春休み最終日
「では、改めて自己紹介しましょう」
唐突に唯が言う。
翔太、佐々木、唯の3人は守矢市という町の家にいた。この家は、理事長からの依頼をこなす為の拠点として理事長が用意してくれたものだ。
「今更だな」
佐々木が呟く。
「まぁまぁ、いいじゃないですか」
そして唯は笑顔で自分の紹介をする。
「私は、鈴木 唯です。気軽に唯と呼んで下さいね」
「それで、唯さんはどんな能力を持ってるんだ?」
「唯でいいですよ、翔太さん。それで私の能力でしたね」
すると佐々木が
「はい、鈴木さんはあの時僕の攻撃を余
裕で防ぎました。普通の人なら軽く吹き飛ばされるのに」
淡々と言う。
唯は少し考え
「私の能力は、内緒です」
と言った。
「はい、私の番は終了。次は翔太さんですね」
「俺?!」
少し驚くが、翔太は渋々自己紹介をする。
「俺は、黒崎 翔太。能力は知っての通り相手の能力を消す能力だ」
「はい、次は佐々木さん」
「僕の名前は佐々木です」
辺りが静まり返る。
「それだけか?佐々木」
「それだけです」
「なんか、白けたし俺はもう、寝る」
翔太は二階にある自分の部屋に歩いて行く。
「そういえば、佐々木さんは学校に通わないんですよね」
「はい、普通の高校の学習の範囲ならもう完璧ですから」
「それじゃあ、明日から私と翔太さんが学校に行っている間に調べて欲しい事があるんです」
「調べて欲しい事?」
「はい」
唯は頷き、たくさんの資料を佐々木に渡す。
「こ•••れは」
「では、お願いします」
そう言って唯は自分の部屋に戻って行った。