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布団ちゃんには絶対負けない  作者: 伊呂波 ましろ
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第七話 俺、大ピンチ!!!

 夜月の光に照らされた六畳程度の一室に俺と〇〇さんの二人。

「おねぇさんとしたくない? もっと、い・い・こ・と」

〇〇さんは人差し指を唇に当てる。その仕草がまたなにかくるものがある。


「……ごくり」

部屋に張り詰める緊張感に耐え切れず汗が滴り落ちる。


 〇〇さんは唇に当てていた人差し指を俺の唇に当て、首をかしげこう呟いた。

「しよ?」


 俺、大ピンチ!!!


 ――なぜこうなったのか、それは昨日の夜まで遡る。


「へっくしょん!」

部屋の隅にしゃがみこみ縮まる。ここの寮はすきま風があり、冬はとても寒くなり布団は必須なのだが。

ひかりのこともあり、あれ以来店には行っていなかった。


「もう耐えられん。店がダメなら通販だ」

動きたくないという体の悲鳴を無視しパソコンの前まで移動する。


「……こ、これは!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【訳あり商品】



プレミアムゴールドラベル

 羽毛布団


¥4980(税抜き)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「嘘だろ!? プレミアムゴールドラベルがこの価格!?」

なんて破格だ、【訳あり】ってのがすごく気になるが……。

ひかりを購入してしまったせいで財布に余裕がないのでやむを得ない。

 俺は気づいた頃にはもう、購入ボタンを押していた。


 ――次の日。


「ありがとうございました~」

お金を受け取った、配送業者の男性は駆け足で車へと戻っていく。


「……本当に届いちまった」

部屋に戻りガムテープをはがしていく。とりあえず、擬人化しないかだけが心配である。


「大丈夫、か?」

ダンボールの中に綺麗に収納された布団は布団やひかりのように動き出すことはなかった。

ひと安心し、胸をなで下ろす。


 


 そこまでは大丈夫だった。のだが、夜。届いた布団で寝ていたところ、深夜に誰かに起こされ目を開けるとそこには茜と名乗る女性がいたのだ。


 ――そして今に至る。


 なんてことだ、とんだ訳ありだよ!!!


「あの……そういうのはもっとお互いをよく知り合ってからですね……」

必死に顔を逸らし、手で顔を隠す。

とりあえずこの状況をなんとかしないと色々な意味でやばい。


 茜さんの顔に影が差す。そのまま顔を近づけてくる。

逃げるように目を強くつむり下を向く。……すると。


「だっはっはっはっは!」

茜さんはお腹をかかえ、ばしばしと畳を叩き大笑いする。


「え?」

手を下ろしゆっくり目を開く。


「ごめんごめん、ちょっとからかったらそんなに赤くなって、面白かったからつい」

手のひらを合わせ謝るようなポーズを取る。


 俺。苦手だわ、この人。


「悪かったって、お詫びのしるしに。ほら!」

缶ビールの蓋を開け、飲み口を俺に向ける。


「俺、未成年ですから……んっ!?」

無理やり、口にビールを流し込まれる。炭酸のようにしゅわしゅわとし、苦くほのかに麦の香りのする液体が口の中を占領する。


「あのですね……ヒッ。だからぁ~ヒッ。僕は未成年なのれぇ~……ヒック」

あれ? 視界が遠のいて……。どすんっ。


「あらら、やりすぎちゃったかしら?」










 毎度、ありがとうございます! 未成年での飲酒は法律により禁止されています。

絶対飲むなよ! 絶対だぞ! 振りじゃないからな!

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