5.疑念発生。
「うわっビックリしたぁ。ルカとルリ!いつの間に帰ってきたの?」
「「さっき!」」
「お父様に聞きました。妊娠していると」
「フフフ、想像妊娠だったらどうするのよって感じよね?」
「え?そんなレベル?」
「私がチェックしてみる!」
「ちゃんと妊娠しているわよ。」
ルカとルリは母親にも魔法の適正と魔力量を報告した。
「なるほどねぇ。それでルリがチェックできたんだ?」
「あ、お母様なら知ってるかな?“聖女”って何?」
「国によって違うのよ。この国だと、教会で祈り、治療を施しってなんか忙しいわねぇ」
「ルベラ王国の聖女は王太子の腕にしがみついて、私達に冤罪を吹っ掛けて…って人だった」
「本当に聖女なの?」
お母様も思ったらしい……。
「それは二人とも思ったよ。冤罪が雑だし。聖女を虐めたって私達はそんな暇なくルベラ王国では、ルカは魔物の討伐、ルリは書類仕事をしてたんだよ?」
「自分たちが学生なのも忘れてた……」
「それは…ちょっと…ルベラ王国に抗議の手紙送る案件ね」
「あ、そうだ!そんなんで、ルベラ王国は頭の中でお花が咲き乱れてる王太子によって潰れると思うんだー。その時、民が可哀そうだからなんとか救済してよ!」
「お父様に言っておくわ。ほら、その時ちょうどお産の最中かもしれないから(照)」
【今更照れるとかなくない?】
【…】
念話での会話にも慣れてきた。
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その頃のルベラ王国、
「うわー、魔物の討伐がすっごい困難になってる。魔物のレベルが上がってるのか?」
「それはほら、ルカ嬢が国外追放になってるからだよ……」
小声での会話となるが、事実だろう。今までほぼルカが魔物を討伐していたから騎士のレベルが下がっているのだろう。
「でも、冤罪って噂だよな。ルカ嬢に虐める暇ないし、っていうか俺らと魔物の討伐をずっとしてたよな?」
「「「はぁ~」」」
「うわー、書類仕事が終わらねー!俺らじゃ徹夜を何回すればいいんだよ?」
「ルリ嬢がいればなぁ……」
「おい、ここでそれはヤバいぞ」
「ああそうだな。でも事実だろ?」
「そうだけどなぁ。おそらく冤罪……」
「「「だよなぁ……」」」
「仕事仕事!!」
「マジ、終わらねー!!」
という事になっていた。




