入学式
入学式
これからの学校生活に期待と不安を抱き、前の日にドキドキして眠れなかった人もいるだろう。
俺もその一人だ。
そのおかげで、今日は入学式というのに遅刻。
両親は「来年、成人を迎えるんだから」と言って普通に仕事に出かけた。
起こしてくれてもいいじゃないか!
そう思いながら、学校まで早歩きをしている。
なぜ早歩きなのか
それは、もし俺が全力で走れば新幹線と同じくらいの速さになるからだ。
ちなみに早歩きは異世界で練習して、100m 9秒台の速さに調整してある。俺って努力家だな。
途中、陸上の監督のような人が口をあんぐりあけているが無視だ。その監督が誰かに電話をしだして「至急、調べたいやつがいる!」と言ってても無視して学校へ行く。
学校では、もう入学式が始まっていた。ちょうど今から校長先生の話のようだ。
新井なので出席番号は1番だ。だが、一番前には出席番号2番だと思われるやつがいる。
でも大丈夫!俺には、異世界で培った気配を【遮断】するスキルがある。
これを使って、こっそり一番前に行こう。徐々に【遮断】を解いていけば、ばれずに割り込めるはずだ。
スキルを使って一番前に並んだ俺は、徐々に【遮断】を解いた。
「うっ」
後ろのやつが少し下がり、その後ろの人の足を踏んで足を挫いたらしい。少し悪いことをしたが無視して校長先生の話を聞き流した。
話の内容はよくある「新入生を歓迎する」というものだ。それを長々と話している。
斜め後ろにいる女の子3人組が俺の方を見て何か話している。女の子ABCとしよう。盗み聞きのスキルを使って少し聞いてみる。
A:「あの人、かっこよくない?」
B:「どの人?」
A:「ほら、あそこの一番前にいる人」
C:「あ、ほんとだ~ アイドルみたい」
A:「後で一緒に話しに行こうよ」
B:「仕方ないなぁ」
と、話を聞くだけだと嬉しかったので少し振り返って顔を見てみた。
3人とも可愛い部類には入らなかった。Aは顔が馬っぽく、Bは歯が出ており、Cは能面のようだった。
はっきり言おう。ブスだ。
まぁ、いい、来たときは適当にあしらおう
と決心している内に校長の話が終わり、諸注意をしている。
もうすぐ終わりそうだ
そこから、一時間近く話は続いた。
いや、長すぎだろ!!!
と、軽く学校にキレたところでやっと話が終わり入学式が終わった。
今から教室に向かい担任紹介や自己紹介などをして解散らしい。
「早く帰りたい」
そう呟いて教室に向かった。