした失敗で借金に借金が重なって、『全財産差し押さえ』。住む場所無くして、ココっで暮らしてるヨ。――ちなみに、ワタシもその一人ネ。――若気の至りってヤツ? 『好きな人』と『大恋愛』で、『ご主人様』と一緒に『大抗争』。始めは、良かったヨ。『順風満帆』で、やること成すこと上手く行って――。でも、猫の知り合いが、『ちょっとした失敗』で、『お金に困ってて』ネ。――『ご主人様』が、また人情に厚いお人で。――気軽になった『連帯保証人』が『運のツキ』。猫の知り合いと、『ご主人様』は共倒れの大破産。ワタシもその『アオリ』を食らって、『多額債務者』の仲間入りヨ。――あっ、着いたね」
ようやく『ゲレナさん』が『停止』。
ものすごい速さで、連れ回されてた『猫嬢』と『メイド』の『思考回路』も『停止』。
オレは息切れしすぎて、心臓が『停止』しそう。
「ハイ、ワタシの紹介はオシマイ。アナタたちの住む部屋はココ、ヨ」
『ガチャ』と音がすると、『ロックします』、『開けません』、『入ってます』っていう【自己主張】が消えた気がした。
ドアが開くと、『錆びた鉄のニオイ』が、『もうもう』と辺りに『フィールド展開』。
――『錆び付いていた』のは、『立て付けの悪さ』だよな?
頼むから、『鉄のニオイのする液体』じゃないことを祈るぜ。
《……部屋ってここ?》、《いや、コレが部屋なの?》と、『猫嬢』が意識を取り戻す。
《……『植物の床』と、『窓には鉄格子』?》と、『メイド』も一応復活したけど、表情はかなり危険。
って、なんでだよ!
あまりに『予想GUY』です。
――オレの理解力が追いつかない。
「なんで、『畳』と『ちゃぶ台』と『押入れ』があるんだよ! しかも、『四畳半』ッ! 『トンデモファンタジー世界』のはずが、『めっちゃ和風』だし!」
「イァ~、ココは、元々、『刑務所』だったヨ。何でも古くなって、移転することになってネ。『親仁さん』が、『土地と建物を買い取った』ヨ。『街にも近い』し、『部屋も多く』て、『騎体がおけるガレージ』もアル。見た目はアレだけど、かなり良い物件ネ。窓の鉄格子は、そのときの名残ネ。部屋の雰囲気が、アレなのは、前にココに住んでたヤツが、『異文化フェチ』だったヨ。ワケあって、ソイツはいなくなったガ、部屋はそのままだったヨ。気にせず、使うヨロシ」
《ワケあってですか……?》と、『メイド』が『ツッコミどころ』を逃さない。
「アハハ、キニシナイ、キニシナイ。ココじゃ、いろんなヤツが住んでるから茶飯事ヨ。『入れ替わり』、『立ち代り』、『成り変わり』は、『よくあること』ヨ。『親仁さんの土地』だから、ほぼ『治外法権』。並のコトは、何の問題もないネ。――しかも、『並よりヒドいこと』は、『起こったことない』から、『心配いらない』ヨ。安全性バツグン」
『バンッ』、『ガシャン』、『ズガガガン』、『ドカーン』って、敷地のどこかで音がした。そう思った瞬間、建物は低い音を立てて、揺れた。
「今のは?」
非常に気になったので聞いてみた。
「並ヨ。ワタシが『管理人になってから』、『並よりヒドいことは一度もない』ネ」
……『ステキな笑顔(どこ見てるかわからない)』で、返された。
「さて、ワタシはこれからちょっと用があるヨ。特に、ココには、『決まりとか無い』から好きに使うヨロシ。『外出』、『部屋の模様替え』、『荘内恋愛』、『全てOK』。――強いてあげるなら、ワケありの住人が多いから、最初は戸惑うかもしれないケド、みんな仲良くするネ」
【『並よりヒドいコトしなければ、無問題』】
【『親仁様への借金の返済(仁義)を守れば、無問題】
――なんか『意味の顕現』を聞いたような気がした。
《何か質問アル?》と、『ゲレナさん』が『間』をイメージさせるような空白をはさんで聞いてきた。
『……』と『猫嬢』が、……おい、こっち見んなよ!
