第46話 鍵
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思わず息を吐く。
その日記のようなものの内容は重かった。しかし、その少女の想いは痛いほどに伝わってきて、こういう現実もあるのだと思い知らされる。
(……特に何もすることはないからとりあえずコンビニに行くか)
そう思い、立ち上がった。
着替えて部屋を出ると、201号室の、……三澄さんだったか、と会った。
「あ、君まだ生きてたんだね。」
「はい…」
何とも不思議な挨拶だ。
「今どこまで進んでるの?」
「えっと、重要な手がかりを得たところです」
いい言い回しはないかと考えた結果がこれだった。
「…そっか。」
すると三澄さんは、何かを思い出したように言った。
「あっ、そうだ、君に《《あれ》》あげるよ。」
「あれ、って?」
「ちょっと待ってて」
三澄さんは部屋に入り、そしてすぐ出てきた。
「これは、本当に危ないときに音が鳴る。危険なほど音は大きくなるし、危険度が低いとき音は小さくなる。もし少しでも音が鳴ったら、……すぐその場から逃げて。たとえどんな状況でも、ね。」
そう言って俺の手に機械のようなものをのせた。
「ありがとうございます」
「いや、できることはほとんどないからね。じゃあ、頑張って。もし生き残れたら、飯でも食いに行こうぜ」
「はい。」
俺がポケットに機械を入れると同時に、三澄さんも部屋に戻った。




