ケンカ
朝はせりかに驚かされたが、それ以降は特に何もなく学校に着いた。
「お前、ふざけんなよ!」「あぁ?ふざけてるのはお前だろ!」
教室に入ろうとしたところ、同じクラスだと思われる男2人の口論が聞こえてきた。
「なんだと、てめぇ!表出ろや!」
うわー、『表出ろや』を生で初めて聞いた。
とそんなことを思っていると、その2人が廊下に出てきて、せりかと片方の男とぶつかって倒れた。
反射神経は異世界で鍛えていたので助けようと思えば助けられたが、ちょうどぶつかる7秒前にせりかが笑った時の歯グキが頭に残っていたので、見捨ててしまった。特に悪いとは思ってない。それどころか、俺の方が被害者だと思ったが、手だけはかしておこうと思い、引っ張りあげる。
「ありがとう」
「おい、てめぇ!ぶつかっといて、謝りもしないのかよ!」
ぶつかった男がつっかかってきた。
くそ野郎だな。殴り倒そうかな?と思っていると、もう一人の男が俺の方に顔を向けて、せりかと俺を交互に見比べ
フッ
鼻で笑われた!?!?!?
こいつ、ぶっ殺す!
別に、せりかを笑われるのはいい。それは大いに笑ってくれと思う。しかし、俺を笑うのは許せない!
考えがくそだと自分でも思うが、それでもイラッと来た。
ドンッ!
俺は、鼻で笑った方の男の襟首を掴み、持ち上げた。その男は足が地面につかずに足をバタバタしているが、力の差が違うので、その男が手を離れることはない。
「ぐっ、やめろっ!」
まだ、しゃべれるらしいが、かなりキツそうだ。
「あ?お前、俺を笑っただろ?後、人にものを頼むときはどうするんだ?」
ヒュッ
すると、隣から蹴りが顔に向かって飛んできた。せりかにぶつかった男の方だ。
俺は、その蹴りを少ししゃがむことで避け、もう1つの手でそいつの襟首も持ち上げた。
2人とも足をバタバタさせているが、俺がこの状態にしてるのに思うのも何だが
なぜ足をこっちに伸ばして俺を蹴らないんだろう?
同じ体格くらいの人の足と腕なら、絶対に足が長いのに…
「「すみません、離してください」」
2人同時に言った。見事なシンクロだ。
「ほらよっ」
そう言って、2メートルほど投げ飛ばして離した。
2人は仲良く尻もちをつき、こちらを睨んだ。
「「「「「おぉー」」」」」
いきなり、教室の方から驚きとも称賛ともきける声がが聞こえた。
せりかがぶつかった時から多くの人が観ているのは知ってて、驚きはしなかったが、いきなりだったのは確かだ。
「「お、覚えてろよー!」」
「どこのベタな悪役だよ!あ、つっこんじまった。」
あまりにもベタでつっこんでしまった。
「お~い!何してるんだ~!!!」
男で体格のいい先生が走ってきた。筋肉がものすごくついている。
めんどくさいことになりそうだ。
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