『……』とオレと『メイド』は、『中の人などいない』ってスタンスで黙っておいた。
「じゃ、ワタシはこの辺りデ」
『ギギギギギギ』って、『断末魔を断末魔させるような断末魔』で扉が閉まった。
「はぁ……」
溜息。
『空気』ってこんなに美味かったんだ!
そう思えるぐらいの深い溜息を三人揃って、盛大に。
「アァ~、そうそう、言い忘れてたヨ」
――『ホラー』だった。
「借金の返済は、きちんとしてヨ?」
――とても驚いた。
「もしもってことは無いと思うケド、支払いが遅れた場合は――」
――なぜ、そこで溜める。
「アァ~、ダイジョブそうネ。『三人とも若い』から、もし、そうなってもダイジョブ。『若い』ってソレだけで、『長所』ネ。『買い手』に困りそうにナイヨ。あ~んなコトや、こ~んなコトや~。イァ~、ホント、イロイロと使えそうネ。キニシナ~イ、キニシナ~イ」
――『ゲレナさん』が、『鼻歌交じり』で扉を閉めた。
『ガチャン』って『ギロチン』が落ちたような、音がした。
「……」
「……」
『ギャァァァァッ!』、『ギュィンギュゥイン』、『ズゴゴゴン』って激しい音がした。
――今度はさっきよりも近そうだ。
これは『スルー推奨』だ。
「……結局、払わなかったらどうなるのよ?」
「さぁ……? 何なんでしょう?」
えっ、お前ら、さっきの話で分からなかったの?
ちょっと『ツッコミ』ながらにオレは、気分を整理中。
「ハッ、きっとロクなことじゃねぇさ。若くて買い手があるっていやぁ、たいてい、アレだろ? ――『身売り系』とかだろ、どうせ」
《身売りですってッ!》と、『猫嬢』が『それだけはイヤ』って表情で、懸命に。
「そんなの嫌よ! この私が、『爵位剥奪』の上に、『破産』して、挙句の果てに、どこの『誰だかわからないヤツ』のとこに『売られる』だなんて!」
うん、ホント『悲惨』だと思う。
それに巻き込まれてる、オレは『もっと悲惨』だぜ!
「だったら、黙って借金返すんだな。元々、テメェの借金だろ?」
《それは……》と、『猫嬢』が、『ちょっぴり反省』と口ごもる。
「はぁ……。ホント、困りましたわ。こんな『牢屋みたいな部屋』で暮らしながら、借金返していくなんて……」
あぁ、『メイド』の心中お察しするぜ。
――こりゃ、『疲労困憊(鬱病)』になってもおかしくない。
《どういうことよ?》と、『猫嬢』は相変わらずの『KY(空気読めない)』で質問。
「えっとですね。『一攫千金』をかけて、『私たちの勝利に賭けてた』んですよ。『10億Cat』を楽々、返済できるぐらいの配当になるように。『究極・無敵・夢騎体』があれば、確実に勝てるワケですし。もぅ、なんていうか『勝率100%』の『出来レース(八百長)』みたいなもんです。実際、勝ちましたし」
なんかオレを見てる!
って、この構図は、まさか……。
――オレに『全責任を取らせよう』っていう『孔明の罠(布陣)』!
『メイド』、てめぇ!
『猫嬢』の注意をそらすため、オレを売りやがったな!
「別に、『若造』さんのせいってワケじゃないですが。あそこできっちり勝ってれば、こんなことにはならなかったのに。――『爵位剥奪』、『破産』、こんな『トンデモ荘での生活』なんてする必要なかったのに……!」
ダメ押しの追撃きた!
「あ~あ、どこかの『常識知らず(空気読めないヤツ)』のせいで、ホント大迷惑だわ。ホント、『コイツ』に会ってから、ロクなことがない。アンタ、お金返しなさいよね」
『印象操作完了☆』ってか。
……そんなバカな話があるわけねぇ。
巻き込まれたのはオレのほうじゃねぇかよ。
――『ドタマにキタゼ!』。
「うるせぇ。元を正せば、オマエの借金のせいだろうがよ。『代戦行為』とかいう、犯罪を起こしたのもテメェだ! オレは、テメェらに騙された言わば被害者だ! 誰が、払うかよ! テメェの借金ぐらいテメェで払え!」
感情の発露。
我慢の限界。
――『ツッコミ担当』は疲れました。
でも、ツッコまねぇワケにはいかねぇよな!
