3.魔力量も測ってみた。
帰りの馬車の中で二人は会話に花を咲かせた。(護衛は馬車の外にいます)
「全属性って具体的に?」
「全部なんでしょ?あと、無属性魔法使えるのかなぁ?」
「無属性魔法って?」
「空間に収納スペース作ってみたり、空間移動とか?」
「自分たちで魔法が作れたりするかもね」
「それだって魔力量多くないといけないから、帰ってからの魔力量測定が重要よ」
ルカは内心「勝手に魔物を討伐してくれる魔法とかいいなぁ」と思い、ルリは「書類仕事が自動でできるような魔法があるといいな」などと思っていた。
二人して、如何に楽に仕事をするかを考えていた。
「「ただいまー」」
二人の声はキレイにハモった。
「お父様、二人とも属性はなんと!…「全属性です」」
「ルリ~、せっかくお父様をビックリさせようとしたのに、そんなにアッサリ」
「どうせ知らせるのですから、子供じみたことはしないでサクッと知らせる方が効率がいいですわ」
「お前ら……十分驚いた。全属性なぁ。はぁ、俺は3属性だったかなぁ?亡きお前たちの母親が2属性だったかなぁ?」
「我が家は多属性なのですね!」
「あ…、まぁそういうことだ」
亡きお母様のことは非常に愛していたのだろう。東方の国のタタミ一枚分以上だろうか?特大お母様の肖像画を玄関に飾っている。崇拝しているんだろうか?
お父様は他にも至る所にお母様の肖像画を飾っている。
私達はもう慣れたけど、たまにお客様がうちにお泊りになると、“幽霊騒ぎ”が起こる。夜中に肖像画を見たお客様が誤解をしたのだろう。お父様が真相を知ったら、そのお客様はうちに‟出禁“になるだろう。真相は教えない。なので一部の人にはうちは‟恐怖の館”として認識されている。
「で、肝心な魔力量はどのくらいあるのか知りたいんだけど?というのを教会の帰りに二人で話してた。伯爵家なら計測器の一つや二つあるでしょう?」
「……一つあるよ…」
結果、魔力量については、ルカもルリも平均的魔術師×10くらいあった。
「これなら、絶対に魔力が枯渇することもないんじゃない?夢の収納魔法も使えるかなぁ?」
「ルカは夢を見過ぎ!油断大敵!まぁ、普通にしてれば枯渇はしないと思うけど」
伯爵が複雑だったのは言うまでもない。
「空間魔法についてはきちんと師匠について学ぶべきです!」
と、伯爵は言う。そのそばで……。
「ルリ~。見て見て~。これ、収納魔法じゃない?なんか出来たっぽい。試しになんか入れてみよう。うーんと使わなくなったノート!」
ルリは一度収納の出入り口(未定)にノートを入れて、出入り口(未定)を閉じた。
「ルカは何をワクワクしてるの?本当にポーカーフェイスが出来ないんですね」
ルカはもう一度収納の出入り口(未定)を開けた。早速手を突っ込んで、ノートを探した。
「うーん…収納魔法の中身を取り出すときってどうすればいいの?」
「念じればって聞いた事がありますよ?」
「ありがとう、ルリ~!あ、あった~!」
それは確かにルカが使わなくなったノートだった。
「やったー!収納魔法をマスター!!」
「私は空間移動がしたいなぁ。便利でしょう?自分が移動するもよし、移動させるもよし!」
などと多くの魔法のマスターを続けていた。