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覇道を征く  作者: 吉壱
5/6

5話

 僕は機国への帰還の最中、自身のステータスを確認していたらスキルが増えていた。


 スキル

 《業眼》 《業願不遜》 


 の2つが増えていた。業願不遜ってなんだ。傲岸不遜だろ。漢字間違えてんだけど。《業眼》は敵のアーツにスキル、スペシャルムーブの詳細を知ることのできるスキルだった。《業願不遜》は業を願い不遜な態度という事で、スペシャルムーブの威力がかなり上がりスペシャルムーブの精度がかなり下がるらしい。


 《業眼》は任意だが《業願不遜》は常に発動しているらしい。なんかこれはどんどん脳筋になっていないか。まぁ別にいいんだけど。技に負けた手前暴力は弱いのではないかと思ってしまう。


 いや。僕が暴力を信じなくてどうする。アマタツ殿に暴力で勝つと誓ったんだからそれを成さないと。


 やはり早急にレベルを上げてステータスを強くしないといけない。技なんか暴力で捻じ伏せられる様にならないと。


 それはそれとしてアマタツ殿は一回ぶん殴る。危うくアバターロストしかけたんだ。これくらいは許されるだろう。


 僕は機国に到着した。街を出たのが昼ぐらいで今は朝方だった。僕は早速ルシア殿の家に向かう。アマタツ殿が居ればいいがな。


 ルシア殿の家の前に立つ。ドアを蹴り破ろうかと思ったが、ルシア殿は関係ないから止めておいた。ドアを開けて中に入る。するとルシア殿が鏡の前で身支度をしている。僕に気付いて驚きの余り固まる。


