表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/50

第五十話〜珈琲〜

チュンチュン。小鳥の囀りが聞こえてくる。静かな朝の始まりを告げている。

「もう、朝か。さてと、今日は何するかな?」

重い体を起こしたアスカは、軽く伸びをした。ポキポキッ、ポキッ。背骨を鳴らしたアスカは、欠伸をしながら朝食を食べに1階の居間へと向かった。


朝食をとりおえたアスカが着替えをしていると母が呼ぶ声が聞こえた。

「アスカーーー!!お客さんよ!!」

「こんな時間に客人?誰だろう?ハロルドかな?」

すばやく着替えを済ませ、玄関へ向かった。

「どちらさま?」

そう言いながらアスカは目の前のドアを開いた。

「やぁ、アスカ君」

「なんだやっぱりハロルドか」

そこには、ハロルドがいた。

「どうした?なんか用か?」

「いや、なんか具合悪いみたいだから元気かな〜?って思ってさ」

どうやらアスカを心配していてくれたようだ。ハロルドは、意外と気が配られる出来る子だ。

アスカは、ハロルドを連れて町を歩いて周った。


一方で。

「ルークさん。アスカの事なんですけど・・・」

「なんですか?」

「この間の一件で彼の魔力の色も検査してみたんですが、それが・・・」

「?」

ルークは、コーヒーをすすりながら尋ねた。

「一体何が分かったんですか?」

恐る恐るクレアの父は、口を開いてこう言った。

「魔力の色が黒なんです。真っ黒になっていたんです。かつては暖かい紅色のきれいな色をしていたんですが・・・」

「!!」

さすがのルークも驚きを隠せない。これは異常なことだとルークも分かっているからだ。

元来、生まれ持った魔力の色が歳月を重ねるに連れて変色するなど有り得ないからだ。

「そんな事が起こるなんて有り得ない。いや、この時点で認めざるを得ないのですが」

「はい、しかもこの色は・・・」

追い討ちをかけるかのようにクレアの父は言った。

「アスカの(タイプ)は書物に記されていた魔王アシュドの(タイプ)と酷似しています」

「はぁ・・・。何がどうなればこんな事態が。頭が痛いです、さすがに」

「これから何が起こるかわかりません。大変申し訳ありませんがアスカからなるべく目を離さぬようにお願いしても・・・」

「はい、わかっています。それが最善の策でしょう」


・・・一体どうなっているんだ・・・


ルークは、そう思いながらコーヒーを飲みなおした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