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部活系人狼!騙シ、騙サレ  作者: melon湯葉
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ワンナイト人狼1戦目

ワンナイト人狼・ルール

※今回の話のワンナイト人狼に限ったルールです。


・プレイ人数+2の枚数でカードを配布する。

・役職は人狼、占い師、怪盗、市民の4つ

・人狼側は、1人でも人狼が処刑されなければ勝利

・市民側は1人でも人狼を処刑すれば勝利(処刑者が複数いても、処刑者に人狼が含まれていれば勝利)

・怪盗は市民側の役職で、特定の1人とカード(役職)を交換できる。人狼と交換すれば人狼に役職が代わり、人狼側に数えられる。占い師と交換しても占う事はできない。

・占い師は、特定の1人を占うことができる。又は、残りのカード札2枚を占うことも可能

・議論時間は3分で、終わればすぐに投票に移る。

・投票は指差しで一斉に行うので、アイコンタクト以外に言葉による投票先の統一はほぼ不可能。


「な!?まじかよ!?でも先生人狼できるんすか?」

まさか篠原がいくら人狼部の設立を引き受ける立場とはいえ、人狼ゲームに精通しているとは思わなかったからだ。


「こう見えても、過去の人狼部の顧問をしてた。今回も顧問を引き受けるつもりだ。安心しろ、少なくともお前らよりは人狼ゲームを知っていると自負してる。」


驚く3人。


「驚いたぜ…」

身近に人狼ゲームプレイヤーがいたことに対する喜びか、翔太には笑みが溢れていた。


「まさか、先生が人狼部の顧問だったなんてね!」

香織もどうやら同じ反応のようだ。


「ですが、先生!翔太はまだしも僕はワンナイト人狼のルールを知りません。それでも行うんですか?」

あくまで親友といえど、翔太達ほど人狼ゲームに心酔していない誠は少し不安な気持ちである。


「んなもん、すぐわかるからいま説明してやる。」

そう言いながら、1枚の紙に簡単なワンナイト人狼のルールが書かれたものを机の上に置く篠原。



誠(こんなものまで用意しているなんて…本当に人狼部って存在していたのかな?)




そして、おおまかなワンナイト人狼のルールの説明を受けた翔太たち。


「よし、じゃあ始めるぞ。さっきも言ったが、勝負は3回までだ。それで実力が足んないようじゃこの話はなしだ!」

言い切る篠原に、さすがの翔太も緊張している。

目と鼻の先にある人狼部設立を前に、決して失敗してはいけないと気を張るのは当然の事だ。



「やるしかねぇか!」意気込む翔太。

篠原がワンナイト人狼のカードをシャッフルし、4人にそれぞれにカードが配られる。


配役は、人狼が2枚、占い師が1枚、怪盗が1枚、市民が2枚の計6枚である。

占い師は特定のの誰か1人を占うか、残り札である2枚を占うかを選択できる。


各々がカードを引き、役職を確認する。


(いきなりこのカードか…)

翔太は不安な様子でそのカードを見つめる。


そして篠原のケータイに映されたタイマーに3分という文字が光る。


「よし、じゃあ始めるぞ?議論時間は3分間だ。議論の途中だろうと3分経ったら即終了だ。いいな?いくぞ。スタートだ!」

篠原は頷く3人を確認すると、タイマーを押した。






「俺、占い師!んで、先生を占ったら人狼だった!」

開口一番に切り出したのは翔太だった。


初めてのプレイにどうすれば良いかと黙り決む誠と香織。

そんな2人を見ながらここは自分が喋るしかないと思った篠原。


「そうか、俺が人狼か。だが残念だな。」

「俺が本当の占い師だ。」


「…!!」

驚く翔太。


「え?先生も占い師?」

香織が訳がわからないという様子で2人の顔を見る。


「ちなみに俺は残り札2枚の方を占った。内訳は人狼と市民だった。だから俺からすると、嘘をついている伊角お前が人狼で、桜井、小野が市民と怪盗の組み合わせだ。どうだ桜井?」

さも正解だろう?という表情で香織と誠の方を向く。


「ええ、そうです。確かにその通りです。僕が怪盗で香織と交換して市民でした」

今、このタイミングで本当の事を言うのが正解か誠はわかっていなかったが、さすがに黙っているよりかはマシだろうと思い答えた。


「嘘だ!先生がマジで人狼なんだ!信じてくれ!」

おそらく事実であろう状況に翔太は必死に誠と香織を説得するしかなかった。


「うーん、信じたいけど。私は市民だし、そしてその市民である私と交換したって言ってる誠の事は信用できる。あと、先生は誠が怪盗って話を聞く前に言ったから翔太よりかは信用できるんだよね!」

香織はいかにも市民といえる考察で篠原と誠の言い分を受け入れているようだ。


あまりに綺麗な形とも言えるワンナイト人狼のゲーム展開に翔太は諦めるしかない様子だった。


「ってわけだ。残念だったな、伊角。個人を占う行動は場面によっちゃ強力な手だが、今回はイマイチだったみてぇだな。俺の信用勝ちだな」

そう篠原が諭すように語りかけるのも束の間、タイマーがゲーム終了の音を鳴らした。


「くそっ!!」

まさか篠原がここまで上手いプレイをするのかという驚きよりも自分のプレイの悔しさに腹を立てるしかなかった。


「よし、じゃあ投票だ。いっせーのーで!」

篠原の掛け声もともに全員が指差しで投票する。


当然、結果は翔太が篠原を指し、翔太以外の全員が翔太に指していた。

結果、人狼に3票集まり翔太が処刑されて市民側の勝利である。

今回ばかりは人狼側が苦しい結果となった。占い師の占い先も良かったのもあるが、怪盗が市民と交換していること、そして何より唯一の人狼だった翔太の動きが悪かったのが敗因である。



「ふぅー、何とか勝ててよかったね!」

ゲームが終わるといつもの笑顔に戻る香織。


「そうだね。ただ、怪盗は状況によっては立ち回りが難しいと思ったよ。もし人狼と交換してたら動き方が問われるよね。」

誠も初戦を勝利で終われたのにホッとしたのか、落ち着いた様子だ。



「そういうことだ。はじめてにしては2人とも頑張ったほうじゃねぇか?さあて、伊角よ。お前はこんな調子で大丈夫かあ?」

高身長なこともあり、対面する篠原のニヤケ顔がまるで自分を見下ろしているかのように思えて萎縮する翔太。



翔太(1回きりで決着がつく分、普通の人狼より難しいな…タイミングや作戦を練らないと一方的なゲームになっちまう!次は負けねえ!!)


残り2戦。次こそは勝つと翔太は意気込んだ。

ワンナイト人狼1戦目・内訳


人狼→翔太

占い師→篠原

怪盗→香織(元・市民から)

市民→誠(元・怪盗から)


怪盗の誠は、市民の香織と役職を交換。


翔太に3票全て入り、人狼を処刑して

→市民側の勝利

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