第十五話〜展開〜
術者の正体は、目的の物『エンシェントアックス』だった。触媒入手の為の試練をなんとかクリアした一同は、その報告の為にエターナルへ。
「以上で報告は、終わりです」
「そうか〜ご苦労様♪」
「次はどこへ向かえばいいのですか?」
「え〜っとね〜そのことなんだけど・・・」
アスカたちは、報告の為にホーリーナイツ・エターナル支部通信室に来ていた。ルークはラムダに報告をしようとしたのだが、ラムダが不在の為、アキラ大将に急遽連絡したのであった。
ちなみにアキラは、情報部副総司令官であり、ルークより幼くして出世しているすごい人物なのだ。
「どうかしたんですか?」
「もう触媒集めは、しなくてよくなっちゃったんだよね〜」
「!!」
「実はね・・・先日他の者にも触媒を取りに行かせたんだけど、触媒が破壊されていたんだ」
「そっそれでは、魔物の封印も解放もできなくなるのでは?」
「そのとおり。触媒は六つで一つの効果を発揮する。つまり、一つでも欠けてしまえば、十年間程、その能力は失われる。十年経てば、壊れた触媒は復活して今までどおりの効果を発揮することができるんだよ」
「なぁ〜。触媒が破壊されてたのってイビルナイツの仕業なのか?」
難しい説明を理解しようとアスカは思った事を質問していく。
「いえ、それはおそらく違います。イビルナイツは、触媒から溢れ出す魔力を使って、封印の書に封印されている魔物を解放するんです。しかし、触媒は一つでも欠ければ、その力を失いますから、イビルナイツも魔物を解放できなくなるんです」
「ならホーリーナイツは、どうやって封印するんだ?」
「僕たちは、六つの触媒を全て集めたら上層部の人間がいろんな事をやって、この世にいる魔物を一気に封印の書に封印するんだよ」
「つまり、今まで俺達がやってきた事は無駄になるわけ?」
「まぁ集めていた物が、不必要になりましたから」
「おいおい、そりゃねぇよ〜」
アスカの顔が一気に暗くなった。
「まぁまぁ。でも、イビルナイツが魔物を解放できないって事は、これ以上魔物は増えないって事だよ」
「そのとおりだよ〜だから、ルーク君達には、この任務をやってもらうことにするよ」
そう言うと別のモニターに詳しい任務の内容が映し出された。
「じゃぁ僕は、この後会議があるからこの辺で失礼するよ〜」
「はい、わかりました」
「なるほどねぇ・・・」
「この任務の内容は、『すでに解放されてしまった魔物を倒し、殲滅すること』なんだね」
「はい、そのようです。しかも、魔物を倒しながら、触媒を破壊した犯人も探し出さなくてはなりません」
「手掛かりは、この『白いコート』を着た人ってことくらいか・・・これは情報が少なすぎないか?」
「それなら『ガルデニア』で情報を集めるのはどうかな?」
「・・・それが一番よさそうですね。では、明日の朝この町の入り口に集合して、それから出発しましょう」
「俺の役目はここまでだな」
ライザはそう言うと部屋のドアの方へ歩いて行く。
「ありがとうございました!」
アスカがお礼を言うと、ライザが口を開いた。
「アスカ、この町の中央にある『エターナル・ソード』を、一目見ておくといい」
「え?」
ライザはそう言い残すと、スタスタと歩いて何処かへ去って行ってしまった。
「行ってみようよアスカ〜」
「そうだな〜行ってみるか!!」
「・・・では、行きましょうか」
ルークが少し疲れた顔で言った。
ライザに言われ、『エターナル・ソード』を見に行くことに。そこで一同は『白いコート』を着た人物に遭遇する。次話〜『ハロルド』〜