13◆◇◆場所:『様々な計器が並んだ、座り心地のいいコクピット』……語り手:『若造』
◆◇◆場所:『様々な計器が並んだ、座り心地のいいコクピット』……語り手:『若造』
「痛てぇえええええーーーーーーーー!」
壮絶に痛い。
つうか、痛い。いや、もう痛い。
……痛すぎだろ!
そりゃ、思いっきり殴られたら痛いぜ。いきなり、ぶっ飛ばされたんだから、スゴい『衝撃』だぜ。
つうか、ツッコミどころが多すぎて、オレの『不思議回路』が追いつかん!
まず、『猫』多すぎ! ついでに、『ヒマ人』多すぎ!
『司会』どっかで見たことありすぎで、喋りまくりすぎ!
ついでに、紹介されたヤツらの『名前』がヒドすぎる!
誰だ、『名付けたヤツ』、表に出ろ! 『ネーミングセンス』がヤバすぎるだろ!
思わず、『感嘆符連打』で、オレの心境をアピールだぜ!
「うるさい、『若造』! どんな『名前』かなんて関係ない。『名前の意味』なんて後からついてくるものよ! 戦闘に集中しなさい! ごちゃごちゃ言ってると、死ぬわよ」
ツッコンでたら、激しくツッコまれた。
外の景色がよく見える『全視界型』の『操縦桿』。
『猫嬢』の声がすると、『コクピット』の一部に『四角いウインドウ』が現れる。
なんか無駄に『ハイテク』な『空間投影型モニター』ってやつ。
「そうです。『若造』さん。ぼさっとしてたら、マジに死にますよ?」
『メイド』が映っている『ウインドウ』が『ニョキ』と現れた。
ちょっと心配そう?
「……いや、『フツー』に死ぬって、いきなりこんなモンの『操作』なんて『わかるワケねぇ』だろ! もう『ツッコミ』が追いついてねぇ、『思考停止状態(現実逃避)』だっての!」
「ごちゃごちゃうるせぇ!」
衝撃が、また来た。
機体が揺れたと思ったら、視界も揺れる。
声の相手は『敵』か? 『モニター』に映らないのは仕様ってヤツか?
《回線の問題です。相手の声が聞こえるのは、『超心理戦』のためです》と『メイド』のレスがつく。
なんとかしないといけねぇってのに、『激しく戦闘中、ただし一方は初心者(新参)で袋叩き(サンドバック)みたいな!』とか言ってる場合じゃねぇ!
「……つうか、卑怯だろ。なんだよ、あの光線! カッコよく言えば、『レィザー』ってやつか? 『弾幕』ってレベルじゃねぇぞ!」
『ぴゅん』と光った瞬間には直撃。
『ピカッ』、『ドン』の振動。
『画像処理ソフト(After Efect)』使ったみたいな、『カラフル』な『レーザー』が振り注ぐ。
「どうした? 『技皇』の『名前』はその程度か?」
もう、《『技皇』って誰ですか?》ってツッコミたい。
だけど、そんなこと言ってる場合じゃない。そんなことしてたら、オレの『ライフが0に収束』してしまうっての!
「つうか、『猫嬢』! いや、『メイド』が詳しいのか。この際、どっちだっていい! 『操作の仕方』教えろ!」
……僕は困ってます。
だって、『座り心地が良いイス』があるだけで、『操作板』とか、『操縦桿』ないんだぜ?
「……『操作法』? そんなもの簡単です」
「お、おぅ。頼む、『猿にも分かる』レベルで、『今来た産業』で説明してくれ!」
被弾の振動を受けながらに、『メイド』が映る『ウインドウ』にがぶりよる。
「――『操作法』、それは、『勘』です!」
『真剣顔』があった。
マジ過ぎない。マジ過ぎるとき、マジ過ぎる、マジ過ぎれば、マジ過ぎろ!
