神人
「さっそくですがこれを見てください」
佐々木が大量の紙と1台のPCをテーブルに置く。
ちなみに翔太、佐々木、唯の3人はリビングにあるテーブルを囲んで座っていた。
「なんなんだこれは?」
翔太は紙を見ながら佐々木に尋ねる。
「これは『神人』、『神獣』、そして神人が引き起こす災害『神災』についての資料だ。まぁ今は必要なものではないから後で見ておけばいい。それよりも今はこっちだ」
佐々木はPCを立ち上げ、USBメモリをさす。
「そのUSBはどうしたんですか?」
「神獣と戦ったときにいろいろありまして」
「えっ、もう神獣と戦ったんですか」
「はい。まぁ唯さんのお願いがなくても自分で調査するつもりだったんですけどね」
ちなみにこのUSBが黒岩と戦っていたときにポケットに感じた違和感だ。
佐々木がPCを操作する。
USBに入っていたのは数本の動画だ。
1本目の動画は軍の人間が神獣と戦っている動画だった。
「これが神獣か」
翔太が呟く。
「黒崎、これからは1人で行動しない方がいい」
「なんでだ?」
「神獣は魔力で動いている訳ではない。つまり『魔滅死』が通用しないということだ」
翔太は真剣な顔でこくりと頷いた。
話している間に2本目の動画が流れ出す。
2本目の動画は神人が軍と戦っている動画だった。
神人は銀色の髪で、純白のドレスを着て、自分よりも大きな剣をもった少女だった。
「あの神人、なにかおかしくないですか?」
「どこがだ?」
「軍の人を殺さないように戦ってる感じが・・・・・・あっ!」
軍の1人が神人の背後から光剣で斬りかかる。絶対によけられないと3人は思った。
しかし、神人はありえないほどの速さで光剣をよけ、剣で相手を斬る。そして 斬られた人間は、傷口からじわじわと消滅していった。
「見えたか?」
翔太が呟く。
「いや、見えなかった」
佐々木が呟く。
「私も見えなかったです」
唯も呟く。
翔太は3人で帰ることはできないかもしれないなと思ったのだった