第7話 友達
大学に着いた時の私の顔は真っ青だった、と美月ちゃんが教えてくれた。
だからなのか私に、除霊の家系だという人を紹介してくれた。
「この人は氷室伊織さん。除霊の家系らしいよ。高校からの友達なんだ」
「どうも、氷室です。」
「あ、宮本です」
最初は気まずかったものの次第に打ち解けていき、3人で行動することが多かった。
「ねぇ君可愛いね!この後お茶でもどう?」
「……は?」
「ヒッごめんなさい!」
私たちがナンパされているときも、睨むだけで相手は逃げていった。
ものすごく頼もしい友達ができたね、と美月ちゃんと笑い合った。
□
ある日、氷室くんがマンション入居者の募集の紙を見せてほしいと言った。
「これは…。誰だってこれ見たら怪しいって思うだろ」
「ぐっ」
「そうだよね!?やっぱりおかしいよ、このマンション」
浴室のことは言っていない。考えるだけでおぞましいからだ。
「……なあ、俺たちこのマンションに行ってみてもいいか?」
「私たちも気になるし…!」
「まぁ良いけど…。2人とも大丈夫?」
「もちろん。大丈夫大丈夫!すぐ帰るから!」
2人を心配しながらも、私は1人ではないことに安心感を覚えた。
□
「外見は普通のマンションだね。」
「でしょ?」
エレベーターで4階までのぼる。
そこで私は思い出した。
「あっ、私、上の階の人に挨拶するの忘れてたから、先に入ってて!これ鍵!一番奥の部屋!」
「え?ちょっと、待っ」
無理やり鍵を押し付けて、5階のボタンを押す。
ゆっくりと上がるエレベーター。
5階に着くと、私は一番奥の部屋に向かって歩き出した。
エレベーターは1階に下がっていったようだ。
ピンポーン。
………
この反応、覚えている。空室のやつ。
どうしたら良いか分からなくて考え込んでいると、降りて行ったエレベーターが5階に着いたようだった。
「あれ?あなた、この階の人?」
出てきたのは、買い物袋を持っている中年のおばさんだった。
「あっ、いいえ。私、下の4階の者です。」
「あぁ、最近引っ越してきたって噂の404号室の方?」
「はい。」
噂とは何だろうと気になった。
「ちなみにそこの504号室、空室ですよ。」
「そうなんですか!実は隣の2部屋も空室みたいで…。空室多いですね。」
最近は空室という言葉をよく聞く。
「え?うーん、このマンションはほぼ空室ね。住人は片手の指の数いるかいないかくらいだし…」
「そんなに少ないんですか?」
「そうよ。でも、あなたも気を付けてね。404号室の住人、いつも急にきてすぐいなくなるんだから。」
「はあ。ありがとうございます。」
少し話して4階に戻る。すると、404号室の前に2人が立って待っているのが見えた。
ぱたぱたと駆け寄る。
「あれ?入ってていいのに」
「いや、、、この部屋、俺たちだけで入るとまずいことになりそうだと思って。」
氷室くんから言われた言葉に戸惑う。
「そっか、?まあ、鍵開けるね。」
鍵を回した。




