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第8話 訪問
「お邪魔します……」
2人が入ってくる。
「どうぞどうぞ!お水くらいしか出せないけど…」
ソファーに誘導し、水を出す。
「……」
「……」
「……」
なぜか2人とも黙っている。気まずい。
「……あのさ、俺が感じたこと言っていい?」
「うん」
「…………《《この部屋は、何かがおかしい》》」
「…え」
「宮本、お前なんかあっただろ?この部屋で」
「…うん」
「そっか。それは俺たちには言わない方がいい。入居条件に、似たようなことが書いてあるから」
「うん、ありがとう」
そこで、今まで黙っていた美月ちゃんが喋る。
「叶恵ちゃん、私たちにできることは少ない。だから、この入居条件は、絶対に守って。」
「俺もそう思う。」
「…分かった」
2人は帰っていった。
「この部屋は、何かがおかしい、か」
私は一人でつぶやいた。




