せりかの家
次の日の朝、何故か俺の家の前にせりかがいる。
はて、なぜバレたんだ?昨日、帰るときに常時【気配感知】を発動していたのに…。
ちなみに【気配感知】は半径500mの情報が入ってくる。これを街中で使うのはものすごく疲れるのだが、住宅街ならばまだ大丈夫だ。
とりあえず、学校があるので家を出た。
「一輝君、おはよう!」とニコッと笑い挨拶をしてきた。かわいい子なら、朝からテンションが上がるのだが、目の前のせりかはブスだ。今も歯が出てるのでテンションが駄々下がりだ。
だからと言って、挨拶を返さないのはどうかと思うので挨拶を返す。
「おはよう、せりかさん
それで、何で家を知ってるの?」
「たまたまだよ。偶然通りかかったら、一輝君が出てきたんだ。」
うん。嘘だ。【嘘発覚】が嘘だと言ってる。でも、どうやって特定した?しかし、嘘をつかれたので、初めはスキル【忘れんボウ】で俺の家を忘れさせようかと思ったが、俺は優しいからやめた。別にこいつをねらってるわけではない。いや、ほんとに。
とりあえず、どうやって家を特定したかだけ確認しないと。
「せりかさんの家はここの近くなの?」
「ううん。隣町だよ。」
「あれ?昨日、3丁目って言ってなかった?」
ちょっと追い込んでみるかと思いそう言った。
「え、えーと…
ごめんなさい。嘘つきました。」と素直に謝ってきた。
まぁ、ちゃんと謝ってくれれば許してもいいか。
「別にいいよ。隣町なら、俺の家を偶然通りかかったってのも嘘だよね?どうやって知ったの?」
「はい。それは…えーと…。」
「どうしたの?言いたくない?」
「家の力を使いました。」
「どういうこと?」
「私のお父さん、PITACHIの社長なんです。」
「え、PITACHIってあのCMでよくある『in spire the next』の?」
「いや、『in spirit the next』だよ。まぁ、だけど、そのPITACHI」
まじか。PITACHIってこの前、俺が私用で潰しかけたんだけど、やつらそれが俺だって知らないのか。次はまじで潰そうかな。 まぁ、そのときの話はおいおいするとして、今はこっちだ。
「で、その力を使って俺の家を特定したと」
「はい」
「あんまり、そーゆーことしない方がいいよ。潰されるかもだし」
「しないよ。一輝君だから、したの」
上目遣いで涙を少し溜めて言われたが、全然嬉しくない。てか、ぶっさいく~‼
「そ、そっか。ありがとう とりあえず、遅刻するから学校行こ?」
「うん!」
そして、そのまま他愛ない話をしながら二人で学校へ向かった。