第四十七話〜異変〜
ジャリッジャリッ・・・ 砂を踏みしめる音と吹き付ける突風が行く手を阻むこのサンラドの地にアスカ達はいた。
「やっぱ、砂漠は大変だな。暑くて暑くて・・・」
「そうだね、いくら地元の人でも暑いものは暑いよね」
「もう暑いのヤダ〜!!暑いのうっざーい!!」
「まぁまぁ、そう言わずに。だいたい、あなたがついて行きたいと言ったのですよ。ハロルド」
「そうだけど・・・やっぱ、暑いのはイヤだ!!」
暫く歩き続けていると、町が見えてきた。
「おっと、どうやら着いたようですよ」
「ここに来るの、久しぶりだな」
町はもう、目と鼻の先だというのにアスカが突然立ち止まった。
「少し寄りたい所があるんだけど・・・」
「?」
「無理ならいいんだ。ちょっと寄りたかっただけで用は無いから・・・」
「・・・そうですか。では、病院へ行きましょう。まだ、ロベルトは入院しているはずです。おそらく、病院で解散という形になると思います」
一向が歩き出そうとした瞬間、アスカが頭痛を片手で抑え込むかのようにうずくまってしまった。
「ぅあぁ、あぁぁ!!い、いてぇっ・・・!!」
それは、尋常な痛みではなかった。アスカはそのまま意識を失った。
「・・・んっ、んん、こ、ここはどこだ・・・?」
あたりを見回せども真っ白な世界が続く。どこからか声が聞こえてくる。
・・・もう少しだ・・・やっと、外へ出れる・・・
「何の事だ?お前は誰だ?」
・・・もう、こんな所には居たくない・・・早く帰りたい・・・
「こっ、答えろ!!」
「・・・ねぇパパ、アスカ大丈夫かな?」
「あぁ、命に別状は無いようだ。心配ないよ、クレア」
アスカが倒れた後、ルークたちは病院へと急いでアスカを運んだようだ。この病院はクレアの父が経営していてロべルトもここに入院している。
「何か原因はわかりませんか?」
クレアの父は難しそうな顔で答えた。
「身体に異常は見当たらないんですよ。むしろ元気なくらいで。疲労が溜まっていたわけでもなさそうなんだが・・・」
「砂漠越えで太陽にやられたとか?」
「日射病などでもなさそうなんだよ。ただ・・・」
「ただ・・・?」
クレアの父は、言葉をくもらせた。
次話〜『型』〜