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死んだ幼馴染が異世界で魔王やってた  作者: ないんなんばー
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申し上げるのが遅れましたが

ほんのり長くなった気がします。

今回もよろしくお願いします。

腕を前から上に上げて、下げる瞬間に捻り込む!


ガチッ!


腕を前から上に上げて、下げる瞬間に捻り込む!


ガチッ!


「ふぅ、漸く人心地付きました。ありがとうございました。」


「いえ、元はと言えば私が無理に引っ張ったばかりにご迷惑を。」


いえいえ、いえいえ、と、このままでは永遠に続きそうだったので、取り敢えず居間に案内し、コーヒーを淹れて話し合う事に。


マキナは腕の調子を確かめるように、手を握ったり開いたりしていたが、俺がコーヒーを淹れようとしている事に気付くと、慌てて「変わります」と言った。


せっかくだしお言葉に甘えようか。

俺の分のコーヒーが入り、マキナが自分のものを用意した所で、お互い正面に座る。


さて、何から話せばいいのやら。

そう考えていると、マキナの方から口を開いた。


「この度は、世界を越えての願いを聞いて頂き、誠に感謝しております。」


「いえ、こちらとしても、もう逢えないと思っていた彼女に逢えて万々歳ですので、そこはお気になさらず。むしろこちらの方が感謝の気持ちで一杯ですよ。」


「そう言って頂けると助かります。ユーリカ様がどうしても貴方様以外とは嫌だと仰るものですから、我々も散々に手を尽くしたかいがあると言うものです。」


頂いても?どうぞ。

なんてやり取りを挟みつつ、マキナは更に続けて言う。


「ご存知の通り、このままでは魔界は先細って征くばかり。

生前のユーリカ様と貴方様の仲睦まじいお話を聴いていると、この様な願いは受け付けて頂けないかと愚考しておりましたが、まさか快諾している頂けるとは夢にも思っていませんでしたので、せめてもの感謝と致しまして、精一杯ご奉仕させて頂きますね。」


そう言いながら微笑むマキナは、なんと言うかその、妙に艶があると言うか色気があると言うか。

まあ正直、俺が異世界でなにをするかとか聞いてないので話が微妙に解らんところもあるが、妙な雰囲気になるのもアレだったので、思い切って気になっていた事を聞いてみることにした。


「所で、マキナさんはやはり魔族なのだと思いますが、いったいどういった種族の方なのでしょうか?」


「どうぞマキナ、とお呼びください。丁寧な言葉もわたくしには不要です。

そうですね、ご理解頂けるかは解りませんが、エレジィという機械生命種族になります。わたくしの種族は、ちょっとした機械やカラクリが、長い年月を掛けて魔力を持ち、そして意思を持ち誕生するという、少し変わった種族ですね。」


「はあ〜、ロマンです…ロマンだなあ。」


「ふふっ、ユーリカ様もそう仰っていましたよ。」


あははうふふなどとやり取りをしている内に、玄関が開く音。

どうやらユーリカが戻ったらしい。


「たっだいま〜!いやー、やっぱこっちは便利だね、スーパー行けば何でもあるもん。

って、マキナ?こっちに来てたんだ。どう?その人がオリ君だよ、気に入った?」


と、捲し立てる様に話しながら買ってきた食材をキッチンに置いて、ユーリカは立ち上がりかけたマキナを制して隣に座った。


「はい、とても思い遣りのある、誠実で頼れるお方だと感心致しました。」


「そかそか、私はもう済ませたから、やっぱり次はマキナかなぁ。」


「ええ、わたくしは異論ありません。」


ユーリカ一人増えただけで会話量が増える増える。

コイツは変わんねえなあ、などど感じ入り、同時に部下?臣下?からもちゃんと愛されてるんだな、と思い、思わず笑みが溢れる。


「じゃあここで済ませちゃう?それとも、あっちに帰ってからにする?」


「あ」


ユーリカの質問に対し、さっきまでニコニコしていたマキナの動きが止まる。

そして、不味いことをしたかのように、大変バツの悪そうな顔で、ユーリカに向き直した。


「ユーリカ様、申し上げるのが遅れましたが、現在『百花城』が攻撃を受けています。

ドラグ率いる第一隊が守勢を受け持っていますので、大した被害は無いでしょうが、『咲き誇る朱』カミラが来ているとの情報もあり、ご指示を仰ぎに来た次第です。」


なんつー爆弾発言しちゃってんのこの子。それここで雑談してる暇なくね?


「ありゃ、もうそんなシーズンか。まあ、特に指示しなくてもいつもの通りやっとけば大丈夫でしょ。てかそれならマキナはこっちで済ませた方が良いかな?」


「え、ユーリカ様の前でするんですか!?」


「うふふー、私が見守っていてあげようじゃないか!」


真っ赤になるマキナと、なんかセクハラ臭い笑顔を浮かべたユーリカ。

おい、そんな事やってる場合なのか?

そんな事を考えていると、ユーリカがこっちに向かい、ビシッと指を突き付ける。


「いい、オリ君。これは魔王様公認のオリジン計画の一端なんだからね!私以外の子ばっかり構ってると、私だって拗ねちゃうんだからね!」


「いやいやちょっと待て、そもそもオリジン計画ってなんだ?てか、城は大丈夫なのか?」


俺の返答にキョトンとする二人、あ、コイツやらかしたな。


「…ユーリカ様、まさか、お話になってはいないのですか?」


「…あー、うん。言ってないや。なんにも言わずにイチャコラしただけだったわ、テヘ。」


両目を瞑りながら頭に拳をあて、舌を出すユーリカ、正直可愛い。

が、全く頼りにならなそうなので、マキナに視線を移す。


マキナは少し恥ずかしそうにしながらも、その計画を話し始めた。


「それではお話します。我々の考えた、オリジン計画の全貌を。」



建造物などなど


○百花城…ユーリカのお城。詳細は本編で!


○近くのスーパー…24時間、365日、休まず営業。お客様の笑顔を活力に、日々サービスの向上を心掛けています。

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