申し訳ありませんが付けて頂けますか?
一体何日の間連続で投稿できるのか…
あ、よろしくお願いします。
幼馴染曰く、異世界で魔族になあれ。
うん、こんなラノベありそう。
とにかく、ユーリカがそう乞うて、俺が是と応えたのだから、やるべき事は山積みだ。
まずは職場に連絡、本日休む事と、今月付での退職願い。
こちらはスムーズに終わった。
何しろ無気力人間だった俺の事だ、会社としてもこれ以上関わりたく無かったのだろう。
次にアパートの解約、こっちもまああっさり終了。
普通ならここで、家族やら親族やらといった事になるのだろうが、生憎、俺にはもうそんな物は居なかった。
だからこそ友梨佳が居なくなってあんなに辛かった訳だし。
こうしてみると、やはり自分が如何に人間味の無い生活をしていたかよくわかる。
服すらダンボール一箱分無いってんだから、そらユーリカも怒りますわ。
ちなみにユーリカは、俺の服を着て普通に買い物に行きました。
まあ、髪の色がアレだが、人間にしか見えんしなぁ。
なんか栄養あるものを作ってくれるらしい。
「ふぅ、こんなもんか。」
ガランとなった部屋を見渡す(程もないが)と、これから新生活を始めるんだと言う気持ちが蘇る。
あの頃と同じ気持ちが。
「魔族。魔族ね…。ユーリカみたいに人間チックな奴ならともかく、おっかないのとか居るんだろうなぁ。」
デーモンとかオーガ、アンデッドにゴブリンやオークなんかもか?
ドラゴンとか居るのかなぁ。
…いやドラゴンはむしろ会ってみたいけど。
仄かに疼く厨ニ心を押さえ付け、最後の荷物に封をする、よし、完成。
総量ダンボール二箱、総重量凡そ8キロの荷物を謎穴前に置いておく。
腰をトントンとオヤジ臭い動きをしながら、ふ、と、謎穴が気になった。
これ、向こうに繋がってるんだよな。
何となく、そう、何となくである。
ちょっとだけ手を突っ込みたくなってしまった。
そろりと手を伸ばす、指先が闇に沈む。
何の感触もない。
思い切って一気に肘まで突っ込む。
ガシッ!
「ファッ!?」
掴まれた!えっ、何!?ヤバイヤバイヤバイ!
どうすんのこれ!
何かスベスベした手?が俺の手の平や甲を撫でる。
怖い怖い怖い!
俺は謎穴の渕に左手をかけ、右手を思いっ切り引っ張った!
どっせぇぇぇい!一本釣りぃぃぃ!
そう、一本釣りである。
釣れたのだ、腕が…腕が!?
「腕ぇぇぇぇ!?」
しかもワキワキ動いてるし!
俺はその二本の腕を振りほどき、高速後退りによって距離を取った。
腕は追ってくるわけでもなく、何かその場に佇んで?いる。
どうしようこれ。ユーリカ待ったほうが良いのか…?
「あの」
よくよく見てみると、腕と言っても形は人間のようだが、まるでカラクリ人形のように中に歯車やワイヤーの様なものがあるのが解る。
「貴方様がオリジン様で間違いないでしょうか?」
これは異世界の技術なのか、はたまた太古の遺跡から見つかったオートマタなんてロマンなのか。
「聴いておられますでしょうか?」
「のわぁ!」
顔である。突然顔の前に顔が現れたのである。
上から覗き込む綺麗な青い瞳がこちらを捉え、金色の髪がサラサラと顔に掛かる。
「メイドさん?あ、腕…」
その少女はメイド服らしき物を着込み、本来有るべき腕の部分には何もなく、袖だけがふらふら揺れていた。
「お初にお目に掛かります。わたくし、魔王ユーリカ様の侍女を勤めております、マキナと申します。」
キッチリと折り目正しくお辞儀をし、少女はそう名乗る。
思わずこちらも正座し、深く頭を下げる。
「これはご丁寧に、私は庵…オリジンと申します。ユーリカに誘われて、そちらで厄介になる事になりました、どうぞお見知り置きを。」
どうか頭をお上げ下さい。いえいえ、大変申し訳無いことを。などとやっていると、マキナはふと、
申し訳無さそうな顔をした。
「あの、大変恐縮なお願いでは有りますが…」
「はい、何でしょうか?」
「申し訳ありませんが、付けて頂けますでしょうか…?」
彼女の視線の先には、床に転がる二本の腕があった。
人物などなど
○マキナ…魔族。お察しの通り、機械生命。魔族の中でもかなり特殊なエレジィと言う種族。ユーリカの侍女。
○オリジン…リア充→底辺→リア充の流れがマジ主人公。3話でヒロイン二人と出逢うチーレム系主人公の鑑。




