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第十四話 俺は、お前のことが――
茜さんにお礼を言い、保健室を後にする。
俺は今一人のもとへと向かっていた。
彼女はいつも昼休みは屋上に居るのだ。
彼女は俺に気づき、振り向いて「どうしたの?」と訪ねてきた。俺は拳を握り、深呼吸をしてから言う。
「俺は、お前のことが――」
「好きみたいだ」
どれだけの時間が経っただろうか? それとも一瞬なのか? ともかく俺には一秒一秒がとても長く感じた。俺の鼓動が聞こえていないか心配になるくらいに。
彼女は俺の告白を聞き、涙を一筋流し、それを袖で拭ってからこう答えた。
「私もあなたのことが……」
「好きです」
彼女は、ぱぁっと花が咲いたかのように暖かく笑った。
この話で一応終わりという形を取らせていただきます。
十四話と短い話でしたが、ここまで読んでくださった読者様にはとても感謝しております。
今回は、相手が布団でもひかりでも合うように作りました。
今までありがとうございました。