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覇道を征く  作者: 吉壱
3/6

3話

 無事、無事?に教えてくれる事になった。というか腕が上がらない。感覚もない。どうなってるんだ全く。アマタツ殿はその場から移動するようで僕も着いて行く。去り際に女性達を見たら何が何やらわからない様子だった。


 「おいガキ。てめぇは宿あるのか?。あるならそこに案内しろ。」


 「我は今日この世界に降り立ったばかりだ。宿などない。」


 「チッ。使えねえな。儂に教えを請うならそれなりのものを用意しとけよ。」


 「無理だな。第一教えを請えるとは思っていなかったからよ。」


 「はぁ。ならあの女の所に行くから着いて来んな。」


 「断る。我は金も無く宿もない。着いて行かせてもらうぞ。」


 「本当になんだてめぇ。まぁ好き勝手しやがれ。」


 「なんかあれば殺してやるからな。」


 「ふん。やってみろ。」


 僕はこのアバターに恥じないように精一杯強がる。道中に腕の感覚が戻って回復薬を注射しているが、アマタツ殿は殺そうと思えば何時でも殺しに来るだろうと思う。死にたくはないが。


 しばらく歩いて行くと一軒家に着いた。そこのドアをアマタツ殿が開ける。僕には小さいドアを屈んで家に入る。アマタツ殿はだいたい200cmくらいだった。


 すると中にはセクシーなランジェリーを着た妙齢の女性が居た。


 「あら。今の時間は娼婦と遊んでいるのにどうし」


 そこで僕に気付いて固まる女性。一瞬怯えたがすぐに収まりアマタツ殿を見る。


 「そちらの大きい人は誰かしら?。」


 「このガキは儂に教えを請うて来たんだよ。だから此処に居る。というかてめえ邪魔なんだよ。デカすぎてよぉ。」


 その言葉を聞いて女性は完全に固まる。そして恐る恐る聞き返す。


 「ごめんなさい。私の聞き間違いかしら?。貴方が人に教えるなんて。」


 「そう言ってんだろうが。殺すぞ。」


 「わ、わかったわ。それなら此処に住むのかしら。」


 「我も世話になるぞ。」


 「てめぇ本当に図々しいなおい。」


 「私の意見は無視かしら?。」


 「あぁ!! うんなもんあるわけねぇだろうがよ。」


 僕はそれを聞いて流石にどうかと思った。女性は悲しそうな目をしてそれから僕を見た。


 「私はルシア。貴方は?。」


 「我はケショウなり。」


 というか話し方が安定しないな僕は。まぁ威厳があればいいか。それからしばらくルシア殿と話し合い僕の寝床を用意してもらった。まぁ床に寝るしかないけど。


 「さっさと寝ろガキ!。」


 僕はアマタツ殿に蹴られた。凄い痛い。体力も減ったし。初期装備の回復薬は余り無いのに。僕はしばらく寝転がり今日の事を思い出していると、隣の部屋から夜の営みの声と音が聴こえて来た。僕はびっくりしてこれゲームだよなと思いながらログアウトした。


 リアルに帰り僕は昼ご飯を食べる。ゲームは加速していて、リアルとは時の流れが違う。僕は焼きそばを食べてゲームの情報を調べる。初日の昼という事もあり余り情報はなかったが、早速wikiを作成している人達がいた。ざっと観させてもらい僕は晩御飯の準備をして再びゲームにログインした。


