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布団ちゃんには絶対負けない  作者: 伊呂波 ましろ
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第八話 ほう。縞パンか……

「大丈夫ですか? ご主人」

顔面蒼白の俺を心配してくれた布団。


「ああ、まぁいろいろあってな……うぷっ」

吐き気に口元を手で押さえる。


「光太アルコール臭い」

鼻をつまみ、うげーとした表情をするひかり。


「ちっちがっ」

必死にごまかす。まぁ本当のことなんだけどねっ! とか口が裂けても言えない。 


「まぁ、飲んでないにしろ無理はしないでくださいね」

 それ、本当に理解してくれたのか?


 会話をしながら歩いているとふらっと足元がぐらつき視界が暗くなっていく。

 なんか最近これおおいな、俺。


 ドスンッ

 体に強い衝撃を感じ、意識が遠のく。




 目が覚めると白い天井が目に映り、保険室にいることを理解する。

とりあえず教室に戻ろう。まだ痛む頭を抑えながらベッドから起き上がる。


「まだ寝てなきゃダメじゃない!」

白衣を着た女性が走り寄ってきた。

腰まである紫色の髪。妖艶な微笑みをした……


「茜さん!?」

そこには白衣姿の茜さんが立っていた。


「言わなかったかしら? この学校の保険の先生になったのよ」

どうやってこの人たちはこの学校の生徒になったり、先生になったりできるんだよ。恐怖を感じるわっ!


「もう、二日酔いなんて……未成年はお酒飲んじゃいけないって知ってる?」


「んな理不尽なっ! 誰が飲ませたと、」

俺の言葉は途中で止まる。なぜかというと、茜さんが目をつぶり顔を近づけてきたのだ。


「ちょっ、何してるんですか!?」


「うるさい口は塞がないとねッ♪」


「塞ぐって。く、口で!?」


 俺の言葉を無視し、茜さんの顔はどんどんと近づいてゆく。

 現実から逃げるため強く目をつぶる。

すると、目の前で何かが吹っ飛ばされたような強風と「おふうっ」と茜さんの断末魔が聞こえた。


 ゆっくり目を開けるとそこには上半身が壁にめり込んだ茜さんと肩を上下に動かし、息を切らしたひかりがいた。


「何してんだお前っ!?」


「だいじょーぶ?」

俺の声に気づいたひかりが駆け寄ってきた。


「どちらかというと俺より茜さんに言うセリフだよね、それっ!?」


 そんな事を言っていると、壁から抜け出した茜さんがじりじりとひかりの背後に忍び寄る。

「久しぶりだなっ愛する妹!」

言いながら勢いよくひかりのスカートをめくる。


「ほう。縞パンか……」


「……なっ」

赤面したひかりは肘を茜さんの顔面にめり込めせた。

 いま、みしみしって音がしたっ! 少なくとも人体から発せられないような音がしたよ!?


「み、見た?」

責め立てるように見つめられる。


「見てない見てないっ」

必死にひかりを説得する。あんなの普通の人間が食らったら死んじゃうからな。


「そ、それよりっいま、茜さんが妹って言ってたが?」

ひかりがあまり信用してくれないので話題を変える作戦に出る。


「しっ、知らない! あんなへんた、」


「ひかりの嫁です!」

怪我をしたのか、ただ興奮しているのか顔を真っ赤にし、鼻血を垂らした茜さんが起き上がり、ひかりの言葉を遮る。


「なるほど。確かに血は繋がっているようだ」

ひかりの変態はこの人のせいかも知れない。


「光太までそんなことっ」

目をうるうるとさせたひかりが見つめてくる。そんな目で見られると、悪いことをした気分になる。


「だいたい何で茜と一緒にいる!」

ひかりは俺のことを指差して問うた。


「そうですよ! 何でまた増えてるんですかっ!」

布団が抗議してくる。

 てか、お前いたのかよ。


「それはな……」

これまであったことを事細かに説明する。


「そんなことなら私に言ってくれればよかったのに」


「どういうことだ?」


「いつでもご主人と一緒に寝ますのに!」


「いや、そこは夫婦である私だろう」

布団とひかりの二人が顔を近づけ睨み合う。気のせいか二人の視線の間に火花が見える。


「ならそこはあいだを取って私が!」

仕方ないですね全く、みたいな表情をしている。なんか腹立つな。


「「それはない!!!」」

二人が同時に否定する。本当は仲いいだろ、お前ら。


 それから休み時間が終わるギリギリまで布団とひかりと茜さんは言い合っていた。


「ずっと一緒にいた私に決まってるでしょっ」

自信満々に言う布団。


「時間より質だよなっ。光太」

俺に同意を求めるひかり。

 こいつら勝手に話進めてるけど俺の意思が入り込む余地はないの?


「こういうひかりちゃんもアリッ!」

もう帰れよ、ど変態。




 息を切らすひかりと布団。結果、

「「順番制でっ!!!」」

ということになった。


「んんっ! んんんっ!(こういうプレイもイケルッ!)」

茜さんはひかりによって両手両足、口をガムテープで封じられていた。


「よしっ、教室もどるか」


「ですね~」


「今日は私だぞっ光太」


「何言ってるんですかっ初日は私に決まってるでしょ!」


「……決まってるのか」

俺、布団、ひかりは茜さんをガン無視し、保健室を後にする。


「んんっ! んんんっ! (まって! これ外してって!)」


 ――その後の保健室での茜。


「んんっ! んん! (やばい! Mに目覚めそう!)」

すると閉められていた扉が開いた。


「んんんっ! んんんんん?(やっと戻ってきたのねっ! はやく外してくれる?)」

しかし、そこにいたには光太でも布団でもましてやひかりでもなく、土屋だった。

 茜さんを見た土屋の顔がみるみるうちに引きつっていく。


「あ、あの……なんかすいませんでしたっ!!!」

土屋は勢いよく扉を閉め廊下をかけていく。


「んんんっ! んんんん~~!!! (まって! 違うのぉ~~~!!!)」

無人の廊下に茜さんの叫び声だけが響いた。




 書いてる途中、保存データが吹っ飛んで死ぬかと思いましたw

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