16◆◇◆場所:『激闘の後の敗者席(舞台にて)』……語り手:【都市伝説好き(ショートヘア)】
◆◇◆場所:『激闘の後の敗者席(舞台にて)』……語り手:【都市伝説好き(ショートヘア)】
「はぁ、はぁ……す、すまねぇ……」
あちこちが凹み、ひしゃげた機体から、『隻眼』がよたよたと這い出した。
これって、何かの『安全テスト?』って具合に、『目立った(パイロットには)負傷』なし。
『闘い(ランブル)には負けた』けど、『勝負(宣伝)には勝った』ってカンジ?
「……」
傍らに、棒立ちの『王子』。
その視線はどこを見ているのか。
遠くを見ているかもしれないし、『猫嬢』を見ているかもしれないし、そのどちらでもなく、何も見てないのかもしれない。
結局のこと『王子』以外には、わからないけど。
「俺としたことが、遅れを取っちまった。くっ、情けねぇ……」
「……」
と、やはりガン無視で、『王子』は沈黙。
「……」
「……」
両者、沈黙の重たい雰囲気。
いつまで続くんだろう?
そう思ったら、大体すぐに終わるもので。
『王子』の口が動いて破られた。
「――キミには失望した」
ただ一言。
その一言で十分。
《君、明日から来なくていいよ》、《君、明日から長期休暇ね》、《君、出世諦めたほうがいいよ》、《君、今回はご縁がなかったってことで》っていう、『リストラ通告』にしか聞こえない一言。
「クソッ……」
そう、『隻眼』は毒づいた
その一言で十分かもしれないけど、それじゃ収まらない。
『隻眼』は、思いっきり『ヘルメット』を投げ捨てた。
遠くのほうで、『カランカラン』って落ちた切ない音は、『落ちた受験生』の『がっくし』って、『身体言語』とか『心象表現』につながるかもしれない。
――以上、『人生の負け犬(敗者席)』でした。




