『あなたがいた、その記憶だけは』
80歳の弘子は認知症に気づかず、鏡に映る若い自分や冷蔵庫の同じおかずを不思議に思わない。昭和40年の切符を見つけ、50年前の恋人タカシとの約束を思い出す。娘の洋子に背中を押され、夜の街へ。商店街や桜並木を歩くうち、過去と現在の記憶が混ざり合う。時計台でタカシの幻と再会し、約束を果たした弘子は翌朝穏やかに永眠。洋子は母の日記で「あなたがいたから生まれ直せた」という言葉を見つけ、満開の桜の下で母との別れを誓う。記憶を失っても消えない愛を描く、時を超えた感動作。
第1章:朝、鏡を見て私は驚く
2025/04/30 11:40
(改)
第2章:手紙の発見
2025/05/03 15:53