第14話 見えてはいけないもの
「見えてはいけないもの」とは何だろうか。
私は調べることにした。
12時以降、目を閉じたまま起きてみる。
□
現在の時刻は11時55分。
(よし……)
目を閉じて待つ。
……
……少し時間が経っただろうか。
少しだけ目を開けて閉じてを繰り返す。
そのときだった。
「アァ……ア」
(………!)
少し遠くから声がした。
しかし、それは人間のものではない。
「ア…ア…ア…」
ドアを開けるような音がして、何かが近づいてくる。
(…大丈夫。私は大丈夫。寝室にいれば何とかなるはず)
「アァ…ア…アア」
「………………」
……音がしなくなった。
(戻った?いや、でも……音がしないということは、きっと寝室のドアの前にいる…!)
ぎゅっと目をつむったまま考える。
声しか聴いていないはずなのに、布団の中の手が震える。
……これが『恐怖』か。実際に体験してみると、思っていた以上に怖い。
(早く行って……早く行って!)
「……………ア…アァ…アア」
再び声がする。
恐らく窓に近づいて行った。
恐る恐る目を開ける。
進んでいく何かの後ろ姿は、…白い服で、長い黒髪だった。
(……っ!)
首がだるんとこちらを向く。
…変な動きをしたような。
素早く目を閉じた。寝たふりをする。
自分の息をする音がやけに大きく聞こえた。
「ア…アァ…」
ずるずると音がした。何の音なのだろうか。
……叶恵ちゃんは、これにやられた。
以前の住人達も……!
確認はもう済んだので、一刻も早く眠りにつこうと気持ちを落ち着かせる。
私はそこで意識を手放した。