 ログインしてみると昼になっていて僕はゆっくりと起き上がる。ルシア殿は居らずアマタツ殿が酒を飲んでいた。


 「起きたかガキ。酒買って来い。」


 「断る。」


 僕はきっぱりと断りアマタツ殿を殴りつける。昨日勝手に鑑定らしき事をされたからそのお返しだった。殴りつけた筈の僕は宙を舞っていて鼻から血が出ていた。


 「甘ぇよぉクソガキ。そんな事で儂に当てられるかよ。」


 「酒買って来い。それからだ。」


 僕は金がないから試練の塔で稼いで来ると言ってドアに向かって行った。その瞬間に僕の胸から手が生えてきて僕はあっさりと死んでしまった。


 僕は始めてリスポーンした。どうやらリスポーン場所はルシア殿の家らしい。すると怒り顔のアマタツ殿が、


 「試練の塔なんぞ行かせるものかよぉ。てめえみたいにレベル上げて強くなった気になっている奴が一番気に入らねぇ!!。」


 「強さは技だ。力じゃねぇだろうがよ。」


 「わかったか?。クソガキよぉ。」


 そう言って黙るアマタツ殿。いや僕は暴力で生きていきたいのだけど。なんか有用なアーツやスキル、そしてスペシャルムーブを教えてくれるだけでよかったのに。これは師匠選びを間違えてしまったか。


 「まぁどっちにしろ今日は試練の塔には入れねぇ。てめぇには技が必要だ。クソガキよぉ。今からそれをみっちり教えてやるよぉ。」


 「暴力で支配しようとは思えない様にしてやる。」


 「これから数年毎日殺して技を叩き込む。」


 「待て。それは困る。我はレベルアップせねばいかんし、なにより暗黒神が攻めて来たら対応せねばならん。その為にもレベル上げしとかねば。」


 「はぁ。何言ってんだてめぇよぉ。いくら墜ち人のてめぇでも今のままじゃあ役に立つ事はない。邪魔だ。てめぇは種族の関係上、物覚えが下手なんだからそんな事している暇はねぇ。」


 「考え方も矯正してやる。」


 「着いて来い。」


 完全に師匠選びを間違えてしまった。資料ではもっと暴力的に生きていると書いてあったし、力を振りかざして好き勝手していたらしいのに。何か僕がアマタツ殿の逆鱗に触れてしまったかもしれない。この様子だと逃げても探して殺しに来るだろう。諦めてしまうしかないか。


 これでゲーム内の数年は潰れた。他のプレイヤーから大分遅れるぞこれは。せっかくの初日プレイヤーなのに。


 そんな事を考えながら僕はアマタツ殿に着いて行く。どうやら機国から出るようだ。4つの国の外は暗黒神の領域だと思うが大丈夫なのだろうか。まぁ着いて行くしかない。


 ついに機国を出る。外はまさに地獄といった様相をしており、人が住める様には全然見えない。というか僕達は大丈夫か。いかにも環境汚染で人が死にそうな感じなのに。まぁ今の所は何もないからよしとしよう。


 アマタツ殿は何も喋らずにただ前を歩く。僕は着いて行く。かなり歩いた。もう機国の高層ビルさえも見えない。試練の塔は見えるけど。あれどれくらい高いのだろうか。


 昼にルシア殿の家を出てもう夜だ。まだ着かないらしい。リアルの時間はまだ大丈夫だからいいけどこのゲーム始めて歩いてばっかりだから飽きてきた。


 歩き続いていると前方に街が見えて来た。おかしくないか。ここは暗黒神の領域の筈なのに街があるとは。


 街に着く。すると街にいた人達が寄って来る。住民を見て納得する。人型ではあるがどうやら暗黒神の眷属らしい。でも敵意は感じない。


 「何故暗黒神の眷属の街に来たアマタツ殿よ。」


 「あぁ!! そんな事決まっているだろうがよぉ。ここなら暴れても問題ないからだ。」


 そう言われてしまった。僕は納得する事にした。どうやら今日はこのまま休むらしい。僕は住民の一人に案内してもらった。街をざっと見させて貰った感じ、機国と比べてかなり文明レベルが低い。でも住めない訳ではない。僕は僕専用の寝床に案内してもらいそこで横になりログアウトした。


