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風見鶏の店長さん。  作者: 武蔵(タケクラ)
店長さんと、城と勇者と軍人と?
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少女が語る、珍客と大人達。


引き続き、梓視点です。


「あはは!!楽しい人たちみたいだねー。僕はリチャード・ゼノ・フォニクス、そっちはユージェニー・ゼノ・イーリイだよ、よろしくねー」


ひらりと手を振って軽く名乗った純朴少年の並べた名前に翔太が自分の名前を口にする前に固まった。


そうだねー、固まるよねー、あたしもビックリしたわ。

見た目農村の少年の名前に国の名前入ってるんだもん。

って事は少年は皇子様で、幼女はお姫様だもんねぇ・・・

え?マジか!!


「あっははは!!固まってる固まってる!」

「まあ、固まるだろうな。オリバーに会った直後だしな」


どさりとリチャード・・・くん?様?の向いに腰を下ろしたコリーさんが座って失笑を漏らした。

そう!そうだよ!あの魔族の皇子!って感じのオリバー様に合った後だから余計にびびったわ!

え、だって・・・アレの弟と妹ぉおおお!?似てねぇえええええええ!!


「ああ、ナルに会ったの?じゃあ余計固まるよねー」

「うん、まあ確かにだけど良いんじゃないの?リチャードくんでおk?私はアズサ・イシカワ、好きに呼んでねーよろしくーったいなぁ!!」


背骨にグーパンとかおまっ!ふざけ!

振り返って「何すんの!」と怒鳴ると、翔太がまた一つあたしを叩いた。

ツッコミ過多!もうちょっとコイツどうにか成んないのかなぁもう!


「失礼しました、私は・・・」

「あ、そう言う堅苦しいの嫌いなんだ。アズサちゃんみたいな感じで良いよー」

「・・・了解、俺はショー・クウァッシュ・ラケル。よろしくリチャード」


妙にほのぼのしてる大人組み(二人ほど固まってるけど)を他所に、リチャードくんが「言い辛かったらリックでもディックでも良いよー」とケラケラ笑った。

めっちゃフランク!って言うか、何か軽いなぁこの皇子。


「ユーも!」

「ゆ、ユージェニー様ぁ!」


「のぞむちゃんあっちー!」とか、臨さんに抱っこを要求して通ったお姫様(って言うか姫ちゃん)がご満悦であたし達の方を指差す。

が、悲鳴染みた声で姫ちゃんを諌めるメイドさんはちょっとだけ青褪めて涙目だった。

目も髪も青系だからか、顔色がかなり悪く見える。


「フラン、大丈夫だ。ショーとアズサの身分は多分ノゾムと似たような感じになるだろうから」

「・・・そう、です?取り乱しまして失礼致しました」


気にするなとにまにま笑ったコリーさんの言葉に、メイドさんが頭を下げた。

のは良いとして!

ちょーっと待った!名前なんつった!?

フラン、だと!?


「ユーもなかよくしてね!」

「妹のユージェニー。皆はジェニーって呼んでるけど、本人はユーって言ってる。好きに呼んでやって」

「解った、よろしくなジェニー」

「よろしく!で、あそこのメイドさんはお名前なんてーの?」


ちょっとだけわくわくしながら、私はリチャード君に訊ねながらメイドさんを示した。

ブルーアッシュのボブカットでサファイアブルーの目を不安げに揺らしたメイドさんがびくりと一歩下がって壁で頭を打っていた。


ドジっ娘キター!


「そーだね、フラン。ついでだから名乗っちゃってー」

「えぇ!!え、あ、はい!」


リチャード君に促されてメイドさんの肩が跳ねた。


「う、え、ああの!ゼノ帝国第三皇子で居られる第一皇女ユージェニー・ゼノ・イーリイ様付きのメイド兼護衛をしております、フランシス・ノーレッジと申します!」

「大図書館ktkr!!妹様はおしぃってぇえええええ!!」

「訳解んない事言って困らせんな!」


訳わかんなくねーし!

東の方な紅○館の名前が此処まで揃ってきたらテンション上がらざるを得ないでしょーよ!!

後は誰だ!ちゅーごくか!?


