6.冤罪の果て
「なんだとー!まず、ルカ嬢とルリ嬢をサーラ王国へ国外追放したんだな?」
「私の可愛いカホを虐めていたようですので、当然の報いです。カホは聖女ですよ?当たり前じゃないですか?」
「はぁ~、口止めされていたからなぁ。前提としてだなぁ。まず、ルカ嬢とルリ嬢はサーラ王国の第1・第2王女だ。二人は魔物討伐と王宮の書類仕事に尽力してくれていた。……それをお前は……」
「……知らなかったのです」
王子の顔色が青くなっていく。
「まず、最初に“聖女”という女だが、本当に聖女なのか?お前にくっ付いているだけで、聖なる力を発揮しようという気概を感じない。
次に、ルカ嬢とルリ嬢が虐めていたという話だが、お前はまに受けたのか?証拠を調べなかったのか?彼女の言葉を信じたのか?二人ともそれぞれの仕事をしていたからイジメる余裕なんかないだろう?……頭が痛い。
これからサーラ王国の国王に謝罪の手紙を書かねばな。
討伐部隊も書類仕事も二人が抜けるだけで機能しなくなるのか?それではいけないだろう?それぞれに訓練なりをするべきだ。国力の低下を招く。
書類仕事についてだがもしやお前がするべき仕事まで押し付けてはいないだろうな?次期国王たるもの書類仕事もこなすべき。
……とにかく!お前は謹慎だ!王太子は自分だけだと勘違いしてるんじゃないか?王位継承権者はまだまだいる。以上だ」
王子は国王の執務室から強制的に退去させられた。
「はぁ、「知らなかった」で罪状は軽くならない。私はこれからサーラ王国国王に謝罪の手紙を書かねば!本当に頭が痛い……。あいつは嫡男だが、生涯辺境の地に幽閉だな」




