2.双子は魔力の属性を測ってみた。
翌日、ルカとルリは教会に行った。
「通常、魔法の属性というのは髪だったり瞳の色だったりに関わっているらしいですわよ」とルリ。
「とすると、黒髪で黒目の私達姉妹の属性は“闇”?」
「「うーん」」
「お久しぶりです。神父様。フォレスト家の長女のルカです」
「ルリです」
挨拶をした。うちは確か教会に結構寄付をしていると思った。
「本日お邪魔したのは、私達の魔法の属性を調べようと思いまして」
「ほら、知らずに使って実は火属性だった場合、邸の一部を燃やしてしまう可能性もなきにしもあらずで……」
神父様は「ははは……」と苦笑いしている。仕方ないよね?
「ではまず、ルカ様。この水晶に手をかざしてください。水晶、破壊しないでくださいよ!」
そのくらいは弁えてるのに…。ヒドイ…。
「こ…これは…ルカ様。全属性に適性があります!実に珍しい!!あぁ、学会発表論文でも書きたい!」
書いてくれ……。
「いつまで手をかざしてるの?」
姉さまってば、忘れてるの?悦に入ってるの?私の番なんだから!
「おお、これは失礼。もう手を離して大丈夫ですよ。次はルリ様も同様にどうぞ!」
ついに私の属性が明らかになる!これは結構、いやかなりドキドキですわね。
「こ、これは!!ルリ様もーーーー!!全属性適正があります!双子だからでしょうか?同じ属性ですね」
「私は水晶が黒くなったから、属性“闇”とかかと思ったー」
「それは違いますよー!いろんな色を混ぜれば黒になるでしょう?そんな現象です。もちろん“闇”属性も使えるでしょうけど!」
「魔力量とかってどうやってわかるの?」
「専門の機械が必要なのですが……。伯爵家なら所有しているのでは?」
「帰ったら測定してみるわ。ありがとう」
「ありがとう、神父!」
「私も死ぬ前に全属性という珍しい属性が見れて良かった。ありがとうございます!」
神父に拝まれてる。なんか変な感じ。
私は帰ったら、父に魔力量測定と属性報告しなきゃなぁ。とのん気に思っていた。