入学式~2
教室に着くと、まず担任が自己紹介をした。
「私が今日から1-3組を担当します 星野 恭子です。年は26歳です。皆、一年間よろしくね」
パチパチと誰かが拍手をし、それにつられて拍手が大きくなって、しだいに収まった。
「じゃあ次は皆の番ね、1番の新井君からお願いね」
と拍手に照れた先生が言ったので、俺も席を立ち自己紹介をする。
「新井 一輝です。よろしくお願いします」
そして、席に着く
「え、終わり?」と皆がざわつくが無視すると、先生が「出身中学校と高校生活での抱負もお願いします」と言ってきた。
おいおい、出身中学校を言ったら色々バレるだろ。配慮してくれよ。と思いながら、もう一度席を立ち
「東中学校出身です。高校での抱負は、特にありません。」
と言って再び席に着く。
すると案の定、他の生徒達、特に東中出身だと思われる奴らが「え、あんなやついた?」とざわつく。
軽くキレたので、周りにスキル【威圧】をとても軽めに放つ。【威圧】により、周りは一瞬で黙った。冷や汗を流すものもいる。
先生に視線で次を促すと、慌てて「ありがとうございました。じゃあ、次の人」と言った。
そこから、順調に皆が自己紹介を終え、明日の連絡をしてホームルームが終わった。ようやく解散だ。
やっと帰れると思って伸びをしていると、後ろから声をかけられた。
「ねぇ、新井君」
どうやら女の子のようだ。
女の子は嫌いではない、どちらかというと、いや、どちらかと言わなくてもすごく好きだ。
女の子とわかれば返事は好印象を持たれるようにだ。
「どうしたんだい?」
と振り返り、微笑みながら応える。
ばっちりだろ。これでもらったなと思った。