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死んだ幼馴染が異世界で魔王やってた  作者: ないんなんばー
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向こうじゃ当たり前の話だし

文章の長さがマチマチなのは仕様です。

今回もよろしくお願いします。

オリジン計画。


魔界全土を巻き込む(予定の)魔族復興計画の一つ。


魔王ユーリカを始め、百花城幹部五人の永きに渡る擦り合わせの上、ユーリカ以外の魔王三名による承認を経て、ついに実行に移された本計画。


俺はその計画を知らされた時、あまりの内容に戦慄し、また、頭痛を覚えた。


「…以上が、オリジン計画の全貌になります。これで、わたくし達が如何に困窮し、また、貴方様に縋るしかないかを分かっていただけたかと存じます。」


「困窮してんのは頭良いやつの数じゃないかなぁ!」


ようは、生めよ増やせよ魔界ベイビーズ、と言う計画だった。

それって種馬と何が違うんですかねぇ!


「オリ君、怒るのも解るけど、これって日本の少子化よりももっと厳しい現実なんだよ?

魔族は強い、寿命も長い、てか無い種族も沢山いる。

でもね、同じ種族じゃないと基本的に子供は出来ないし、産める女性体にも限りがある。それに、産まれるのは母体と同じ種族。

だから私が百人子供産んだって、サキュバスが百人出来るだけ。

それを解消する為に、生殖可能な子供を増やす必要があるの。

それには沢山の因子を詰め込んだ種族が必要で、男性が好ましい。これはまあ、わかるよね。

…やっぱり嫌だった?ごめんね、こんな事しか考えられなくて…。」


ユーリカは少し落ち込みながら上目で俺を見つめる。

嫌と言うか何と言うか。

話が本当なら、俺は既にサキュバスの因子を取り込んでいて、今更返品も効かない。(らしいし)

更にこの後、ユーリカ主導の元、エレジィの因子も取り込むと、そういう事だ。


ユーリカの願いだ、勿論、何だってしてやる、けどさ、


「お前は、いいのかよ。」


そう、ユーリカ自身がそれで納得しているのか、だ。

前世の事とはいえ、俺はユーリカの恋人で、今も俺はそう思っている。


これが魔王の責任云々の話で、ユーリカが傷付く可能性があるのなら、正直、受けたくない気持ちもある。


「え、てゆーか向こうじゃ当たり前の話だし。ハーレムとか。」


「あっけらかんと答えるんじゃねえよ!

俺がシリアスに持っていきそうになるとこれだよ!」


なんだよもー、悩み損かよ!


そりゃ俺だって、かつては厨ニ真っ盛りで、異世界で俺つえーチートでハーレムバンザーイみたいな事を妄想していた事だってあるさ。


正直今だって、ユーリカやマキナレベルの美人に囲まれてチヤホヤされたら天にも登る気持ちだろうよ。


けどそれって、あくまでフィクション。妄想乙だからいいんであってさ、現実にアッチにフラフラコッチにフラフラなんて事、ユーリカ以外知らない俺に出来るかっての。


「まあぶっちゃけオリ君も無双ハーレムとかしたいでしょ?」


「超したいです!!」


はいこれが本音でーす。

さっきのは建前でーす。


「じゃあそうと決まった所で早速ご飯作ろうかな、その間にオリ君とマキナは済ませといてね?」


「いやまてまて、城が攻められてんだろ?だったらそっちを先にどうにかした方が良いんじゃないのか?」


そう、城だ。

マキナが来てから随分と時間が経っている。

具体的には正午を廻ったくらい。


俺の事情(下的な)ではなく、城が攻められるってのは国民的にも一大事だと思うんだがどうなんだ?


「だからこそ、だよ。

渡来の間に何かあれば、またこっちに来るのに何百年も掛けなきゃいけない。だからオリ君は連れて行く。

でもそうすると、オリ君の身に危険があるかもしれない。

説明した通り、オリ君の体は魔族の因子を取り込む度に魔族に近付いてく、だけど今は、サキュバスの因子をちょこっと持ってるだけのただの人間の体。

まあ軽く言うと、今回の敵がアンデッドなんだよね。

だから最悪、オリ君がアンデッドになっちゃうって事も考えられるの。

だからこそのマキナだよ。」


「はい、わたくしの因子を取り込めば、僅かながら身体に対する異常に耐性が出来ると思われます。

更に、物事を把握しやすくなる能力が芽生えるかと。」


「それって、因子によってはスキルみたいなもんが手に入るってことか?」


「大体そんな感じかな?人間界ではスキル調査って結構進んでて、疑似スキルなんて物もあるらしいし、それの応用、かな?」


なるほど、そうやって最強の魔人を作る計画か。

それに、俺の身を案じてのことならば、尚更しなくてはいかんだろう。が、


「この流れでやるのぶっちゃけハズい。」


「はいはーい、良いからあっちでやってきてねー。」


と、俺の葛藤を無視して奥の部屋に押し込まれ、あれよあれよと言う間に因子の取り込みが行われ、あれよあれよと言う間に、ご飯できたよー、と言われ。


そして俺はスキルの凄さを知った。


「なんか、すっげえ栄養ありそうに見える。これがスキルの効果か?」


「恐らくは。わたくしにも、とても栄養豊富なメニューに見えます。」


ゲームみたいに数値やグラフで解る訳じゃない。

だが、ハッキリと今までとは違う見え方をしている食卓を見て、漸く俺もオリジン計画に向かう意志が固まったように思う。


「じゃ、サクサクっと食べて、百花城の救援に行こー!」



用語などなど


○因子…本編では不明瞭にしているが、魔族特性のようなもの。ユーリカがオリジンになんやかんやして送り込み、その因子の働きで、オリジンはなんやかんやすると、相手の因子の取り込みができる様になった。

なお、なんやかんやはなんやかんやである。これは全年齢対象の小説なので、ソコハキニシテハイケナイ。


○スキル…よくある特殊能力や修得技能ではなく、潜在能力や保有能力になります。表記させる方法は存在しません。

つまりこの小説ではステータス表記は有りません。

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