第四十九話〜不安〜
・・・さぁ、私を解放しろ・・・
「何言ってんだよ、お前は一体・・・?」
「うわぁっ!!!」
「きゃぁっ!!!」
横で寝ていたアスカが突然跳ね起きた為クレアは驚いて叫んでしまった。
「ここは、俺の部屋か・・・?」
「びっくりしたぁ〜。もうぉ、いきなり起きないでよ」
「俺は一体・・・?」
「頭痛い〜って言って倒れちゃったんだよ。でも、なんともないから大丈夫だって言ってた」
「そっか、俺倒れちゃったんだ。」
「うん、でも元気そうでよかったぁ〜。あのまま死んじゃったらどうしようかと思ったよ」
「こんなところで死んでたまるかよ。」
「ふふっ。そうだね」
「あっ、俺ちょっと出掛けてくるわ」
「えっ?もう夜だよ?」
「朝には帰るから〜〜〜」
そう言ってアスカはクレアを1人部屋に残して飛び出していった。
「あぁ〜、やっぱ夜は冷えるなぁ。あぁ、さみィ」
アスカは1人あのお気に入りの場所に来ていた。
さっきのあの夢はなんだったんだろう。解放しろっていったい。
それに・・・なにかとても禍々しいものを感じたな。
「やっぱりここにいたぁ〜」
振り向くとクレアが息を荒くして立っていた。
「なんだ、クレアか」
素っ気のない態度にクレアは、ムスッとした。
「せっかく迎えにきてあげたのにその態度は無いんじゃない?」
「迎えに来いと言った覚えはないけど〜」
アスカは嫌味ったらしく言った。
「じゃぁもう帰るよ!!」
クレアは、すっかりスネてしまったようだ。
「悪かった悪かった^^;」
慌ててアスカは、謝った。それから暫くクレアに叱られたが気の済んだクレアがアスカの手をとり家へと向かった。
「じゃぁ、おやすみ。アスカ」
「あぁ、おやすみ」
クレアと別れたアスカは、自分のベッドに入り先ほどの幻聴らしきものの言った言葉の意味を考えていた。が、しかしアスカはものの1分も経たぬ内に寝入ってしまった。