「ってかさぁ、コリーさんが言ってた臨さんと似た様な立場に俺達がなるってどういう事?」


コリーさんに向けてか、リチャードくんに向けてかそれとも臨さんにか解らないけど。

翔太が首を傾げた言葉に臨さんがふかぁああい溜め息を吐いた。


臨さんの頭を撫でるジェニーちゃんは『マジ天使』以外の何者でもないけど、叫んだらまた鈍痛が増えそうだから黙っとく。

けど、確かに臨さんと同じ様な立場ってのはあたしも気になる。


「ゼノ帝国皇帝、アイザック・ゼノ・ドラグニル陛下。

並びに皇后であられるジャスミン・ゼノ・ドラグニル妃殿下。

ついでに宰相の地位に身を置く俺、コリー・フォーマスと」

「国立魔法研究所、所長で次期賢者の僕、ヴァン・カレット。後、クレアもだっけ?」

「はい、僭越ながら私も連盟させて頂きました。私は妃殿下の近衛騎士隊隊長の身分を頂いております、少将のクレア・パナシェと申します」


実戦用じゃなさそうな、細かい装飾が入った白銀の鎧を髪の色と同じ薄紅のドレスの上に着た女性騎士が燐とした雰囲気で名乗った。

って言うか、何でVIPの名前並べてるか解らんのだけど。

あれ?っとあたしも首を傾げると、コリーさんがニヤリと笑った。


「取り敢えず、コレだけのメンバーが連名でノゾムの保護者に付いてる訳だ。だから、事実だけ観ればノゾムは帝国の養女だよな」

「認めてない上に、立場権限諸々破棄してるから書類上だけだけどな」


サラッと臨さんが否定したけど・・・ちょ、は!?


「「養女ぉお?!」」

「書類上で“だけ”な。で、コリーどういう事だ」

「俺は勿論だけど、多分ヴァンもノゾムも保護者に成りたいかなーって思ったんだけど?」


ノゾムは同郷の後輩だと思ってるだろうし、

ヴァンはノゾムのとこ(世界)について掘り下げたいみたいだし、彼等の魔術レベル半端ないだろ?

そう言って悪どい笑みを浮かべたコリーさんがちらりと視線をリチャード君に向けた。


「殿下はどうします?」

「んー、一応名前出しとこうかな。面白そうだし、友人にもなりたいし」


のほほんと笑うリチャード君に、了解。とコリーさんが頷いた。

って、うぉおおおおおい!!今なんかすっげぇ軽い理由で保護者決まらなかったぁあ?!

それで良いのかリチャード君!


「おともだち!ユーも!」

「ユージェニーは後何年かしてからだな」

「って言うかもうお友達だからね!ユーちゃんは大丈夫って言うか、ね!」


これ以上VIPにの名前が連なる書類とか見たく無いって言うか、ユーちゃんは年齢的に無理だろうし。

前者の理由からしてちょっと力強くなっちゃったあたしの言葉に、あっちゃんお友達?なんて首を傾げたユー様マジ天使っ!鼻血噴きそうな可愛らしさで御座りまするぅうううう!!


「ま、そんな感じで後見人が付くけど。無駄な権力とか狸爺共の胡麻擂ごますりとか、後はあれだ、無用な騒動なんかが面倒だったら地位は破棄した方が良いな。リチャード達に会う理由は結構簡単に出来るし」

「まあねー、ノゾムを前例にしたら結構簡単かも。ノゾムは今月一でアイザックとジャスミンに会いに来てて、そこでチキューとかニホンとかの話してるしゼノとか東大陸の一般常識諸々もそこで勉強してるし。後はちょっと身体測定的なのを僕のところでして貰いたい位だし」

「あー、じゃあそんな感じで決まりで良いかな?未成年の皇位継承者が出てくるとノゾムの言う通り面倒な感じに成るだろうし」


はい決まりーって感じで手を叩いたコリーさんが机に向かって、何かを書く準備を始めた。


「って、そんな簡単に決めて良いんですか?」

「いーのいーの。ノゾムの時もこんな感じだったし」


ちょっと疑う様な顔で翔太がコリーさんとヴァンさんに視線を向けて、臨さんに訊ねるとヴァンさんがヒラヒラ手を振った。

しかしまぁ、何処まで軽いんだろうこの人たち。


何処か唖然とするあたしと翔太を放置して話を進める臨さん含め大人達と、リチャード君は代わる代わる書類にサインを書いていた。


それで、その少し後。

更にフランクな皇帝夫婦が執務室に乱入して、今まで静かだったおっさんの顔色が真っ白になったのは後の笑い話になるんだけど。

それはまだ先の話。




端書。

あれ、可笑しいな。翔太の聞き分けが良すぎる気がします。

もっとピリピリしてても良かったかもしれません。

梓がフランクな分、と思ったんですけど・・・あれ?



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