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覇道を征く  作者: 吉壱
2/6

2話

1話を少し直しています。ですが見なくても大丈夫です。

 とぼとぼと街を歩きながらレベルアップした自身のステータスを確認する。


 プレイヤーネーム

《ケショウ》

 種族

《人造強化人間》

 アーツ

《拳術》 《体術》 《武術》 《式術》

 スキル

《物理属性》 《光属性》 《怪力》 《頑強》

 スペシャルムーブ

《剛拳》

 

 装備

  頭 なし

 胴体 布の服一式 最下級

 右腕 布の服一式 最下級

 左腕 布の服一式 最下級

  腰 なし

  足 布のズボン 最下級

  靴 皮靴    最下級

 メインウェポン 右手 なし            

         左手 メリケンサック 最下級  

 サブウェポン  正面 なし

         右横 なし

         左横 なし

         背中 光輪 最下級

 アクセサリー  墜ち人のお守り 最下級


 所持金     1万ゴールド


 レベル 10

 体力 190 

 技力  10

 膂力  10

 知力  10

 運力  10

 霊力  ーー

 聖力  ーー

 魔力  ーー

 式力  10


 SPポイント9


 これが今の僕のステータスだった。レベルが10になっている事から、あのアンドロイドはレベルが高かったのだろう。敵を1体倒しただけでレベルが9も上がる訳がない。本来ならエンカウントしなかった敵なのだろう。もしかしたらレア度の高い敵かもしれない。僕は今更ながら嬉しくなった。


 僕は道端の椅子に座りSPを割り振る。SPはレベルアップ時に1つしか貰えない。だから慎重に振り分けないといけない。僕はどれかを突出させるより満遍なく強くしたいので、取り敢えず上の技力から1つずつ振り分けていった。その後のステータスが、


 レベル 10

 体力 190 

 技力  12

 膂力  12

 知力  12

 運力  12

 霊力  ーー

 聖力  ーー

 魔力  ーー

 式力  11


 となっている。


 体力はレベルアップ事に10上がり、霊力、聖力、魔力は種族の関係上振り分ける事ができない。そもそもこの3つは全くない。このゲームはステータスが重要なのか、アーツやスキルなどが重要なのかまだわからない。でも僕はステータスの方を重要視している。暴力で解決したい僕にとっては力こそ全てだから。


 次にドロップアイテムを確認する。するとやはりレア度の高いアイテムを手に入れた。


 暴走アンドロイドの動力 中級

 暴走アンドロイドの装甲✕3 中級

 暴走アンドロイドの光線銃 中級

 暴走アンドロイドの関節✕3 中級


 以上がドロップアイテムだった。試練の塔の1階では中級のドロップアイテムなんかが、得られる可能性はかなり低いだろう。というか光線銃だったのか。撃たれていたら死んでいただろう。


