14◆◆◆場所:『書類と人が散らばる会議室』……語り手:【歩く騒怨(ヘッドホン)】
◆◆◆場所:『書類と人が散らばる会議室』……語り手:【歩く騒怨】
「『カテゴリーの細分化』なんて意味なくない? そんなモノに時間を割くのは無駄だね。――もちろん、有意義だって『命名大好き(権利者団体)』さんや、『自己定義大好き(専門家)』さんたちもいるし、『定義づけの仕事(研究学者)』ってのもある。――だけど、『世界というものは連立している』んだよ。そう、色々なものが混ざり合った『虹色』ってヤツ。『虹』って『何色』だっけ? 七色? 八色? 三色って国もあるよね。国や場所や世界が変われば、定義は崩れる。万物不変の『普遍で不偏』な定義なんて存在しない。『1+1=2』は、『量子力学』や『経済学』、『精神論』じゃ崩れるんだ。――この世は、マクロな視点で多面的に見るからこそ本質が見えてくる。だから、『自分の専門はここ』だって線引きして、言い訳して、『苦手意識』の『免罪符』を振り回さずに、『自分の頭』で『考えたベスト』を尽くして取材に当たって欲しいんだ」
机に座る一同の理解が追いつくのを、『三つの電子音源(電波)』と、会議室の『数多の肉声』を聴きながらに、待つ。
――丸くなったもんだね。
【知ってはいけない事件(あの都市伝説)】を経て、本当に『堕落した(丸くなった)』もんだ。
『情報部』の『定例(戦略)会議』に出て、しかも最前面の教卓ごしに、『講座(演説)』するなんて。
『暴君』が見たらなんて言うだろうな。
きっと、《これって、何かのドッキリか?》、《それとも、『洗脳調査』の実験か?》、《いや、また『国家転覆』を狙った『宗教組織』を作ってだな》とか、皮肉の『千本ノック(クリティカル・シンキング)』ぐらいしてくれそうだ。
そう結論しながら、『例のニュース』のことを考えながら、室内を見回しながらに、手を上げている人物がいることに気づいた。
「君の『騒怨(意見)』は、もっともだ。――だが、専門を分けて、『棲み分ける』必要はあると思うぞ? 『自分の領域』に『どかどか』と『赤の他人(部外者)』が入ってきて、好き勝手に『分けの分からない仮説(暴論)』を展開して、その【領域】の価値を下げられては困るだろう? ――だから、私は、『他人の専門』を犯したくないものだ。おっと、『情報』は、『私の専門外』だったな」
――おい。【殺人容認主義者(白眼鏡)】がなんで、『情報部』にいるんだよ。
ここは、『私の学校』で、アンタは『他所の大学の教授』だろ?
「部外者は立ち入り禁止だよ、【殺人容認主義者(白眼鏡)】。――『情報』は、『私の領域(居場所)』なんだけど?」
「――あぁ、気にしないでくれ【歩く騒怨】。『情報部』へは、〝例の事件〟の『ショック治療』の資料を取りに寄っただけだ」
……やっぱり、『カテゴリーの細分化(棲み分け)』は、『世間的』には必要かもしれない。
そのほうが、『戦争は起きない(世界は上手く回る)』のかもしれないね……。