 僕はルシア殿を放っておいてアマタツ殿を探し見つけた。酒瓶まみれのベッドで寝ていたから、僕は頭を掴み持ち上げ四肢を拘束した。


 そこでようやく目が覚めたアマタツ殿は僕を見て驚愕する。必死に拘束から逃れようとするが、完全に拘束されていて動けていない。


 「てめぇクソガキ!!。どうやって封印を解いた!!。」


 騒ぐので力を込めて握る。


 「ぐぉオア。て てめぇ離せ。」


 僕は残している腕を振りかざし胴体を殴りつけようとした瞬間、足に痛みが走り何かが折れた音がした。


 振り返り見てみるとルシア殿が包丁を手に持ち、僕を刺したようだが逆に折れたらしい。ルシア殿は震え息も荒い。僕はルシア殿に手を向けるとアマタツ殿が叫んだ。


 「クソガキがァァァ!!ルシアに手を出してみろ殺してやるからなぁ!!。」


 「別に出さんよ。我の目的はアマタツ殿であってルシア殿ではない。」


 僕はルシア殿を無視して再びアマタツ殿に手を出そうとしてルシア殿に止められる。


 「お お願いします。アマタツを離して下さい。私が何でもいたしますから。」


 そう言って泣きながら僕に抱き着く。僕はアマタツ殿を殴る気が失せて放り投げる。確かにこんな闇討ちなんかじゃなくて、正々堂々真正面から捻じ伏せねば意味がない。


 放り投げたアマタツ殿に抱き着くルシア殿。アマタツ殿はルシア殿を退ける事はせずに僕を睨みつける。


 なかなかカオスな事態になってしまった。アマタツ殿はルシア殿の事をなんだかんだ大切にしているし、ルシア殿はアマタツ殿の事が好きらしい。


 僕は完全なる悪役だった。どうしようかこの状況。まぁいいか。


 「ガキ。てめぇどうやって封印解いた。」


 「いや誰に解いてもらった?。」


 「自力で解いたよアマタツ殿。増やした腕は動いたのでな。」


 「っ! そういう事かよぉ。増えた腕は封印柱ねぇからよぉ。それでか。」


 「儂を殺しに来たのか。」


 「いや。一発ぶん殴る気でいたが萎えた。」


 そう言ってルシア殿を見る。それに納得したアマタツ殿は僕に話しかけて来る。


 「てめぇは暴力で支配したいんじゃねぇのかよ。ガキ。」


 「いかにも。だが非道を行いたい訳ではない。敵対者には容赦せぬが。」


 「暴力が強いと思っている。だからこそ技に負けた今、さらなる高みに至る為に試練の塔を攻略する。」


 「儂はレベルアップして強くなった奴等が嫌いよなぁ。だがてめぇはこの6年でかなり強くなった。力を求めるのは一緒でも兄弟子とは違うかもしれんなぁ。」


 「兄弟子がいたのかアマタツ殿。あってみたいがな。」


 「暗黒神の眷属になったから封印したよぉ。あの街になぁ。」


 「そうか。いずれ殺さねばならんな。」


 「てめぇら墜ち人の様に死んでも蘇るから封印したんだよぉ。」


 「まぁ安心しろよ。我は暗黒神の眷属にはならんからな。いずれ暗黒神も殺してみせる。」


 「あぁ。てめぇが兄弟子とは違う事はわかった。ルシアにも何もしなかったしなぁ。好き勝手にしなよぉ。」


 「あぁそうしよう。」


 「それにしてもアマタツ殿はルシア殿の事が大切なのだな。」


 「あぁ!! こんな女のことなんか大切じゃねぇからよぉ!!。」


 「素直じゃないな。アマタツ殿よ。」


 「なに笑ってやがる!!。ぶっ殺すぞクソガキがぁよぉ!!。」


 「まぁまた殺しに来い。さらばだ。師よ。」


 「っ!。 二度と来んなクソガキィ。」


 僕はルシア殿の家から出て資格者組合に行き、部屋を借りる事にする。


 資格者組合に着き相談所に向かう。そして部屋を借り受ける。100階の一室を借りそこに入る。僕は一通り用意してある部屋を見て回りベッドに寝転がり一旦ログアウトする。


 リアルに戻って来た僕は大学の課題をして飯を食べる。やっと僕はこのゲームをプレイできる。いやまぁ今までもプレイしていたけど毎日殺されていくだけだし。レベルも初日から上がってないし、プレイヤーと一緒に攻略できてないし。


 次のイベントがいつか調べる。1か月後に生産者向けのイベントがあるらしい。僕は生産者じゃないけど参加したい。今の装備品よりも良いものがあるかもしれない。


 それに生産者のプレイヤーと知り合いになっておきたい。その生産者に装備品を作って貰ったりしたい。


 僕は生産者プレイヤーにお近づきになるその為に、素材集めをがんばっていくことにしてもう一度ログインする。


 ログインしてすぐに試練の塔に向かう。その途中でかなり周りから見られたが無視しておく。おおかた腕が沢山あるから珍しいのだろう。


 ユニーク種族にユニークなアーツやスキルそしてスペシャルムーブ、ユニークシナリオなどかなり発見されていて僕はそれを眺めるだけだったが、今日から僕もなにかユニークを発見したい。


 試練の塔に入り僕は敵を探し回る。1階のアンドロイド達はもはや相手にすらならなかった。僕はどんどん塔を登って行き15階に到着する。


 15階は適正レベルも15だがここも相手にならなかった。装備品が強すぎるな。10個も装備して膂力は100を超えているからだいたい一撃だ。なんせ膂力はトッププレイヤークラスだからな。


 僕は敵を粉砕しながら堂々と歩く。20階に到着して僕はその階のアンドロイド達を全て殺し尽くした。


 試練の塔内で他のプレイヤーと会うことはない。パーティーを組んで入れば別だが、試練の塔という事もあり助けが来ない様になっている。


 だからPKやMPKなどは試練の塔内では起こらないし敵の取り合いもない。まぁパーティー内で揉めて戦闘になる事はあるけれども。


 僕は少し休憩する。この階は掃討してあるから安心して休める。ついでにレベルアップしたステータスも確認する。


 レベル 24

 体力 230 

 技力  12

 膂力  12(100)

