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布団ちゃんには絶対負けない  作者: 伊呂波 ましろ
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第五話 ……くっつきます

 第五話です! それではどうぞ

「ご主人~見てくださいこれ!」

布団の手には無機質なデザインの腕輪があった。


「だからなんで俺の部屋にいんだよ」


「いいじゃないですか~ご主人と私の中でしょ」


「別にそんな中になった覚えは……なんだこれ?」


「まぁまぁ、そんな怪しまず付けてみてくださいよ」


「いや、昨日の今日だぞ? 怪しみはするだろ……」

布団の手から腕輪をとり、右腕につける。横に目をやると、布団も同じように腕輪をつけていた。

すると、ガシャンという音とともに二人の腕輪は吸い寄せられるようにくっついた。


「な!? お前、今度はなにしたんだよ!」


「えへへ……」

布団は俺が話しかけても上の空だ。


「答えろ~!」

布団の肩を激しく揺さぶる。


「はっ……ええと、この腕輪ですね……くっつきます」


「んなもん見ればわかるよ! で、どうやったらとれんの? この腕輪」


「取れませんよ?」

何言ってるんですか? みたいな顔で見てくる。


「は?」


「この腕輪はですねぇ、少なくとも明日までは取れないです」


「なんてことしてくれたんだ!!! 風呂とかトイレとかどうすんだよ!」


「もうご主人のえっ・ち♡」

布団は空いてる片方の手を頬にあて、頬を赤らめる。


「あいたっ」

布団の頭にげんこつをひとつ落とす。


「なんてことするんですか~」

布団は潤んだ目で訴えてくる。


「こっちのセリフだ! これから学校なんだぞ?」


「はい! だから一緒に登校しましょう!」




 部屋に鍵をかけ、寮を後にする。

「くっつくな! 歩きにくい……」

布団は俺の片腕に絡んでくる。


「ふふふ~」

布団、上機嫌である。


 少し先にひかりの姿が見えた。するとこちらに気づいたのかひかりの方から話しかけてくる。

「光太、待っていた。今日はいつもより遅くないか? ……なっ、何をしている! 離れろ!」

布団と俺の間に手をいれ、離れさせようとする。


「悔しいですかぁ~? でも外れないんですよ、この腕輪」

布団はひかりを挑発するように喋る。


「そんな馬鹿な話があるわけ……」

ひかりが無理やり腕輪を離そうとする。


「痛い痛い! ひかり、痛いって!」

するとひかりは少し怒ったように、ほっぺをぷくーっと膨らませ、睨みつけてくる。


「……浮気者」

ひかりは拗ねたようにぷいっとそっぽを向く。


「俺だって被害者なんだよ! あと、付き合った覚えも結婚した覚えもないからな!」


 すると、ひかりも同じように布団とは反対側の腕に自分の腕を絡ませてくる。

「な!? あんたはくっつかなくてもいいでしょう!」

布団がひかりから俺を守るように俺の体を引き寄せる。


「夫婦として当たり前のことをしてるだけ……」

ムッとした表情で、ひかりも同じように俺の体を引き寄せる。


「ご主人があんたと結婚なんてするわけないでしょ!」


「悔しいの? ぷぷぷ」

ひかりは片手で口元を隠し馬鹿にするように笑う。


「べー」

ひかりのほうを向いて舌を出す。


「べー」

ひかりも同じように布団に向かって舌を出す。


「「ふんっ」」

二人はお互い少しにらみ合ったあと、反対側を向く。


「お前らなぁ……俺を挟んで喧嘩すんじゃねぇぇぇぇええぇえ!」






 いつも読んでいただいてありがとうございます! できれば今日中に6話投稿します!

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