会議
『今日アキナすごく楽しかったよ!』
アキナはいつもと変わらず楽しそうに話す。
この白い四角い部屋では姿も見ることができる。
アキナはミニスカの制服を着ている。髪の毛はまっ茶色のロングヘアー。顔はすごく派手。とにかく派手。
この見た目で極度の人見知り。
私たちにしか心を開いていない。
『はいはい。』
そう言ってメガネをあげる彼はシン。20歳。
さらさらの黒髪で銀縁メガネが似合うイケメンな感じ。少し冷たいがたまにとても優しい一面がある。
彼は気づいた時には心の中にいていつも私を助けてくれた。
とても賢くて私よりもいろんなことを知っている。私が解けない問題も解いたりと、頭脳明晰だ。
そして最後の一人。
終始無言なのはリョウジ。この中で1番年上で私が生まれた時から心の中にいた。いつも隅っこで座っている。正直、顔は二、三度しか見たことがない。いつも深くフードを被っているだめだ。
リョウジはただずっと"いる"だけだった。会話はろくにしない。
リョウジとは入れ替わったことは一度だけある。あの新山事件と呼ばれた時だけ。
私は強制的に入れ替わることができるが、私以外の人格は入れ替わることはできない。だけど、リョウジは違う。リョウジだけは強制的に入れ替わることができるんだとおもう。
毎日夜に開かれる脳内会議ではその日にあったことを担当者、つまりその日1日出ていた人格が簡潔に話し、少し無駄話して終わる。
必ず最後に、他に議題はないか?といつも進行役を務めるシンが問う。
私には言いたくても言えないことがあった。
この白い四角い部屋。彼ら3人の人格だけ
いつも足が鎖で繋がっているんだ。
私にだけ見える鎖で、、。