「『一流貴族』や、『名門の血統』とか言って、エラぶってる『お猫様』は、いざ、問題が起きたらお手上げかよ。――いや、お手上げだったらカワイイもんだ。初めて会ったヤツに、『無理難題』を押し付けて、失敗したら、『責任全部』押し付けて、『自分は悪くない』ってか? ――そんなだからこんな目に遭うんだよ。『色ボケ猫』に『好かれる(にゃんにゃん)』されんのも『爵位を失う』のも『破産する』のも、まさに、『自業自得』だぜ! オレに会おうが、どうしようが、いずれ、『こういう風になってた』ことだろうよッ!」
言った。
――言ってやった。
言えば言うほど、言いたいことが出てきて言いたくなる。まだまだ言いたいことは山ほどあるぜ、一生かけても言ってやらぁッ!
《何ですってーーーッ!》と、『猫嬢』の『マンネリ』っぷりは、反吐が出る。
「何でもかんでも、どうでもいいッ! オマエが、口先だけの『三流ヤロウ』ってことだ!」
「キーーーーーッ! 言わせておけば、このサル野郎が……!」
『売り言葉』に『買い言葉』。
オレの怒りが、『猫嬢(クソ猫)』にも『引火』。
『猫嬢』の周りの空気が、『バチバチ』と『危険』を『65536回(16ビットのハイカラー)』。
「せっかく、アンタのために『元の世界に帰る方法』見つけてあげようと思ったのに、そんな『少しでも同情』した私がバカだったわ! こんな、『デリカシー』のない『サル』以下のヤツを、『可哀相』って思うなんて。――いや、『可哀相』とは思ってたか。こんな、バカすぎるのによく生きていられるんだと、同情したわ。アハハ、カワイソすぎてね」
《コイツ……!》と、オレが『猫嬢』を殺そうと、睨みつける。
《何よ……!》と、『猫嬢』が、『その前に殺ってやる』と、睨み返す。
《二人とも、落ち着いて……》と、『メイド』が、うろたえる。
――だけど、それが何だってんだ!
「イヤ、無理、絶対ムリ、もうガマンの限界。一秒だって、こんなヤツと『同じ空間』に居たくない。『同じ空気』を吸いたくないわ!」
先にあっちが、言いやがった。
「うるせぇッ! それは『オレのセリフ』だ。こんなワガママな『クソ猫』となんていたくねぇ。今すぐ、出て行きたいぜ!」
「だったら、出て行きなさいよ!」
「あぁ、出てってやらぁ! 『クソ猫』の力なんて借りなくてもよ。オレは『元の世界』に戻ってやらぁ!」
「二人とも、落ち着いてくださいって! それに、『一緒に闘ってくれる』っていう私との約束は……」
『メイド』が何か言っている。
どいつもこいつも、空気読めなさ過ぎだろ。
わかってねぇじゃねぇか? 頭沸いてんじゃね?
「うるせぇッ! あんなモン『破棄』だ、『破棄』! オマエの『大切なお嬢様』が、出て行けって言うんだ。――オレはそっちに従うぜ。『猫嬢(メス豚)』の命令なんて腹が立ち過ぎて、ヘドが出るぐらいイラつくがなッ!」
それが最後。
それで最後。
――これが最後だ。
思いっきり、扉を蹴り閉める。
『頑丈だけど、それは無理』って【自己主張】を放ち、扉が歪む。
「あぁ、クソだぜ。クソ過ぎるぜ。『神様(作者)』ってのがいるんだったら、殺してやる」
そう、殺してやればいい。
オレの邪魔するヤツは殺しちまえば、いいんだよ。
――オレは、なんとしても『元の世界』に帰るんだ。
なぁ、わかるだろ?
暴れた後って、『気分がいい(最高にハイ)』ってヤツだぜ?