 あいつはいわゆるワンダリングモンスターと呼ばれる存在かもしれない。いろんな所を徘徊して今回みたいに1階に居たのかもしれない。そう思っておこう。


 僕は再び歩き始めて資格者組合に向かう。式術が発動しなかった原因を調べたりドロップアイテムを買い取ってもらわないといけないしな。


 資格者組合に着いて早々2階に向かう。朝話した店員にドロップアイテムの買取りを頼む。


 「ドロップアイテムの買取りを頼む。」


 「おうあんたか。試練の塔で何か手に入れたか?。見せてみろ。だが期待するなよ。レベル1が手に入れるアイテムなんか、たかが知れているからな。」


 僕はテーブルに光線銃1個と装甲と関節それぞれ2個置く。それを見て店員が目の色を変える。


 「たまげたな。あんたレベル1だったろ。よくコイツを倒したな。普通は瞬殺される程にレベルが高いがコイツはその中でも、まぁレベルが低い方だから倒せたのか。」


 「それでもレベル1が倒せる敵じゃないが。あんたどうやって倒した?。いやいい。そうかあんた《怪力》と《頑強》持っているのか。それなら倒せる可能性はあるか。」


 「我のスキルが分かるのか店員よ。」


 「あぁ勝手に見て悪かった。俺達は大体《鑑定》のスキルを持っている。それはアイテム以外にも人のステータスも見れるんだ。それで見たんだ。」


 「本来は許可なしに見てしまうのはご法度なんだがな。好奇心に勝てなかったよ。すまねぇ。買取り額は高くしとくよ。」


 「あぁそれで構わん。謝罪を受け入れよう。それで幾らになる店員よ。」


 「これらの買取り額は50万ゴールドだがさっきの詫びに高くして100万ゴールドだな。」


 「倍にまでしていいのか店員よ。」


 「いいんだよ。本来なら殺し合いになってもおかしくない所を、あんたがそうしなかったからこれくらいはしないとな。」


 「そうかなら有難く頂こう。」


 「まいどあり!。」


 「ところで店員よ。先程の戦闘で式術が発動しなかったのだが原因が分かるかね。」


 「うんと、どういった状況だったんだ?。」


 僕はその時の事を話すと店員は笑い転げてしまった。


 「ギャハハハハ。あんたそりゃあ発動しないよ。」


 「む。どうしてだ店員よ。」


 「それはな、あんたが発動しようとした式術を覚えていないからだ。」


 「待て。我は式術をアーツとして持ち、スキルとして物理属性と光属性を持つ。」


 「いやそれはさっき見たからわかる。そうじゃなくて、スペシャルムーブの事だよ。全ての術はアーツに使いたい術をスキルに属性を、そしてスペシャルムーブに技を覚えて始めて発動するんだよ。」


 「だからあんたみたいに、アーツとスキルだけだと発動しないんだ。」


 「成る程。理解した。だったら術者は不人気なのかね?。」


 「いやそんな事はない。スペシャルムーブは店で買えるし、誰かに聞いて伝授してもらったりできる。だから不人気ではない。それにあんた《剛拳》は使えたろ?。それも立派な式術だ。」


 「でも戦力になるまでかなりかかるから、皆だいたい体術や剣術などを覚えている。」


 「式術などの術オンリーなのはなかなか見かけない。だいたいどれか1つに絞ってそれを極めるんだ。」


 「全ての術に手を出しても発動する為の力が違うのと、どの神から力を借り受けるかの違いだけで結果は同じだ。まぁ後は暗黒神の眷属なんかが特定の術しか通用しないとかあるけど、そういう場合はその術を使える奴に任せればいいしな。」


 「成る程。では式術のスペシャルムーブを購入したい。」


 「おうわかった。あんたは物理属性と光属性だったな。100万で買えるのはこの中から選んでくれ。」


 「ちなみに式術は物理属性が一番適正が高く威力も高い。霊術は陰陽属性、聖術は光属性、魔術は闇属性だ。」


 僕はそう言われてタブレットを操作する。


 《柔拳》 《殺傷拳》 《二度打ち》 《光線》 《光球》 《光剣》 《回復》…


 色々あり僕は自分では選べないと思い店員におすすめを聞いた。


 「店員よ。おすすめがあるか?。」


 「おうあるぜ。あんたの闘い方なら《殺傷拳》10万5千ゴールド、《二度打ち》10万ゴールド、《光拳》、5万ゴールド《空間跳躍》100万ゴールドなどかな。」


 「ふむ。優先順位は?。」


 「《光拳》、《殺傷拳》、《二度打ち》、《空間跳躍》の順だな。」


 「なら《光拳》と《殺傷拳》そして《二度打ち》をくれ。」


 「まいどあり!。おまけで《空間跳躍》を付けてやるよ。」


 「よいのか。店員よ。」


 「構わんよ。お詫びが50万じゃ足りないと思ってた所だったしな。」


 「なら貰っておこう。」


 「おう。そうしてくれ。そして許可なくステータス鑑定して来る奴には容赦するなよ。約束だぜ。」


 「わかった。容赦せんよ。」


 「それでいい。まぁ俺はしちゃったけどな。ガハハハハ。」


 僕は購入後にすぐにインストールした。機国ではインストール、他の国ではまた言い方が違うけどやる事は一緒だった。僕のステータスは、


 スペシャルムーブ

 《剛拳》 《光拳》 《殺傷拳》 《二度打ち》 《空間跳躍》


 となった。


 「インストールしたなら上の訓練所で試してきな。」


 「うむ。そうしよう。」


 「メリケンサックと光輪もおすすめがあるかね店員よ。」


 「残り65万だとこの辺りかな。」


 そう言った後店員は幾つか持って来た。


 「まずはメリケンサックだ。鉄のメリケンサック      中級、1つ30万。光の光輪 最下級、5万。これでいいだろう。」


 僕はそれらのステータスを確認する。


 鉄のメリケンサック 中級


 威力 25

 物理属性威力上昇 5%

 膂力  2

 

 光の光輪 最下級


 光属性威力微上昇 1%

 式術  1


 となっている。


 初期装備のメリケンサックが威力5な所からするとかなり上がっている。


 僕は迷わずそれらを購入して装備する。


 メインウェポン 右手 鉄のメリケンサック 

            中級           

         左手 鉄のメリケンサック

            中級

 サブウェポン  正面 なし

         右横 なし

         左横 なし

         背中 光の光輪 最下級

 アクセサリー  墜ち人のお守り


 レベル 10

 体力 190 

 技力  12

 膂力  12(2)

 知力  12

 運力  12

 霊力  ーー

 聖力  ーー

 魔力  ーー

 式力  11(1)


