第三話〜蒼き瞳〜
こんにちは。沙凪です。ついに初小説が連載されました!!今とても楽しく小説を書いています。さて、前回の話ではアスカに秘められた力が目覚め始めました。しかし、力が暴走し、暴れだしたアスカ。それをクレアが止めようとし・・・この後は第三話で。ではどうぞ!!
「ゴメン・・・クレ・・・ア」アスカはそう言って倒れた。
「アスカっ!!しっかりしてっ!!ねぇアスカっ!!」突然アスカが倒れたのでクレアは少しパニックになっていた。
「大丈夫です。慣れない魔法を使った為に体力を普段より多く消費したんでしょう。暫くすれば目を覚ます筈です。それより今は、ここから脱出することだけを考えてください」槍を持った青年は冷静に言った。
「私がロベルトを、あなたは彼を。さぁ急ぎましょう!!」
「・・・・・・ここは・・・?」
「おや?目が覚めたみたいですね。・・・アスカさん。」そこにはロベルトと一緒にいた青年がコーヒーを飲みながら本を読んでいた。どうやら助かったようだ。クレアが、既に自己紹介やらお礼やらを済ましたらしくその青年はアスカの名前を知っていた。
「あんたは・・・魔物に襲われた時に助けてくれた・・・人・・・か?」アスカは覚えていた記憶を頼りに、様子を窺うように言った。
「はい。申し遅れました。私はホーリーナイツ第三戦闘部隊所属、地位は部隊隊長及び准将。ルーク・レオンハルトという者です。」ルークはかなり有名であった為、アスカでさえもその名に聞き覚えがあった。
「ルーク・・・てことはあんたが『蒼龍のルーク』か。蒼き瞳を持つ者の右腕に聖なる龍は宿る、か」アスカがつぶやく程度に言った。
この世界ではルークのように蒼い瞳と右腕に龍のようなアザを持つ人間は、歴史にその名を残していると言う事実があったのだった。そして現在ホーリーナイツをまとめている者、つまり現在ホーリーナイツで最も地位の高い『ダーヴァ総司令官』もルークと同様、蒼い瞳と右腕に龍のアザを持っている者一人だった。
「よくご存知ですね〜そのとおりですよ」ルークはにこっと笑いながら言った。それがとても嫌味な笑みに見えた為か、アスカは少しムカッとした。
「私たちは任務でこの地方にある封印の触媒の一つ『神槍パラノーム』を入手しに来ました。上層部から頂いた情報によれば、サンラド遺跡にあるようでしたのでそこへ向かったら偶然にもアスカさん達に会ったという訳です」ルークは相変わらず嫌味な笑みを浮かべながら喋る。
「それで目的の物は手に入ったのか?」ルークは軽く頷き、コーヒーを一口飲んだ。
「あっそうだ!!ロベルトはどうなったんだ?」アスカが尋ねると、ルークは嫌味な笑みではなく、仲間の無事を喜ぶ優しい笑顔で答えた。
「彼なら心配ありません。すっかり元気になってあなたよりも元気になってますよ。ただ・・・」
「ただ?」
「・・・彼の右腕はもう使い物にならないそうです残念ながら・・・」ルークは言った。
「俺のせいで・・・俺に・・・俺にできることはないのか?」
「ロベルトはあなたと話がしたいそうですよ。彼の部屋は、この部屋の隣の部屋です」
「わかった。ロベルトの所に行って来るよ。クレアが来たらロベルトの所へ行ったって伝えておいてくれ」アスカはルークが頷くのを確認し、部屋を出て行った。
そしてルークはまた本を読み始めるのだった。
読者の皆さん。第三話お楽しみいただけたでしょうか?さて、『ルークに話を聞き、ロベルトの部屋へ向かうアスカ。そこでアスカは人生を大きく左右する選択を迫られる。』次話「〜選択〜」お楽しみに。