 知力  12

 運力  12

 霊力  ーー

 聖力  ーー

 魔力  ーー

 式力  11(15)


 SP14


 これから僕はSPを振り分けてこうなった。


 レベル 24

 体力 230 

 技力  15

 膂力  15(100)

 知力  15

 運力  14

 霊力  ーー

 聖力  ーー

 魔力  ーー

 式力  14(15)


 これだけ倒してもまだレベル24だった。幾ら20階とはいえ100体以上倒しておいてこれだけとはかなり渋い。


 そんな事を思い21階に上がろうとすると嫌な感じがしたので周囲を見渡す。すると四脚のアンドロイドが此方にゆっくりと向かって来ていた。


 明らかに今までのアンドロイドと違うと思い《業眼》を発動させる。するとかなりの数のスキルとスペシャルムーブがあり僕はびっくりしてしまう。


 なんせ明らかにこの階に居ていい敵じゃないからだ。ワンダリングモンスターと呼ばれる特殊な敵で、めったに現れない筈の存在だと思う。なんか前の暴走アンドロイドとは雰囲気が違うが。


 明らかにレベルも高い。なんとレベルが78もあり、左手に機関銃そして右手に大剣を持っていた。


 僕はここで闘えるとは思わなかった強敵に心躍る。僕はまずは小手調べとして、《閻魔蹴り》を敵に叩き込んだ。余り効いていない。


 敵が機関銃を発射してくる。僕はそれを10本の腕で真正面から殴り弾丸を弾く。しかしかなりの弾丸が身体に当たる。機関銃の弾丸を弾くのはまだ無理だった。


 《頑強》などの耐久力を上げるスキルを幾つか持っていなかったら今ので死んでいた。体力もかなり減っている。


 僕は大剣を振り下ろしてくる敵に対して《業力脚》を合わせて当てる。凄まじい音が響きお互いに衝撃で後ろに下がる。


 膂力的には互角だろうから僕は《怪力無双》、を発動してたたみかける。するといきなり速度が上がった僕に対応できずに10本の腕からなる連撃をもろにくらう。


 身体のあちこちがへこみ始めて嫌な音が響きわたる。敵はなんとかしようとしているが、この連撃の前にはどうする事もできない様子。


 《流生落とし》という踵落としをお見舞いして体勢を崩した後、《破界拳》を叩き込んだ。《破界拳》はその名の通り破界をもたらす拳でくらえばひとたまりもない。実際にこの一撃でアンドロイドは消滅した。


 僕のレベル的には勝てない敵だったが、膂力の数値はレベル100プレイヤーにも劣らないから勝つことができた。


 僕はレベルアップもしたし、かなりいいドロップアイテムを手に入れてウキウキで試練の塔を後にした。


 試練の塔を出た後にまずはSPを割り振る。レベルが31となり二つ名が貰える50まであと少しとなっている。


 このゲームはレベル50までがチュートリアルとプレイヤー達の間で言われていて、レベル100になってからが本番となっている。今の最大レベルは150となっており、トッププレイヤーとはかなりの差がある。


 実際レベル50までは上がりやすいが、それ以降はかなり上がりづらい。まぁ僕にはまだ関係ないけど。


 割り振りが終わりステータスはこうなった。


 レベル 31

 体力 300 

 技力  16

 膂力  16(100)

 知力  16

 運力  16

 霊力  ーー

 聖力  ーー

 魔力  ーー

 式力  16(15)


