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ひとりぐらし  作者: 雨宮 叶月
宮本叶恵の場合

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9/52

第9話 final

現在、夜中。



確実に12時は超えている。




ぐっすりと眠っていたはずが、お手洗いに行きたくなって目が覚めた。




(うぅ、あんなことがあったから夜に寝室から出たくないのに…!)




懐中電灯を持って、お手洗いに向かう。




そして、洗面台で手を洗う。




すぐ隣には、浴室。





(怖い怖い怖い、早く手を洗って戻ろう)














そのとき、私は間違いを犯してしまった。
















ただ、何も考えずに、戸締りをちゃんとしたか気になって振り返ってしまったのだ。











ふっと電気が消えた。






頭がぐわんぐわんとして、うっすらと視界のピントが合った時、部屋に何か異様な空気が流れていると肌が感じた。










そのときだった。








「ア………ア、…アァ…ア……アアアアアアアア!」





「…!」







玄関に向かっていた私は、浴室近くから、




………うめき声みたいなものを聞いた。





(どうしようどうしようどうしよう)




警察に連絡することは頭になかった。それにどうせ連絡しても無駄だと思った。


焦った私は、とりあえず玄関を出て、三澄さんに助けを求めようと、鍵を開けた。








……開けようとした。










「なんでっ、なんで鍵が開かないの?」






ガチャガチャとしても、びくとも動かない。





(死にたくない。まだ生きたい!)







寝室なら…


寝室なら!





私はもう1回振り向いて、寝室まで全速力で走った。







「ア」




浴室の扉が開く音がする。





私はギリギリ寝室に飛び込んだ。




「はぁっ、はぁっ、はぁっ」





心臓がバクバクと音を立てる。





『この部屋は、何かがおかしい』






なぜか、氷室くんの言った言葉を思い出した。





「アァ……ア……アァァ」








《《何か》》が、寝室に近づいてくる。








(やめて……夢なら覚めて!早く!)



私はぎゅっと目をつむった。





「ア…アァ………」










「……………」





声が止んだ。








(どっか行った……?)






恐る恐る目を開ける。


















寝室のガラスから、手をついていて、あの時見た、白い服で、長い黒髪で、








……大きい黒目の女の人が、こちらを見ていた。












……目が合った。













「はぁっ、はぁっ、きゃあああああああああああああああああああああああああ!」






()()は、私の悲鳴を聞くと、ニタリと笑った。




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