 「あんた疑う事を知らないのかね?。」


 「今疑ってもしょうがない。別に不良品を渡された訳でもない。」


 「そうかい。それならいいや。」


 「ではさらばだ店員よ。」


 「おう。また来いよ。」


 そう言って僕はショップから立ち去った。


 そのまま僕は3階に上がり訓練所に入る。そこで新たに得たスペシャルムーブを試す。まずは光拳からだ。


 光拳を発動すると拳が光輝き光属性を帯びる。拳という物理属性から光属性へと変わった。これで物理が通りにくい敵に対しても闘える。


 次に殺傷拳を発動する。これは一定の確率で敵に致命傷を与える技だ。敵がいないのでわからないが、確率は余り高くないだろう。これは物理属性だ。


 そして二度打ちを発動させる。二度打ちは発動するとその後に発動したスペシャルムーブを繰り返し発動できるようになる技だ。通常は一度発動するとリキャストタイムがあるスペシャルムーブだが、この二度打ちの後に発動するとリキャストタイムを無くしてすぐに発動可能になるのだ。


 最後に一番高い空間跳躍を発動する。これはごく僅かな時間この空間から跳躍して攻撃を避ける技だ。跳躍時間はかなり短くなかなかシビアだった。でも使いこなせば強いだろう。


 なかなか強いスペシャルムーブを手に入れたと思うな。その後訓練所を出て上のスタッフルームと相談所に向かう。


 僕は4階に着き相談受付けに向かう。そこの受付け嬢に話しかける。


 「誰かアーツやスキルそしてスペシャルムーブを伝授してくれる人がいれば教えてくれよ。」


 「はぁ。師匠をお探しという事ですか?。どの様なものを習得したいのですか?。」


 「拳の技だ。」


 「それだけですか?。」


 「あぁそうだ。」


 「少々お待ちください。」


 そう言って受付け嬢は何やら他のスタッフに話しかけながら僕の方をチラチラ見ていた。


 かなり時間がかかりようやく受付け嬢が戻って来た。


 「大変お待たせ致しました。此方の方などはどうでしょうか?。」


 「霊国出身でかなりの腕前ですが、なかなか気難しい方になります。」


 そう言って資料を見せてくれる。成る程確かに厄介なお方だ。これは師事してくれるかわからないが行ってみよう。


 「わかった。この方でよい。行って来る。」


 「い、良いんですか?。」


 「構わん。ではな。」


 僕は受付けを後にした。

 

 僕はその方が居る所まで歩いて行く。周りの景色を見ながらゆっくりと向かう。もう完全に夜になっていて、街は煌めき眩しかった。


 中心部からかなり外れた所にその方は居た。酒に酔っ払い夜の店の女性に絡んでいた。周りには屈強な漢達が居るが誰も止めに入らない。やはり情報通りかなりの達人らしく止められないらしい。


 僕は迷わず酔っ払いに話しかける。すると皆がびっくりして僕を見てきた。


 「我はケショウ。アマタツ殿。我に闘い方を教えてくれ。」


 そう言って頭を下げる。その言葉を聞いて周りの人達は迷わず僕を止めにかかる。


 「おいあんた正気か!。止めておけよ。」


 「そうだ。こんな力を振りかざして好き勝手している奴なんかに教わるべきじゃない。」


 そう言っていた漢達はアマタツ殿に殴り飛ばされ血を流して倒れる。それを見ていた女性達は震えていた。


 「なんだいオメェ。儂の技術を盗もうってか?。ガキが舐めてんじゃねえぞ。」


 その言葉を聞いて危機を感じ咄嗟に防御する。だがその上から凄まじい衝撃が襲い、僕はかなり吹き飛ばされた。一瞬意識が飛んで立ち上がれない。足は子鹿の様に震え、支えなしではとてもじゃないが立てない。


 体力も残り1となっていて死なない様に加減してもらったのがわかる。成る程確かに僕よりも遥か高みに居るな。だからこそ教わりたい。暴力で全てを支配する為に。


 一方でアマタツはかなり驚いていた。殺す気で殴りつけたが生きていて、そして立ち上がってきたからだ。アマタツは真理眼でガキを視る。


 (コイツはかなりいいな。墜ち人だから殺しても蘇るからいいサンドバッグになる。人造強化人間故に物覚えは悪いが、かなり強くなるだろう。しかも暴力で全てを支配しようとしている。その為の儂か。)


 アマタツはいまだに戦意の衰えないガキを見て鍛えてやる事にする。暇だったしそこそこ見どころがある。儂の攻撃を防御できていたしな。まぁその上から殺しにかかったが。


 「おいクソガキ。殺してやるから着いて来な。」


 そう言ってみるとガキは嬉しそうにしてよろよろと儂に近づく。その姿がいつかの自分と重なった。


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