 なんか膂力に特化したほうがいい気がしてきたが、まぁ他の力も必要だろうと思い割り振る。


 僕は資格者組合でドロップアイテムを買い取ってもらう為に歩いていたら声をかけられた。


 「ねぇそこのお兄さん。ちょっといいかい?。」


 僕は話しかけてきた人を見る。鼠人間のおそらくはプレイヤーだと思う女性がいた。僕は何用かと問いかける。


 「いやいや怪しい者じゃないよ。ここいらで余り見かけないプレイヤーだったから声かけたんだ。」


 「機国を拠点にしているプレイヤーなら僕の事を知っているからね。」


 「お兄さんの反応から僕の事は知らないようだし、他国から来たのかい?。」


 「まぁそのようなものだ。」


 「へぇ機国は良い所だよ。ねえねえ暇なら少しお話ししないかい?。」


 「かまわんぞ。」


 「ぷっ ごめんごめん。せっかく強者ロールしているのに笑ってしまって。」


 「まぁよい。」


 「それで話しとはなんだ。」


 「あぁそうだね。まずは自己紹介から。僕はアゼスチャン。機国を中心に素材の売買や情報の売買をしている者だよ。」


 「我はケショウなり。」


 「うん。よろしく。まぁ話しかけた理由だけど他国から来たお兄さんの持っている情報や素材を買い取れないかなと思ってね。」


 「どうかなお兄さん。何か売ってくれないかい。」


 僕はどうしようか迷う。先程手に入れた素材は次に開催されるイベント用にとっておきたい。そこで僕は生産者プレイヤーとフレンドなんかになりたいと思っている。


 でもここで機国にいる腕の良い生産者を紹介してもらうのも良い選択だと思う。僕は結局素材を売り情報を買う事にした。


 「先程手に入れた上級の素材だ。これを売ろう。」


 そう言って僕は、


 階層主アンドロイドの装甲✕6 上級

 階層主アンドロイドの機関銃 上級

 階層主アンドロイドの脚部 上級


 を渡した。


 「おや?これは機国で手に入れた物だね。しかも階層主とは。階層主はその階層の敵を全て殺し尽くした後に出て来る敵で、どの階層の主が出て来るかはランダムだよ。図々しいと思うけど他国で手に入れた素材を売ってはくれないかい?。」


 なんとワンダリングモンスターではなく、条件をクリアすれば会える敵とは。


 「悪いが我は機国以外行った事がない。」


 「えぇそうなの。ちょっとびっくり。お兄さん機国が拠点なの。僕はお兄さん始めて見たけどなぁ。」


 「理由があり機国の外の街で6年過ごしていたから我とはあっていないのだろう。」


 「えぇそれこそびっくり。そんな事ある。もしかしてユニークシナリオじゃないよね!!。」


 「ユニークシナリオかどうかはわからん。ただ罰ゲームみたいだった。」


 「お兄さんお兄さん。その話し聞かせてもらってもいい?。高く買い取るよ!!。」


 僕はまぁいいかと思い話してあげた。


 「お兄さんそれ絶対にユニークシナリオだよ。ユニークなアーツやスキル、スペシャルムーブを得られるやつ。」


 「話しを聞く限りお兄さん完全にそのユニークシナリオ無駄にしているよね。だってその《阿頼耶拳術》というアーツ覚えてないし、スキルやスペシャルムーブも覚えてない。」


 「僕始めて見たよ。ユニークシナリオやってて何も得られなかった人。」


 「ぐぉぉ。無駄ではない。我には必要なかったまで。プレイヤースキルは上がったのだ。」


 「それ負け惜しみだよお兄さん。このゲーム2年もやっていたら、プレイヤースキルもそりゃあ上がるよ。」


 「く、くそう。いやいや負け惜しみではない。本当に必要なかったのだよ。」


 「はいはい。そういう事にしておいてあげる。」


 「それでこれが素材とユニークシナリオの情報の代金だよ。」


 そう言ってお金を渡してくる。その額なんと1800万ゴールドだった。


 「貰い過ぎだよこれは。」


 「そんな事ないよ。ユニーク関係の情報は最低でも1000万ゴールドはするから。」


 「今回のユニークシナリオは他のプレイヤーが同じ様に師弟関係になるにはかなり大変だから値段が少し低いけど。」


 「再現性が高い情報だとかなりの値段だよ。」


 「そうかなら貰っておこう。」


 「そうだお兄さん。フレンド登録しないかい?。

お兄さんこれからもユニークの情報くれそうだし。」


 「良いぞ。」


 そう言って僕達はフレンドになった。


 

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