15◆◇◆場所:『激闘の後の舞台(リング)にて』……語り手:『若造』
◆◇◆場所:『激闘の後の舞台にて』……語り手:『若造』
「ラァァンブゥゥゥル・オォォォォーバァァァーーーーーーッ! 見事、激闘を制したのは、『猫嬢』と『技皇』だぁあぁぁぁあぁーーーっ!」
『司会』の絶叫。
《よっしゃ、当たりキタコレ!》、《ウホッ、全財産すっちまったぜ!》、《こんなの八百長だ!》、《『猫嬢』様最高です!》、《すげぇ、試合だったぜ》、《あぁ、一方的過ぎるぜ!》って、カンジの『猛烈な歓声』で『闘技場』は飲まれていた。
機体から下りながら、それを眺める。
『ヘルメット』って意外と慣れると、楽かもしれないと結論。
《ちょっっと、アンタ!》、《何気にやるじゃない》、《見直したわ》と『猫嬢』が走り寄り。
《『若造』さん》、《お疲れ様です》、《ホント、凄かったですよ?》と、『メイド』が歩み寄る。
「だろ? さすが、オレってなっ! オレにかかれば、あんなのヤツの一人や二人なんて、とっ、とっ、おわっ!」
急にぐらついた。視界がぐるりと一回転。
これが、『眩暈』ってヤツか?
「ちょっ! しっかりしなさいよ、アンタ!」
《だ、大丈夫ですか?》と、『メイド』が肩を貸してくれる。
「……あぁ、大丈夫。大丈夫だっての。ちょっと、気が抜けちまった」
「大丈夫って、アンタ、手が震えてるじゃない……?」
『猫嬢』に言われて腕を見る。
そんなバカなことあるワケないだろ。オレが震えるなんて。
……あれ? 少し震えてるぜ、マジで。
「別に震えてなんかねぇよ! ただ、ちょっと『小刻みに揺れてるだけ』だッ!」
強がったところで、『猫嬢』は『半目』で見てきやがる。
「……まぁ、アレだ。ちょっと、力み過ぎたからな」
「ふふっ、そういうことにしときましょう。何はともあれ、勝ったんですから私たち。『若造』さんのおかげです。カタいことは抜きにして、喜ばないと」
「……そうね、認めたくないけど。ホント、良くやったわ、アンタ」
ナイス『メイド』!
さすが、『空気の読み方』がバツグンだ。
「ふははは、どんっどん、ほめてくれッ! 褒め称えて、ひれ伏すがいい」
《なっ、コイツ、威張りすぎッ!》と、『猫嬢』が腹を立てている。
《まぁまぁ、お嬢様》と、『メイド』が笑う。
――以上、『勝利者席』でした。




