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死んだ幼馴染が異世界で魔王やってた  作者: ないんなんばー
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別録・勇者ガラルドの旅立ち〜始動編〜

今回は別視点!

よろしくお願いします!

 

「てやぁぁぁぁっ!!」


雷の意匠の刻まれた分厚い刀身が、光を反射して煌めく。


刃に吸い込まれる様に、額に角を持った兎は、体を半分に割られ、地に伏せる。


辺りを警戒しながら、青年はゆっくりと息を吐き、軽く手を上げて、幼馴染である相方に合図する。


「おつかれ、随分と調子良かったみたいね。」


「ああ、買って正解だったよ。教えてくれてありがとう。」


自分の背丈よりも大きな杖に乗り、空から降りてくる少女に、指先で刀身を弾きながら、青年は礼を言う。

縁の広い三角帽を指先で持て余しながら、少女は真っ赤な顔をして答えた。


「べ、別に、丁度アナライズの魔法書が見つかったから鑑定しただけだし。

それを買うかどうかなんて、そっちの勝手でしょ。」


何時も通りの素直じゃない返答に苦笑いし、青年は剣を鞘に戻す。


「ふふ、依頼も終わったし、素材を取って町に帰ろうか、アリア。」


「また笑って!ガラルドの癖に生意気よ!」


素材を剥ぎ取りながらも、顔を赤くして辺りを警戒しながらも、二人の口元は楽しそうに緩んでいた。






リーベンス国の辺境にある領地、ヤード領。


領民の半分以上が、牛か山羊を育てている牧歌的なこの領地は、リーベンス内では知らぬ者は居ないほど有名だった。


肉質が良く、低価格な食肉、味良く、香り高い乳製品。

そして何よりも、二代に渡って続いた、勇者の存在がある。


先代領主、『暁の勇者』ガラテア。

今代領主、『不壊の勇者』ガルシア。


二人は親子に渡り剣を鍛え、魔法を磨き、北の魔王の腹心であるデスアーマー、『鉄騎将軍』リヴィと戦い、そして友好を築いた。


すわ三代続けて勇者の排出か?

との期待は、勉学の道に進んだ兄ではなく、ガラルドに伸し掛かっているのだが、呑気に狩猟者をやっている本人だけは、全く気付いていないのであった。





ヤード領、森林の町ハーストウッド。ここ最近二人が拠点としている狩猟者の町だ。


いつもの様に狩猟者協会の門を潜り、依頼の達成報告をし、報酬を貰っていると、受付の女性が、ある書簡をガラルドに手渡す。


「どれどれ…、わ、父上からだ、珍しい事もあるなあ。」


「ほら、こんな所で広げないの。何か買って宿に戻るわよ。」


どこか抜けた幼馴染の青年に溜息を吐きながら、アリアはガラルドの手を取って協会を出る。


夕暮れの町並みは活気に溢れ、そこかしこから屋台料理の匂いが漂う。

すっかり減ってしまったお腹をさすり、夕食を調達する。


「あ、この匂い、これって南の魔王領から来た調味料の香りよ。」


「くぅ〜!腹ペコには効く匂いだよねえ。これにしよっか?」


「賛成!あー、美味しい食べ物と綺麗な街並みの都、行ってみたいなー。」


「ん、じゃあ、行くことにする?」


ガラルドに手渡された「味噌ダレ焼き肉」の器を思わず落としそうになり、アリアは慌てて両手で支える。


(今、このおバカはなんて言ったのかしら?)


内容を吟味するも、言われた通りの意味にしか取れず、アリアはそのまま聞き返す。


「…行くって、南の魔王領に?どうして?」


器用に器からつまみ食いしつつ、もう一方の手で先程の書簡をヒラヒラ降ってみせるガラルド。

口の中の肉を飲み込み、笑顔で答えた。


「そう言う依頼が来てるんだってさ、なんと、旅費はヤード家持ちで!」


アリアはポカンとなりながら、ズレた帽子を片手で直した。



人物紹介


○ガラルド…辺境領主の次男坊。骨董市で買った剣がお気に入り。


○アリア…ガラルドの元使用人、現パーティーメンバーの魔法使い。

照れ屋で、ガラルドについキツイ言葉を投げ掛けてしまうのが悩み。


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