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部活系人狼!騙シ、騙サレ  作者: melon湯葉
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初のワンナイト人狼


「とまあ、そんなわけで人狼部って言葉は暗黙の了解でタブー扱いだったわけよ。」


体育館までの道中で、翔太は篠原から過去の人狼部の話を聞かされた。


簡単にいうと、昔人狼部は確かに存在していた。しかし、とある事件をきっかけに所属していた生徒1人が行方不明になり、あまりの状況に学校としても廃部しないといけない事態になったという。


「そうなんすか…でも俺やりたいんすよ!今まで見るしかできなくて、やっと実際にプレイできるかもしれいない機会を逃したくないんすよ!」


その真剣な眼差しにうーんと唸る篠原。

「よし、わかった。何とか働きかけてみよう」

「よっしゃ!…」

「だが!放課後にオレんとこにこい。いいな?」

「はい!わかりました!あざっす!」

「あ、それと3人いないと創部できねぇからあと2人連れてこいよ?」

「りょーかいっす!」

もちろん誠達も誘う予定だった翔太だが、ちょうど総部の条件も3人であるこにラッキーだっと喜んでいた。




よくある光景だろう。長すぎる一言を延々と聞くだけの時間、そう入学式である。

「新入生の諸君、これから高校生の自覚を持って…」

校長先生の話が長く続く中で、翔太は待ちきれないとばかりにさっき篠原と話した内容を香織と誠に伝えていた。


「何か昔いろいろあったみたいだけど、人狼部作るのには協力してくれるみたいだぜ!」

肝心なところを省いて説明する翔太。

「篠原先生か、俺らの担任は結構当たりだったのかもな」

いきなりなのに手伝ってくれると聞いた誠はそう感心していた。


「すごいじゃん!あたしが教えてあげたおかげだね!ところで、部員とかどうするの?」


「ああ!サンキューな香織!それなんだけどよ。香織と誠には当然入ってもらとして、3人じゃ少ないからもうちょっとほしいよなー」


「俺たちはもう入る前提なんだね…まあ特に入りたい部活もなかったしね」

もう了承を得る前に部員の頭数に入れられている誠と香織は呆れながらも、嫌な気持ちはしていないようだ。


入学式も無事終わり、教室へと移動したAクラスの生徒達。しかし、入学式初日というものは特に学校としてもやる事はなく、早くもHRの時間になっていた。


「んじゃ、一年間よろしくな!以上、解散!」

そう篠原が締めると、新しくできた友人と遊びに行く約束をしているのか、クラスメイト達の声が飛び交う。

その喧騒の中、翔太達は目的地へと足を進める。


「いやー、ついに念願の部活かぁ!そういや、顧問とかどうしよ?篠原先生に頼むか?」

嬉しさが最高潮の翔太は、スキップしながら職員室へと向かう。

「先生がほかの部活の顧問してなかったら大丈夫なんじゃない?」

香織も翔太に次ぐ人狼ゲーム好きな事もあり、人狼部が作れることに喜んでいる様子だった。


こんな軽い感じで部活の申請なんて通るのだろうかと不安がる誠も、さすがの翔太の高揚っぷりにここでは何も言わなかった。


ノックをし、朝と同様に篠原先生を探す。

「篠原先生おられますかー?」

翔太の姿を目にすると、思い返したかのように朝の静まった時の視線が、また翔太達を刺す。

出来事を知らない香織と誠はその視線に萎縮する。


篠原「おう、伊角来たか。なるほど、残りは2人は小野と桜井か。そういやお前ら同じ中学だったな。よし、ここじゃなんだからとりあえずついてこい。」

そう言われ、指示どおりについて行く3人。


(生徒指導室?…何か聞かれたらまずいことでもあるのか?)

心配性の誠だけは、部屋に入るのに少し抵抗がある様子だった。


4脚の椅子と1つ簡易な机が置かれている以外何もない生徒指導室は殺伐としていた。


「よし、座れ。あれから上と話合って何とか人狼部を創部、まあ復活?だな。するのは許可が降りた。だが、問題のあった部活だ。そう簡単に認めるわけにもいかねぇ。ってことで今からお前らをテストする!」

はじめは普通に話していた篠原も急に真剣にな顔つきになった。


「え?!テスト?!創部するのに試験なんかあるのかよ、先生!」

目の前の人狼部誕生を前に、焦らされて少しイラつく翔太。


「仕方ねえだろ?部活作るってのはそんな簡単じゃねぇんだ。それにだ。実力のない奴を部員にするわけにもいかねぇしな。」


「まあ、確かにその通りですよね。」

当然の言い分に頷く誠。


「テストかぁ、何するんだろ?」

テストと聞いて各々リアクションを取る3人。



急な展開に驚く3人だがやらないと始まらない以上、篠原の言葉を待つことにした。

「よし、急ですまねえがさっそくテスト内容を発表する。テスト内容はワンナイト人狼だ!」



3人「ワンナイト人狼!?」

人狼ゲームの短縮版ともいえるゲームでゲーム時間が短いのが特徴のゲームである。


「ワンナイト人狼ってあのワンナイト人狼っすか?それを俺たちでやるだけですか?」

テストと聞いていたから何か問題を出されると思っていた翔太達は逆に拍子抜けした様子であった。



「知ってるなら話が早い。それを3回を行う。それでお前ら全員の人狼ゲームとしての実力を測る。俺が実力が足らねえと思ったら今回の話はなしだ。そして、もちろん俺も参加する!」

篠原はどうだ驚いたか?と言わんばかりと顔でニヤっとさせた。

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