物語のヒロインに転生しましたが、前世では悪役令嬢推しだったので、彼女が幸せになるように応援したいと思います~おまけ~
読みに来て下さりありがとうございます。
先日書いた短編のおまけになります。
卒業パーティーのその後……。
「アレン様が卒業しちゃって家に戻っちゃったから、寂しくなったね~。」
アリサが呟いた。
アリサは2年生に進級し、のんびり学園生活を楽しんでいる。
オリヴィエは生徒会の役員に選ばれ、何かと忙しそうである。イレーネは第二皇子を鍛えるのに忙しいらしく、最近すれ違いだ。
「2年生て、そんなに忙しいのかな?」
隣で寝そべっているユエに尋ねる。ユエは春の日差しが気持ちいいのか、鼻をピスピス言わせながら微睡んでいる。その背中でウィルも気持ち良さげに居眠り中だ。
「ヒマなのはアリサだけだな。」
ユエは目を瞑ったまま答える。
「でも、平和だね〜。」
アリサは中庭の芝生に寝転んで大きく伸びをした。
入学してから1年、色々なことがあった。大好きな親友、オリヴィエの断罪イベント回避に走り回った日々を思い出す。結局オリヴィエは第二皇子と幸せになる事はできなかったが、今は皇太子と幸せらしい。卒業して城に戻り、王政の手伝いをして多忙な皇太子だが、オリヴィエとは手紙のやり取りを楽しんでいるようである。
「そー言えば、アレン様からは音沙汰無しだよね……。」
皇太子の補佐で忙しいのかしら?とアリサは首を傾げた。それにしては音信不通期間が長いような……?
「アレン様、どうしてるのかな〜〜?」
アリサは呟いた。
その時である。そばの植木がガサガサと言って、声が降ってきた。
「おやおや、……呼んだ?」
寝転んでいるアリサの顔を覗き込むようにしてアレンが現れた。
「!!!」
驚きのあまり声が出ないアリサ……。そんなアリサを見てアレンはニッコリ笑った。
「ビックリした?」
アリサは起き上がって目をパチパチしながらコクコクと頷いた。
「アリサ達が居ないとやっぱりつまらないからね……。」
アレンはニヤリと笑った。
「ラルフ先生が聖獣の研究をする助手を探していたから、手伝う事にしたんだ。」
そうしてアレンはアリサの頬に手を当てながら言った。
「また一緒に居られるね……。」
アリサの顔が真っ赤になる。恥ずかしくて目を逸らそうと、ユエ達を見ると、寝たフリを決め込んでるのか、目を閉じたままである。もう一度視線をアレンに戻すと、アレンの顔が段々近づいてきた。
うわぁーっとアリサは思わず目を瞑った。そうして暫くそのまま固まっていると……。
ゴツン
「ふえっ?」
アリサの額にアレンの額が当たった。そのままクスクスとアレンが嗤う。
「あ……アレン……さま?」
しどろもどろになりながらアリサが漸く呟く。真っ赤になった顔がとても可愛い。
「これからもよろしくね?」
アレンがイタズラっぽく言うと、アリサが目で頷いた。
「コチラコソヨロシクオネガイシマス……。」
アリサも答える。そのままアレンの唇がアリサのそれに触れて……。
ユエとウィルは寝たフリをしながら、その様子を微笑ましげに見守っていた。
最後まで御付き合い下さりありがとうございました。
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連載中の『転生おかん、美少女になる』も併せてよろしくお願いしま〜す。