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死んだ幼馴染が異世界で魔王やってた  作者: ないんなんばー
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相応しいのは妾である

いつも深夜ですみません。

今回もよろしくお願いします。

玉座の間、なんて聞くととんでもなくデカイ扉なんかを想像していたのだが、生憎とこちらは裏口。

謁見用の表扉はかなり気合を入れて作っているらしいので、中に入った時の楽しみにさせて貰おう。


ドラグに降ろしてもらい、既に戦闘が行なわれていた時の為にデカイが軽い、魔法銀ミスリルの盾を持たされ、軽く呼吸を整えてから、扉を開ける。


「あ、皆来たんだ。どうだった?いいお城でしょ?」


「ああ、俺にとっちゃちょい豪華すぎな気もするけどな。」


仰々しい玉座に脚を組んで座り、バトルドレスとでも言おうか、赤いワンピースよりもかなり扇情的な鎧付きのドレスを纏い、ユーリカがこちらに声を掛ける。


まだ戦闘はしていなかったのか、とホッとして、あ、扉見なきゃ、と恐らく正面であろう方向に顔を向けた時、


「であるからして、真に赤と言う色が相応しいのは妾で在ることは明白。

そもそもサキュバスと言う種族は何なのじゃ、そんな格好で男を惑わし、その癖、魔法にも長けるときておる。

妾、アンデッドの地位向上には常々礼儀や作法、調和を愛する心が大事だと思うておる。それを根っから無視するような、色気やら手管やら、そんなもん妾も欲しい…じゃなくて、妾は認める訳にはゆかぬ。

然るに、妾は今回の侵攻戦を決意したのじゃ。大体ソナタは…」


変態がいた。

どう見てもロリ、いや少女、やっぱロリでいいや。多分小中学生くらいだし。


そこはいい、アレもどうせ魔族だろうし。


問題はその格好である。


白スク。企画物のアダルトビデオでしか見た事無いような白スクである。


更には両手に黒のガントレット、両足にも黒のグリーブ、黒髪の上には彼岸草の花冠が載せられ、背中には真っ赤なマント。


自分自身が隠れられる位の馬鹿デカイ盾に、見るからに魔剣魔剣している長剣。


総評、変態である。


「なんやあの変態…。」


思わず口から溢れるほどであった。


「変た…、あれでも四魔王のうちの一人、『咲き誇る朱』カミラなのですが…を」


「え、あれがカミラって奴なの?」


「そうだ、あの調子でユーリカ様を出せとグチグチ言われてみい、我が逃げ出したのも良くわかろう。」



「聴こえとるぞそこぉ!!」


なんかまだ長ったらしく喋っていた筈なのだが、聴こえてしまったらしく、長剣をこっちに突き出し突っ込んできた。思わず盾を構えるが、衝撃は無く、そろりと盾を外すと、腕を組みながら俺を睨みつける白スクロリ、もとい、魔王カミラ。


「あー、話の邪魔してスマン。」


「む、素直に謝れる輩に悪い者はおらぬ。許そう。

しかし、初めて見る顔じゃな、ならば自己紹介をするのが礼儀というものよ。

妾はカミラ、咲き誇る朱のカミラじゃ、此処より東の方で魔王をやっておる。」


「あ、ああ。丁寧にどうも。俺は」


「お主は人間じゃな?何故このような場所におるかは聞かぬが、ここは今から血で血を洗う戦場になるのじゃ、早急にこの場を離れよ。城の外に出れば妾の部下が人間界まで送る故な。」


そう言って、さっさと元いた場所に戻るカミラ。

自己紹介は礼儀じゃないのかよと、突っ込みたくなるも、ぶっちゃけあんまり関わり合いたく無いのでそこはスルー。


再びユーリカの正面に戻ると、盾を拾い上げ、正面に構えながら、カミラは不敵に笑った。


「さて、前置きはこの位でよかろう。随分と暇そうにしているが、ユーリカよ。我を無策だと思うてくれるなよ?」


その言葉と共に盾の真ん中に目玉のようなものが現れる。

俺はそれを見た瞬間、とてつもなく嫌な予感に襲われた。

そうか!鑑定スキル!


「マキナ!あれは!」


「はい、恐らくは何らかの呪いのかかった魔法盾だと思われます。

品物の質が良すぎるのか、わたくしでも把握しきれません…。」


もう一度見ようと視線を戻すも、そこには既にカミラは居らず、赤白黒の線が走っただけの様に見えた。


直後、


「カウンターリリィ!」


「カースインパクト!」


ガオォォン、とまるでトラック同士が衝突してんじゃないかって位の轟音と振動、更には空気をビリビリと揺らす衝撃が部屋中に走り、俺は思わず膝を付いて盾を取り落とす。


「おいおい、マジかよ…。」


それはまさに怪獣大決戦。

ユーリカの周りには場所を問わずに開いては閉じる百合の花に、うねってはカミラを打ち付けようとする茨の蔓。


対してカミラは、盾でうけ、剣で払う。スキを見ては、斬りかかるも、百合の花に防がれ、

自身の足元に広がる黒い靄の様なものから飛び出す骸骨の腕も蔓に絡みつかれ、砕かれる。


だが決して防戦一方では無く、あらゆる方向から闇の球、恐らくは魔法を放ち、僅かながらユーリカを後退させている。


「これは、どうなんだ、ユーリカが押されてるのか?」


思わず俺も僅かに声を震わせ、目を離さないままドラグに聞く。


「正直、五分であるな。ユーリカ様も二種の魔法しか使っておらんから、互いに本気ではなかろうし。」


「まずは小手調べ、と言った所ですね。わたくしとしてはあの盾を使っていない事に、些か不安を感じますが…」


ギィン、ギャリン、と剣戟の音は続く、が、俺は自分の手が震えているのを自覚していた。


怖い。怖いのだ。

自分の目の前で行われている命のやり取りが。

あの花が今なければ、あの盾を構えるのが少し遅れていたら。


目の前で命が失われる瞬間を思い出し、知らずのうちに俺は胸を抑えていた。


「ふむ、やはり安易に近接戦に持ち込めば勝てると言うわけでもないと言うわけじゃな。」


「あったり前だよ、それに今日はいいとこ見せたいしね!」


「実に重畳、妾とて腑抜けに勝ちたい訳では無いからのう。

故に、決めさせて貰う!

開け獄の門!汝流離うは、その腕の数の道なりや!

ヘカトンボーンケイル!」


カンッ!と高い音を出し、剣先を床に立てる。


カミラの背後に巨大な門が現れ、その中から何本もの、いや何十本もの黒い腕が湧き出し、その拳をユーリカに向ける。


「へえ、結構凄い魔法じゃない。でも、防ぐよ!咲け咲け咲け!美しきは罪、美しきは罰、だが何人も汝を穢すこと適わず!

センチュリオンガーデンブルーム!」


瞬間、世界は花になった。

いや、視界の全てが花畑になったんだ。


お互いに大きな魔法を使い、カミラが攻め、ユーリカは守る。


そしてついに、魔法同士がぶつかった!



人物などなど


○カミラ…東の魔王、『咲き誇る朱』。カミラの服をオリジンは白スクと言いましたが、そんな感じの形をした服です。のじゃロリ。大好きです。


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