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シンクロ  作者: 沖 翔絃
1/1

Focus1

ブラックホールって、何でも吸い込むんだって。

その空間はすごい引力がはたらいていて、もう二度と出ることはできない。

先生に、出る方法はあるかって訊いたら、あるって言った。

ホワイトホールはブラックホールの出口だって。

僕は先生に「そんなことも知らないのか」ってバカにされた。

でも僕が考えるには、吸い込まれた時点でもう何もなくなっちゃうと思うんだ。


きっとそれは、僕の頭が固くて、そんなことばかり考えているから。

大体ブラックホールを出る方法なんて知ったところで意味ないし、

将来宇宙飛行士になるわけでもないから。

何の役にも立たない知識になるだけ。


なるだけ、なんだけど


僕にとってこの知識は、何よりも、何よりも大切な情報だった。


常陸 進(ひたち シン)高校1年生。写真部。

頭は、まぁ普通。背は、かなり低いと思う。

どちらかというとクラスでも目立たなくて、万年パシリ扱い。


パシリだけどイジメられてはいない。それは、この人のおかげ。


日郷 聖(ひむかい たから)高校2年生。生徒会長。

頭なんかズバ抜けて良いし、背も高く、女の子にすごく人気がある。

男子からも慕われていて、パシリの人はたくさんいるらしい。

先生方からも一目置かれている。

日郷(ひむかい)さん」ではなく、「(たから)」と呼ぶのは僕だけかもしれない。

実際、すごく怖い。ケンカは負けたことなんてない。


彼は僕の家のお隣さんだ。ずーっと幼いころからの大親友。

僕は小さいころからパシリ人生を送っていた。

そんなときはいつも(たから)が護ってくれたんだ。


誰よりもかっこよくて、優しい(たから)が僕は大好きだ。


それは今でも、誰かが僕をパシらせるだけで(たから)が出てくる。

なんだか自分が情けないから思い余ってケンカしたときだって、(たから)は来てくれた。


でも、何も怖いものナシだと思っていた(たから)にも苦手なものはあったんだ。

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