11
シンディが呼び出したモノは、彼女の“四天使”ではなかった!
召還の声によって新しく地面が割れ、大音響と地揺れとともに、またしても、|なにかが太古の世界から蘇ってくる《・・・・・・・・・・・・・・・・》!
「なにを――???」
――
――
――それは、骨の、骨、骨、骨!
――頭蓋骨、肋骨、背骨、骨盤、大腿骨!
──
――人骨の!
──
――それも、一体だけではなくて
──
――次から次へと、地上に浮かび上がって来て!
──
――人骨の
──
──何百、何千という
──
――大軍団だった!!!
──
──
ああ──!
そのときチャコは聞いたのだ! その勇ましい軍団の、法螺貝の鳴り響く音と、雄叫び――鬨の声を!
「考えたな。そうか、ここは関ヶ原の地、かつて東西の命運をかけた一大戦場であった……。レディ、ちぃとは、見直してやるぞ……」
今は打って変わって、威厳に満ちた立ち姿で腕を組んでいる。どこからみても堂々たる老粋人であった。
「……が、はたして人間どもの細腕で、わがドラゴンをどうかできるかな?」
それが、合図だった。三人は飛び退いた。遠巻きの人々もさらに逃げまどう。もはやセキハラ宿は、広大なバトルフィールドと化している──!