 リアルに帰って僕は晩御飯を食べる。両親は帰って来ていた。父は風呂に母はテレビを観ていた。明日は学校なので僕は父の後に風呂に入りそして寝た。


 翌日学校から帰ってまたログインする。松光地権からケショウとなる。


 ログインして時間を確認するどうやら朝らしい。というか僕はゲーム内でまだ飯を食べてない。ログインして早々空腹で死んでしまった。その後飯を食べた。


 今日も試練の塔には入れない。まぁしばらく此処に住む事になるだろうからいいか。


 僕はアマタツ殿を探す。見つけた。何やら住民と話し合いをしていた。僕は近くに行く。するとアマタツ殿は気付いて僕を見て、


 「おいガキ。コイツが此処の長だ。挨拶しておけ。」


 そう言って住民を指さす。その住民を見る。まさにファンタジーの悪魔といった外見をしていた。僕は挨拶する。


 「我はケショウなり。」


 「僕はルールよろしく。」


 どうやらまだ幼い様子。昨日街を見て回りながら説明を受けたが、ここは暗黒神から解放されたい者達が集まってできた街らしい。暗黒神はそれをよく思っておらず、ちょくちょく眷属を差し向けて来るから代替わりが激しい。この長も最近なったらしい。


 僕は挨拶を済ませてアマタツ殿に着いて行く。そこは闘技場の様な場所でここで教えるらしい。アマタツ殿は、


 「いいかクソガキ。この世は技が全てだ。幾ら身体能力が高かろうと技を極めた奴には敵わない。だからてめぇは技を習得してもらう。闘い方もだ。」


 それを聞いて僕はいずれ暴力で勝つと誓った。


その日から技の習得が始まった。毎日殺されながら技を受け、僕もそれを使おうとする。なかなか習得できずに時間ばかり過ぎる。どうやらかなりこの種族は物覚えが悪いらしい。

 

 1か月経つと公式イベントの暗黒神襲来のレイドバトルが起こり、大いに盛り上がった。当然の様に僕は参加できなかった。凄い悔しい。それからもちょくちょく季節のイベントや大会などがあった。


 プレイヤーの中で誰が一番強いかなど議論されたり、NPCの人気投票があったりもした。当然参加できていない。誰が誰やらわからないから。


 ゲーム内で1年過ぎればプレイヤー人口も増える。wikiも充実してきて僕はそれを眺めるばかり。リアルでは最も売れたゲームとして話題になっている。学校ではこのゲームの話題で持ち切りだが、そこにも当然参加できない。


 イベントにも参加できないから景品も貰えない。強い装備品を身に付けて、着実に強くなる他のプレイヤー達が羨ましい。他のプレイヤーは二つ名を貰った人が増え、最大レベルも70までとなった。


 僕はユニークシナリオをしていると思い込まないとやっていけなかった。これは別にユニークシナリオじゃないと思いながらも。ただの罰ゲームか何かかと思ってしまう。


 ゲーム内で3年が過ぎればリアルでもサービス開始から1年経ち大規模なイベントが開催された。その時にレベル100が解放されている。

 

 それ以外にも自身の行動によって自分だけのオリジナルアーツやスキル、スペシャルムーブを習得できる様になった。


 僕はアマタツ殿にイベントに行きたいと直談判したが、殺されてしまった。結局その大規模イベントにも参加できなかったのでリアルで僕は泣き叫ぶ程だった。両親に怒られた。


 ゲーム内で6年経つ頃にはもう完全に諦めがついていた。僕はリアルでは大学生となっている。なんだか修行しにゲームに来ているようだった。他のプレイヤーと関わる事なく僕は日々を過ごしていた。何の為にゲームしているかわからない中で、毎日欠かさずログインしている。もはや意地だった。