「納得いかねぇーーーーー! オレは『フォース使い(ジェダイの騎士)』でもねぇし、『第六感』も持ってねぇ!」
『死亡フラグ』への『ピタゴラ・スイッチ(カウントダウン)』、入りまくりじゃねぇか!
「オラ、どうした! 『お前の力はこの程度』か。『技皇』の名前も大したことねぇな。もう、終わりにさせてもらうぜ!」
嗚呼、なんか『修正してやる』とか、『この、バカ野郎』ってカンジの『声質』で宣言された。
四方八方、『三次元(3D)』の『⊿攻撃』。
展開された『魔法陣(?)』からの光線全てが、オレの機体を『集中砲火』。
オレの機体の動きを『被弾』で止めながらに、黒い機体が突っ込んでくる。
『壊す』、『つき抜く』、『我が覇道を阻むものなし』、『この外道が死ね』って【自己主張】を撒き散らしながらに、『プラズマ(?)』で、『バチバチ』言ってる、『突き穿つ死翔の槍』っぽいモノで、突撃してくる。
「や、やべぇ! 死ぬ、マジに死ぬ! やべぇ、動け、動け! 動け、動け!」
【機体は、ぴくりとも動かなかった】。
キノセイか、開始した時から、全然、動いてねぇじゃねぇか!
「うおおぉぉぉぉぉぉ」
目の前に、『光刃』が肉薄。
この『軌道』は、『脱出装置あっても、コクピットごとアウト』って、直感。
「動け! 動け! 動け! 頼むから、動いてくれ!」
直撃。
撃滅。
ご臨終の、『さよなら(BAD END)』の『終わった(GAME OVER)』。
オレの人生が『走馬灯』でスクロール。
何で、オレって、こんな人生送ってたのかと、『過去の世界』に『トリップ&トリップ』。
【潜る】・【潜って】・【潜りきった】中で、声がした。
……そう。
それは、『幼馴染だったあのコ』の声で……。
「『噛ませ犬タイム』終了。これより『目標を駆逐する』」
――おい。
何か、この『機体喋った』ぞ!
「さぁ、逝きましょう。『若造』さん。【陣】の『充電完了』です」
「おっ、おう?」
機体かと思ったら、『メイド』だった。
『逝け』って、またヒドいことを言う。
「……アレ? オレ、まだ生きてるの?」
「当然です。その『騎体(機体)』を何だと思ってるんですか?」
「……な、なんだと!」
オレの代わりに相手が絶叫。
『すごく驚いてます、わかります』、オレも驚いてます。
だって、『オレの機体の腕』が、『敵の光刃』を、『がっちり』受け止め、なんだか、めっちゃ光ってる!
相手の光が『薄』まるのとは『逆』に、機体の腕の『輝き』が、どんどん『活性化』していくのは、キノセイかよ!
