第二十二話〜焼け跡〜
サロマの店を出ると大きな爆発音が。音のする方へアスカ達は、駆けて行く。
パン屋の前に到着した一同が見たその光景は悲惨なものだった。
「うわ〜真っ黒を極めちゃったね〜」
ハロルドが吐き捨てるように言った。
「この状況ではあの方は生きてはいないでしょう」
ルークの冷静な判断には、皆納得した。
「一体何故ここが爆発したんだ?」
「わからないなぁ。そう言えば、ここのお店の人何かに怯えてたって聞いたよね」
「じゃぁ、何かを知っちゃってってことかなぁ」
「おそらくですが、この店の店長は『白いコート』の組織となんらかの関係があり、何か重要な情報を耳にしてしまった。そして口止め、その関係を絶つ為に殺した。まとめると、まぁそんなところでしょう」
「ひどい。何も殺すことないのに・・・」
「いえ、ひどいとは限りません。組織の情報や秘密を守るのには、もっと効率のいいやり方です。殺すと言う事は、余程重大な何かが起ころうとしているか世間に知られれば計画が失敗に終わる等に違いありません」
「許せねぇ・・・」
「必ず正体を暴いてやるんだから!!」
「もちろんです」
「絶対に正体を暴こう」
アスカ達は声に出して誓った。
「ルーク准将!!ルーク准将〜!!伝令であります」
ホーリーナイツの隊員が駆けつけて来た。
「どうかしましたか?」
「ホーリーナイツ本部に直ちに帰還せよとのことです」
「!!」
一同はその言葉に驚いた
「なんでだよ!!まだ俺たち任務こなしてないんだぞ!!」
「しかし、伝令ですので私に言われても困ります」
「アスカ、一旦本部に戻りましょう。もしかしたら『白いコート』について何かわかったのかもしれません。それにあなたには、正式な入隊手続きをしてもらいます。いつまでも仮入隊ではいられませんから」
「ではルーク准将、僕はこれで失礼します」
「ご苦労様です」
ルークはにこっと笑い隊員に礼を言った。
「本部ってどこにあるんですかぁ?」
クレアが尋ねた。
「本部は、光の都市『サンライトタウン』にあり、ここから北東に進んだ所にあります。ですがここからはかなり距離があります。サンライトタウンまで、いくつか町や村がありますから、ゆっくり行きましょう」
ルークは急ぐ気はないらしい。伝令では、直ちにと言われたのだが。
「よっしゃぁサンライトタウンに出発だぁ!!!」
こうしてアスカ達はサンライトタウンに向かうのであった。
次話〜『料理の町』〜