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第三十六話〜鉱山の町〜

それから二時間後、夕日も大分傾いてきたころに、四人は鉱山の町『アレクトリア』に到着した。

この町はアレクトリア鉱山地帯で武器や防具の加工などに使う鉱石の発掘等を行うもののために作られた、比較的新しい町である。

町ができる以前は、発掘者たちは就寝や食事も鉱山内で行っていた。ほぼ24時間、鉱山内にいたのである。そのため魔物に襲われる率が高くなり、アレクトリア鉱山で発掘をするものは次第に少なくなっていった。

しかしアレクトリア鉱山は数少ないマジックストーンが採取できる鉱山である。

何とかできないかと考えた末に、鉱山の近くに町ができたのだ。

そのおかげで発掘者たちは発掘作業中以外は町にとどまるようになり、魔物に襲われる率も減った。

もちろん魔物が鉱山内に多数存在しているのは確かなので、まったく襲われないというわけではない。むしろ弱い魔物ならばよく出てくる。

が、それらは油断さえしなければ一般人でも倒せる本当に弱い魔物なのだ。

今までは食事中、睡眠中を襲われ、弱い魔物相手でも命を落としてしまう発掘者が多数いたが、町ができた今は、それもかなり少なくなっている。

しかし鉱山内にはごく稀に強い魔力を持った魔物が現れることがある。めったに出てはこないのだが、運悪くそんな魔物に当たってしまったときは、あきらめるしかない。

もしくは、町で用心棒を雇うという手もある。腕は立つが仕事がないというものがこの世には結構いる。この町にはそんなものたちが集まってくる。なぜなら、この町でなら鉱山内でのボディーガードという、自分達の力が役に立つ仕事がもらえるからだ。この用心棒がいれば、もしも強い魔物に出会っても、逃げ切ることぐらいはできる。

この用心棒達のおかげで、鉱山内で魔物に殺されるものは、もうほとんどいない。

それはやはり、この町の功績によるものが大きいと言えるだろう。


「うわ〜っ。みんな泥だらけで、ご苦労様って感じだね」

「鉱山内は、汚れますからねぇ。これから私たちもあのようになりますから」

「作業用の服でも買っておいた方がいいんじゃないか?」

「賛成だね〜。俺も服汚れるのイヤだもん」

「私も同感です。まず、服を買いに行きましょう。」

「じゃぁ、あそこに見える洋服屋さんで、買い物しようよ」


それから1時間ほど経ち、それぞれが買ってきた服を着ていた。

「どう?このワイルドで丈夫そうな服はっ!!」

「おっいいですねぇ〜アスカは、服のセンスがいいんですね」

「そういうルークも似合ってるわよ〜。その作業用のつなぎ」

「クレアちゃんも可愛いよ〜、でも鉱山で働くにはちょっとねぇ・・・」

「えっそう?ばっちり働けそうなんだけどなぁ」

「どう考えてもそれは作業には不向きだろう」一同の心は一瞬一つになった。

「ハロルドは、アスカに似てますねぇ」

「あっこれね、アスカ君に一緒に選んでもらったんだぁ」

「どうだっ!!なかなか似合っているだろう?」

「すごい似合ってるよ!!アスカ〜なんで私の服も選んでくれなかったの?」

「えっあっいやその、ねぇ〜。女の子の服って選び難くて・・・」

「さっ宿へ向かいましょう。日がすっかり暮れてしまいましたし、なにより服選びに疲れてしまいました」

「そうだなっ、俺も疲れたよ。今日はもう休んで明日からしっかり働いて、さくっと任務終わらせちまおう」

一同は宿へ向かい、体を休めた。


次話〜『古びた坑道』〜

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