「『こいつ、動くぞ……』」
機体が勝手に動く。
まるで、オレの意志を汲み取っているかのような『模写』。
「――その機体の名は、『究極・夢騎体』」
『メイド』が嬉しそうに紡ぐ。
『誕生日』に『プレゼント』をもらったような嬉しそうな満面の笑みで淡々と話す。
機体が、『KY(空気を読み過ぎ)』で、『命を持った』ように、動く。
「――『強靱・無敵・最強・粉砕・玉砕・大喝采』がコンセプト」
機体が動く。
『しなびた大根』みたいになった光刃を弾き飛ばしながら、『オレの機体』が踏み込む。
敵の機体は、跳ね飛ばされた『光刃(日干し大根)』の『反動』で動けない
「誰が乗っても、『必ず勝つ』ための『驚異の質』!」
左の拳が、敵機体に『肝臓破壊』。
「――武器? 銃? 剣? 槍? 魔法? 『そんなものは飾りです。偉い人にはわからんのですよ』」
『杭を打ちつける(パイルバンカー)』のように衝撃で、その場に敵を『固定』。
「――武器なんて、弾薬尽きる長期戦では役立たない。――一瞬を分かつ短期戦でも、小回り利かずに役立たない。――最初から最後まで重要なのは、『基本スペック』ただ一点!」
続けざまに、足の関節を利用し、体重を乗せた同じ箇所を『狙い撃ち(ピンポイント)』の、『ボディ撃ち(ガゼル・パンチ)』。
「――『長距離』を、一瞬で『近接』へと持ち込む『瞬発力』と、捕らえた獲物を逃がさない『必殺』の『破壊力』」
オレの機体が、キメに入る。
勝利のパターンを演出するために動く。
しかし、敵の機体が、『やめろ、HANASE(離せ)!』とばかりに拳を突き出す。
だが、そこを『かいくぐって(ダッキング)』で潜り込む
「――『基本性能が高い』ということは、『運動性(限界反応)が高い』ということ」
カウンター気味の文字通りの『鉄拳』が、敵の顔へめり込む。
「――乗り手の『思い通りに動く』ということは、乗り手の『理想通りに動く』こと」
ぶっ飛ぶ相手。
しかし、オレの追撃は止まらない。
止められない。
――この機会を逃さない。
すぐさま、殴った反動をそのままに、『返す振り子』の動きで、『左フック(鉄拳)』。
「――つまり、それは。『乗り手の夢』の通りに動くということ!」
止まらない。
止まらない。
止まない。
――オレの拳が止まらない。
その動きはまるで、『∞(横八の字)』を意味する『必殺コンボ(デンプシー・ロール)』。
「これぞ、『敵の魔力を吸収』し、『己のエネルギーへと変える』『永久機関(夢機体)』!」
敵が崩れ落ちる。
へしゃげながらに、部品を飛び散らせながら、崩れ落ちていく。
「――『最高の機体』たる『裏づけ設定(理由)』です」
《『完璧だよ、職人』》と、感慨深げに、『メイド』が説明を終える。
ついでに、戦いも終わる。
気づけば、敵の機体が、『ぐちゃぐちゃ』の『フルボッコ』で『見せられないよ』状態。
それなのに、こっちの機体は、『エネルギーフルMAX』、『損傷皆無(攻撃なんてされましたっけ?)』と【自己主張】。
「……終わったのか?」
コクピットから見渡す場内が『シーン』と静まり返る。
反面、オレの『心臓』は、『どくどく』と高鳴る。
ようやく『地に足がついた』ような『現実』っぽい感覚が戻ってきた。
……『これって違反じゃね?』って、今更だけど、ツッコめるぐらいに、『フリスク食べた(ドーピング)』みたいに、『頭が明快』。
《終わった?》、《えっ、今ので終わり?》、《ウソだろ、圧倒的過ぎるだろ?》、《待ってる時間のほうが三倍長かったぜ?》、《金返せ!》って、場内(観客)も追いついてきた。
いや、間違いない。
オレは、断言するぜ。
――これは『禁止キャラ』って言われる『類の代物(反則)』だぜ……。
《研究(努力)と準備(実行)の勝利です》と、『メイド』が満面の笑顔で微笑んだ。
《勝てば、官軍よ》と、『猫嬢』が、自慢げに威張る。
《なんだかなぁ》と、オレは、ツッコミ切れずに、溜息を漏らす。
――まぁ、とりあえず、アレだ。
「『対戦者(哀れな噛ませ犬)よ』、『乙』」
『ロボット作品』の『第一話』ってさ、カワイソウなぐらいに、『けちょんけちょん』に、『主人公』の『強さをアピール』するために『フルボッコ』にするけど、ちょっとヒドくない?
……ヒドすぎる。
絶対生まれ変わっても、そんな『配役』にはつきたくない。
……同情するぜ。
『ところで、この話ってロボット物なの?』と、今更ながらに、自分に『ツッコミ』を入れてみた。
オレが巻き込まれてるこの『超展開(トンデモ騒ぎ)』は、なんて代物だ?