 ステータス上はスキルとスペシャルムーブを幾つか覚えただけでレベルは上がっていなかった。覚えたアーツとスキルそしてスペシャルムーブは、


 アーツ

 《暴術》 《殺人術》 《防術》

 スキル

 《環境適応》 《多腕》 《超力》 《頑丈》 《屈強》  《強健》 《強靭》 《金剛不壊》 《対人殺法》 《暴力開眼》 

 スペシャルムーブ

 《破顔光線》 《光輝奔龍》 《光波動》 《破滅光拳》 《解脱拳》 《怪力無双》 《閻魔蹴り》 《破界撃》 《覇極》 《業力脚》 《流生落とし》 《暴道中》 《修羅界》 《現震》


 を覚えた。その内の暴術と対人殺法と暴力開眼、全てのスペシャルムーブが僕のオリジナルだった。それ以外は街で買ってインストールしたものだ。


 スペシャルムーブはかなり覚えたと思ったけど、アマタツ殿いわく普通の人間ならこの4倍は覚えたとの事。人造強化人間のデメリットは凄いなと思った。6年かけてこれだけはかなり厳しい。もう他のプレイヤーには勝てないかもしれない。


 それでも僕はゲームを続けていた。なんだかんだアマタツ殿や街の住民達との生活が楽しかったのだろう。


 続けていてよかった事といえば、プレイヤースキルがかなり上がった事しかない。アマタツ殿との闘いと何度か暗黒神の眷属が街に来てそれを殺していた事で、かなり上がったと自分で思っている。でも僕のレベルが上がってないからステータスは貧弱だが、暗黒神の眷属は勝てない敵ではなかった。


 なんかやたらと絡んで来る眷属がいたけれども、そいつには勝てていない。何度か顔を合わせているので顔馴染みと言ってもいいかもしれない。次は殺すと思いながらいつも逃がしている。


 アマタツ殿の動きをだいぶ覚えて勝てる様になって来た。でも結局アマタツ殿の技は覚えられなかった。覚えたスキルとスペシャルムーブはどれも暴力的で、街で買ってインストールしたものと自力で覚えたものだった。これにはアマタツ殿も悩んでいた。


 今日勝ったら機国に帰っていい事になっている。僕はあれだけ渇望していた機国への帰還も今となっては余り興味ない。でも僕は自分の暴力を信じて勝ちにいく。アマタツ殿は本気で来るだろう。今までとは比べてものにならない筈だ。いつかの誓いを果たす為にも負けられない。


 「来たかクソガキ。儂はてめぇの暴力性を変えられなかった。あれだけ技を叩き込んだのにてめぇは儂の技を覚えず暴の力に目覚めた。今日ここでてめぇを殺して封印する。」


 「我は我の道を征く。暴力の道をな。」


 「アマタツ殿と我は違う。技と暴力どちらが強いか決めようぞ。」


 互いに構える。アマタツ殿は今まで装備しなかった武器を装備している。札もいつもと違う。武器は籠手だった。少し腕の部分が膨らんでいる。何か仕掛けがあってもおかしくない。


 僕は多腕を習得した事により腕が6本になっている。6本の腕を操るのは大変だった。なんせ人間には腕が2本しかないから。武器も街の鍛冶師に暗黒神の眷属の素材で作って貰った。ちなみに新しい武器は、


 暴光のメリケンサック 最上級✕6

 威力 99

 物理属性威力上昇 20%

 光属性威力上昇  20%

 膂力 10


 暴光の光輪 最上級

 物理属性威力上昇 25%

 光属性威力上昇  25%

 式力 15

 

 レベル 10

 体力 190 

 技力  12

 膂力  12(60)

 知力  12

 運力  12

 霊力  ーー

 聖力  ーー

 魔力  ーー

 式力  11(15)

 

 装備品としてはかなりの物になっている。腕が6本ある事でそれぞれに武器を持てるから、物理属性上昇率と光属性威力上昇率、そして膂力が凄い事になっている。膂力はトッププレイヤーにも劣らないだろう。

 

 技と暴力のどちらが強いかの闘いが始まる。


 


 

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